海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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カリフォルニア・ガール/T・ジェファーソン・パーカー/ハヤカワ・ノヴェルズ(2005.10.15発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第11位 『サイレント・ジョー』に続き二度目のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞 ミステリーであるとともに家族の成長の小説でもあります。 このミステリーがすごい!2006年度版(2005年)宝島社でも第7位 2005年10月15日早川書房より発行 …

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かもめの叫びは聞こえない/メアリ=アン・T. スミス/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2005.11.20発行)

女性FBI捜査官ペネロピ(ポピー)・ライス・シリーズの2作目 舞台は大西洋に浮かぶブロック島 FBI捜査官ポピーは、恋人のジョーとともに彼の別荘がある風光明媚な島で過ごすことにしたが、ほぼ全裸で、奇妙にねじくれた死体を見つけてしまう—– ある感想に「島の人々との心の交流が読後にまでしみじみと残る傑作」とありますが、全く同感です。 次作が待たれるところです。 2005年11月20日ヴィレッジブ…

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遺産/D.W. バッファ/ 文春文庫(2004.10.10発行)

次期大統領を目指すカリフォルニア州上院議員が射殺され、強盗目的で黒人医学生が容疑者 として逮捕される。被告側弁護人としてアントネッリが弁護に立つ—- リーガルサスペンスとしては、読者にわかりにくかった部分が多かったように思います。 ちょっと残念。 D.W. バッファは、サンフランシスコ生まれ 弁護士アントネッリを主人公としたデビュー作『弁護』が高い評価を受け、シリーズの4作目です。第2作は『訴…

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テキサスは眠れない/メアリ=アン・T. スミス/ヴィレッジブックス

主人公は女性FBI特別捜査官ペネロピ・ライス 死刑執行まであと10日に迫ったロナ=リーは、マスコミのインタビューに聖女の微笑みを浮かべて答えていた。 容疑者は天使なのか悪魔なのか どこか不自然なところを感じたFBIの女性捜査官ポピーは、現地テキサスへと飛び事件の再調査を開始する—– 次作は『かもめの叫びは聞こえない』で、すでに発行されています。 著者によればこの物語にも実在のモデルがあるとの…

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輝く断片/シオドア・スタージョン/奇想コレクションシリーズ 河出書房新社

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第2位 シオドア・スタージョンのSF色の弱い作品を中心に組まれた短編集 シオドア・スタージョンは1918年ニューヨーク生まれ SF・幻想作家 アメリカ文学史上最高の短編作家とも言われている。 短編集は敬遠される方も一度手にしてみてください。高い評価がうなずけると思います。 2005年週刊文春ミステリベストテンでも第3位 このミステリーがすごい…

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サルバドールの復活〈上〉〈下〉/ジェレミー・ドロンフィールド /創元推理文庫(2005.10.14発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第1位 どうしてこんなにわかりにくく書くのでしょうか。私には理解できません。メモをとって読まないことには、わからなくなってしまいます。 ミステリーとして十分楽しめる作品なのに、ここまでわかりにくいと放り出したくなります。場面の切り替えごとに小見出しをつけて、時代と場所が書いてあればどんなにか良かったでしょうか。 ミステリーの愛読者たちがすべて…

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カジノを罠にかけろ/ジェイムズ スウェイン/文春文庫

原題は「GRIFT SENSE」 昔からのギャンブラーの意味  グルフト・センスがあるというのはハスラーに対する最高のほめ言葉だそうです。 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第3位 作者のジェイムス・スウェインはフロリダ州在住 カード・マジックとギャンブルの名手にして広告会社の経営者 元警官でカジノ相手のコンサルタントのトニー・ヴァレンタインが主人公 シリーズ化され、現在まで…

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パズル/アントワーヌ・ベロ/ハヤカワ・ノヴェルズ

アントワーヌ・ベロは、1970年ボストン生まれのフランス人 後に両親の住むフランスへ移住 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第5位 本書の広告として「世界最高の実験小説」「今世紀最大の異色問題作」とあります。 マニアックすぎて、普通のミステリーを読みたい方にはお勧めできません。 訳者も「これは推理小説なの?はたまた著者の文学的試みの一つなのか。推理小説だと思って手にした読者に…

