海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2010年版(早川書房) 」 一覧

ミレニアム2 火と戯れる女

ミレニアム2 火と戯れる女(上)(下)/スティーグ・ラーソン/早川書房(2009.4.15発行)

前作から5ヶ月で本書が出ました。早川書房さんそして翻訳者の方、ありがとうございます。第3作もなるべく早く世に出してください(2009.7.10刊行予定 早川書房ホームページより)。 読み終えてしまうのがもったいなくて、なかなか本を開けることができない。そんなミステリのひとつです。 このミステリは本当に丁寧に書かれており、一つ一つの謎をきちんと解き明かしてくれます。是非第1部からお読み下さい。 あま…

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ダブリンで死んだ娘/ベンジャミン・ブラック/ランダムハウス講談社(2009.4.10発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1950年代のアイルランドのダブリン 主人公は病理科医長・検死官も務めているクワーク 主人公が検死官でも検死官が科学的知識・考察により事件を解決するいわゆる検死官ものとは違います。 真実を正義を求めて、ぶきっちょなまでにまっすぐに突き進む主人公 こういう作品をアメリカ探偵作家クラブは好んでいますね。 「ブッカー賞作家が…

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コンラッド・ハーストの正体/ケヴィン・ウィグノール/新潮文庫(2009.2.1発行)

愛する人への手紙「十年前に、こんなふうにきみに手紙を書けばよかった。」という書き出しで始まるプロの殺し屋が主人公のラブストリー 一気に読んでしまいました。愛の深さに読み終わってからも涙が出てきました。 amazonのレビューの方々はこれをスパイ小説ととらえ、殺人を重ねてしまう理由に納得されていませんが、究極のラブストリーなのが作者の意図だと思うのですが。 そう考えてもう一度読み返してみてください。…

川は静かに流れ

川は静かに流れ/ジョン・ハート/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.2.15発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞(エドガー賞とも呼ばれる)最優秀長編賞受賞作品 全米ベストセラーを記録  物語は主人公が5年ぶりに故郷に帰ってきたところから始まります。 どこかで読んだことがあると思ったのは第1作の『キングの死』を読んだからでしょうか。 友情と愛と 故郷への強い思いと 親子の愛情と葛藤と 前作と共通のテーマに真っ向から取組んでいます とても読みやすいし、夢中になって読ん…

ミレニアム1

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)(下)/スティーグ・ラーソン/早川書房(2008.12.15発行)

2006年スカンジナヴィア推理作家協会「ガラスの鍵(Glasnyckeln)」賞※受賞作品 一つ一つの謎を丁寧に誰にも分かりやすく解いて、読む人をどんどんひきつけていく。 これがミステリのベストセラーになる本の共通点だと思います。 物語は、誕生日に40年にわたって必ず届く額入りの押し花が、今年もまた82歳になる老人に届いたところから始まります。 全世界で800万部を突破した『ミレニアム』三部作の第…

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スリーピング・ドール/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2008.10.10発行)

本を途中で閉じて、ゆっくりと本の表紙をながめる。これからいったいどうなるのか。 先が楽しみで、なかなか新たに本を開けることができない。そんなミステリ。 物語は、主人公カルフォルニア州捜査局捜査官「キネシクス」分析の天才キャサリン・ダンスの尋問から始まった。  ※キネシクス ボディーランゲージ分析・人間の所作や表情を読み解いて相手の感情を推し量ること。 一家4人を惨殺した”マンソンの息子”の異名を…