海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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眼を閉じて/ジャンリーコ・カロフィーリオ/文春文庫

イタリアの現職のマフィア担当検事補が描く弁護士グイード・グエッリエーリが活躍する法廷サスペンスの第2作目  第1作は『無意識の証人』 法廷サスペンスが大好きな人には絶対に見逃せない作品です。 イタリアの法制度が日本やアメリカとは大きく異なるので、戸惑うかもしれませんが、 弁護士の法廷でのやり取りの面白さに浸ってみてください …

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廃墟ホテル/デイヴィッド・マレル/ランダムハウス講談社

2このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社第18位 発想の面白さにあっという間に読みきってしまいました。 都市探検者(こんなジャンルがあるとは思わなかった)のたった一夜の恐怖の物語。映画化されたら、どんなに面白いだろうかと思いました。 2005年12月13日ランダムハウス講談社より発行 …

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大統領特赦(上)・(下)/ジョン・グリシャム/新潮文庫

  2007/04/27    評価: ☆☆☆☆☆

ジョン・グリシャムの第18作 イタリア ボローニャの料理及び観光案内としても十分な内容を持った不思議なサスペンス。これもまた、映画化されるものと思われます。 サスペンスものとしては、最後がちょっと物足りない気がしますが、相変わらず読む人をひきつけて離さない作品を書き続けてくれています。 平成19年3月1日新潮文庫より発行 (ジョン・グリシャム アーカンソー州の建設労働者の息子として生まれ、ミシシッ…

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カンヌ、羨望の陰で/ダイアナ・ダイアモンド/ヴィレッジブックス

  2007/03/24    評価: ☆☆☆☆☆

競い合う姉妹を含め登場人物はたったの4人 姉妹はこんなに激しく憎み合い、競い合うものなのでしょうか。 いろいろと起こる事件の黒幕はいったい誰なのか。最後の最後まで引っ張ってくれる作品です。うーん、おもしろかった。 ところで、題名は全くいただけません。原題は「THE GOOD SISTER」となっており、直訳でよかったのではないでしょうか。 2007年1月20日ソニーマガジンズより発行 …

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幸運は誰に?〈上〉〈下〉/カール・ハイアセン/扶桑社ミステリー(2005.12.27発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)宝島社<海外>第11位 34億円の宝くじが当たったらあなたはどうしますか。当選者が2人だったらどうしますか。 人間の素晴らしさと悲しさと欲深さをユーモアたっぷりに描き出すベストセラー作家の傑作。 これほど本を開けるのが待ちどうしいと思った作品もありません。あなたも是非お読みください。 お金が全てという考えに対する鋭い批判も作品の底辺を流れています…

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失われた男/ジム・トンプソン/扶桑社ミステリー

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)宝島社 <海外> 第20位  闘うベストテン2006(ミステリチャンネル) 海外ミステリ  第5位 先に何が待っているのか、全く見当のつかないおもしろさ。物語の展開のすばらしさ。この作家の実力はすごいと思います。 この作家独特の世界に、あなたも是非ひたってください。ちょっと時代を感じることもありますが、とても入りやすい世界です。 解説の中で「これ…

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あなたに不利な証拠として/ローリー・リン・ ドラモンド /ハヤカワ書房(2006.2.9発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第1位に輝く作品 実際に市警の警官だった作家が描く婦人警官達の生き様・心の葛藤が素晴らしい表現力で読む人に伝わってきます。 訳者あとがきがのなかで「エルモア・レナードに『彼女の書くものはこれから全部読む』と言わしめたほど強烈で斬新な、心と五感を容赦なくえぐる作品」と記しています。 ところで、早川書房さん、本書裏表紙の作品紹介は、はっきりと間違っています。…

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ラスト・ブレス<死ぬための技術>/ピーター・スターク/講談社文庫

  2007/03/24    評価: ☆☆☆

人間の身体の不思議さ・機能のすばらしさにまず心打たれます。 また、人類がどれほど限られた条件下でしか生きられないことを再認識しました。 地球温暖化現象の進行の事実の前に戦慄の思いがしました。 …

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闇に濁る淵から/レニー・エアース/講談社文庫(2007.2.15発行)

読み終わってしまうのが残念で、なかなか先を読めなくなってしまった作品 本当に素晴らしいミステリーをありがとうございます。 この作家は非常に寡作の人とのことなので、さらなる続編を望むのは無理なのでしょうか。 でも、この作品に登場するみんなにまた会いたいと思う気持ちを止めることは出来ません。 舞台は1931年のイングランド 第1作から10年の年月が経っています。 ジョン・マッデン警部の第2作 2007…

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夜の闇を待ちながら /レニー・エアース /講談社文庫(2001.10.15発行)

舞台は第一次世界大戦後のイングランド 美しい田園地帯で起きた殺人事件 スコットランド・ヤードのジョン・マッデン警部補をはじめとしてこのミステリーに登場してくる登場人物は皆愛すべき人たち。ただ、どこにでもいる出世だけを考える全く無能な警視正を除いて。 ロバート・ゴダード絶賛の話題作 本作の続編が出版されたためもう一度読み返してみましたが、本当にすばらしい!!! 2001年10月15日講談社文庫より発…

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穴 HOLES/ルイス・ サッカー/講談社文庫

  2007/03/24    評価: ☆☆☆☆☆

アメリカらしいドリーム・ストリー たった一人の友達を思う気持ちが奇跡をもたらします。 あなたもきっと元気づけられます。 最後まであっという間に読み切ってしまいました。 1998年に刊行された本書は、1999年ニューベリー賞他多数の賞を受け、全米で350万部を超えるベストセラーとなった。 本書の主人公スタンリーのその後がわかる『道 ROAD』も是非読んでみるつもりです。 2006年12月15日講談社…

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緋色の迷宮/トマス・H・クック/文春文庫(2006.9.10発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第6位 先を知りたくて、事件の結末を早く知りたくて、これほど続けて読みたくなるミステリーはありません。もったいなくて、本を置いて休憩するにも苦労しました。 自分の息子が幼女誘拐犯かもしれない。一旦疑い始めると—- この人の作品にはただただ脱帽です!!! 2006年バリー賞最優秀長篇賞受賞作品 2005年は『蜘蛛の巣のなかへ』で第10位 いつもランクイ…

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奇術師の密室/リチャード・マシスン/扶桑社ミステリー(2006.7.29発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第7位 往年の名奇術師が植物人間となり、2代目の息子を廻る事件の一部始終を目撃して、それを語る形のミステリー 何しろ奇術師だけに、至る所に仕掛けがあり、何回もだまされてしまう。またまた、やられてしまったかと爽快な気分にさせられるミステリーです。 評価どおりの秀作です。 このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社でも第7位 闘うベス…

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荒ぶる血/ジェイムズ・カルロス・ブレイク/文春文庫(2006.4.10発行)

このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社第3位 2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第10位 本書はジェイムズ・カルロス・ブレイクの第7長編 掛け値なしにおもしろい!!! 1913年のメキシコから物語は始まり、1936年が舞台となっている時代物ミステリー。 評価が高いのも頷ける作品です。 2006年4月10日文春文庫より発行 …

クリスマス・プレゼント

クリスマス・プレゼント/ジェフリー・ディーヴァー/文春文庫(2005.12発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 ジェフリー・ディーヴァーのミステリー短編16作品がつまったもの リンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する表題の「クリスマス・プレゼント」もしっかりとプレゼントされています。 短編があまり好きでなかった私も、この作品集には脱帽です。どの短編がもっとも気にいるか。じっくりとジェフリー・ディーヴァーの世界をお楽しみください。 2006年文庫翻訳…