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最後の一壜/スタンリイ エリン/ハヤカワ・ポケット・ミステリ

2005年週刊文春ミステリベストテン第9位 スタンリィ・エリン(1916年ニューヨーク生まれ1986年没)の短編集 ミステリーの短編集を通勤電車の中で読んで見たい方には、うってつけの名作集です。 時代を感じさせません。 あなたはどの短編がおきに召すでしょうか。私は表題の作品が最も気に入りました。 このミステリーがすごい!2006年度版(2005年)宝島社でも第10位 収録作品 「エゼキエレ・コーエ…

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鏡のなかの予感/アイリス ジョハンセン/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション

  2006/01/15    評価: ☆☆☆

アイリス・ジュハンセン ケイ・フーパー  フェイリン・プレストン 三人の作家が 過去・現在・未来の3つの時代に生きる女性の愛の物語を綴った作品。 3人の合作とは思わないほどひとつの作品になっています。 一族に伝わる未来を写す魔法の鏡が、二人の愛にどんな影響を与えるのか。楽しみながらお読みください。 …

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死影/ヴィレッジブックス/マイケル マーシャル

マイケル マーシャルは、1965年英国ナッシュフォード生まれ 原題は The Straw Men 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第6位 訳者あとがきのなかで、スティーヴン・キングの賛辞が載っています。「サスペンス小説の世界にはもう何も新しいものがないと思っていたとき、何とも危険な一匹の蜘蛛があらわれた」と本書を紹介「この作品は異彩を放ち、すさまじいまでに不気味だ」と。 3…

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嘆きの橋/文春文庫/オレン・スタインハウアー(2005.10.10発行)

オレン・スタインハウアーはアメリカのヴァージニア州生まれ 現在はハンガリーのブタペスト在住 舞台は1948年の東ヨーロッパ 先を読まずにはいられない面白さ。5部作のシリーズ作品となる予定と聞いて、わくわくしています。 出版社様、どうか順番にすばやく翻訳してくださいね。 本書は、アメリカでミステリ各賞にノミネート 2003年度のアメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀新人賞候補作品 日本でも、闘うベス…

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ノーセカンドチャンス(上)(下)/ハーラン・コーベン/ランダムハウス講談社文庫(2005.9.13発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第7位 『唇を閉ざせ』」以来のハーラン・コーベン待望の邦訳 訳者はあとがきの中で「悪夢の中をさまようようなサスペンス」と表現しています。 こんな状況に置かれたら、あなたならどうしますか。 先を読まずに入られなくなるお勧めのミステリーです。 本書は2003年に発表され、日本では2005年9月13日ランダムハウス講談社文庫より発行        …

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紙の迷宮〈上〉〈下〉/デイヴィッド リス/ハヤカワ・ミステリ文庫

デイヴィッド リスは1966年に生まれ、フロリダ南部で育つ。 2001年アメリカ探偵作家クラブ賞の最優秀新人賞獲得 創設期の株取引に絡んだ殺人事件を扱った歴史ミステリー 2001年8月15日早川書房より発行 1719年のロンドンは、こんな様子だったのかと本当に驚きます。 現在の社会のありがたみが良く分かります。     …

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汚れた翼〈上〉〈下〉/ジャン バーク/講談社文庫

  2005/12/17    評価: ☆☆☆☆☆

ジャン バークは、1953年アメリカ・テキサス生まれ  『骨』(講談社文庫)で、2000年度MWA賞最優秀長編賞(エドガー賞)受賞 2005年11月15日講談社文庫より発行 原題FLIGHT 新聞記者アイリーン・ケリー シリーズ第8作目 今回はアイリーンの夫ラス・ピエルナス警察殺人課刑事フランク・ハリマンが主役 事件の謎解きを楽しみながら、作品の底を流れている人間の愛情を感じるすぐれたミステリー…