天国の囚人/カルロス・ルイス・サフォン/集英社文庫(2014.10.25発行)
<忘れられた本の墓場シリーズ 4部作>の第3作
前作発表から2年3か月を経てやっと刊行されました。こんなに時間がたってしまうと前作を覚えていることは不可能ではないでしょうか。しかも第2作は第1作『風の影』から6年の歳月を経てやっと出されているのですから。
泣き言を言っても仕方がないので、初めての方は第1作から一気にお読みください。その特権はあなたにしかありません。
最も完結編はまだ作家が執筆中とのことです。それが日本で出るまで待って4部を一気読みした方が良いかもしれません。何年待たされるかわかりませんが。
物語の舞台は1957年のバルセロナ。父の書店で働く青年ダニエルは、結婚間近の親友で同僚のフェルミンがやせ細っていくことに気がつく。彼宛に不可解なメッセージ「死者の中からよみがえり、未来の鍵を持つフェルミン・ロメオ・デ・トーレスへ 13より」を残した謎の男の来店もあり、友人を問い詰めると、フェルミンは自らの驚愕の過去を語り始めた…。
今回の物語はフェルミンが主人公。彼の明るい性格に救われます。
作者は「読者が頭のなかでの劇場で見るものが、最高の映画だ」と言って映画化を拒否しているそうです。
2014年10月25日集英社文庫より発行
<忘れられた本の墓場シリーズ 4部作>
第1作 『風の影』2001年スペイン発表2006年7月日本で刊行
第2作 『天使のゲーム』2008年スペイン発表2012年7月日本で刊行
第3作 『天国の囚人』本書2011年スペインで発表
関連
-
歴史ミステリもの, 評価: ☆☆☆☆☆