海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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聖林ハリウッド殺人事件/D.W. バッファ/文春文庫(2006.11.10発行)

弁護士ジョーゼフ・アントネッリを主人公としたデビュー作『弁護』が高い評価を受け、シリーズ化の5作目です。第2作は『訴追』第3作は『審判』第4作は『遺産』 「宮部みゆき氏も大ファン、バッファのリーガル・ミステリ」と紹介されています。 リーガルサスペンスとして、主人公の活躍が十分ではなく、ちょっと残念な思いががしました。 何が真実なのか、最後まで読者にわかりにくかったように思います。 2006年11…

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パズル・パレス/ダン・ブラウン/角川書店(2006.4.4)

  2007/01/18    評価: ☆☆☆☆

『ダ・ヴィンチ・コード』でその名をはせたダン・ブラウンの作家デビュー作 1998年の作品 日本では2006年4月5日角川書店より発行 訳者あとがきの中で「全世界的通信傍受システム”エシュロン”が公になったのは、この作品の刊行よりずっと後の2001年である」と紹介されている。 誰が敵で誰が味方か最後の方まで分からない構成と展開の早さに巻き込まれてしまいます。 ちょっと同じ手を使いすぎる嫌いがあるかも…

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ザ・ポエット/マイクル・コナリー/扶桑社ミステリー(1997.10.30発行)

  2007/01/18    評価: ☆☆☆☆☆

1997年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 想像を絶する殺人事件を追う新聞記者ジャック・マカヴォイが主人公。 作者自身が10年以上記者として活躍した経歴があり、警察やFBIの捜査に新聞記者がオブザーバーとして参加できるという記者にとっては夢のような設定をした作品 1997年10月30日扶桑社より発行 …

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蒼い闇に抱かれて/イローナ・ハウス/文春文庫

アメリカのメリーランド州ボルティモア市警殺人課の女性刑事ケイ・デラニーの活躍を描くシリーズ第1弾 最後まで一気に読み切ってしまいました。ロマンス小説を7作発表後ミステリー作家に転向しただけあって、ミステリーとロマンスとを同時に楽しめる作品です。 文藝春秋より2006年8月発行 …

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チェイシング・リリー/マイクル・コナリー/早川書房

  2007/01/03    評価: ☆☆☆

ハリーボッシュシリーズの8作目と9作目の間の単発作品 天才科学者のヘンリー・ピアスが主人公 自分が陥れられた罠に気がつき、自らを救うために事件の解決に挑んでいく作品です。 私個人としてはハリーボッシュシリーズのほうが読んでいて楽しかった。あなたはどうでしょうか。 …

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容疑者〈上〉〈下〉/マイケル ロボサム/集英社文庫

主人公は、ロンドンにオフィスを構える42歳の臨床心理士ジョーゼフ 警察の捜査に協力していくうちに次第に事件の渦中に巻き込まれていきます。 作家のマイケル ロボサムは、ゴーストライターとして自伝10作を手がけ、初の小説である本書を書いた。本書は既に十数カ国語に翻訳され、30カ国以上で刊行されているミステリーとして評価の高い作品です。 あっという間に最後まで読んでしまいました。登場人物達にもとても惹か…

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剥がされた皮膚―マンチェスター警察殺人課ファイル/クリス・シムズ /小学館文庫

主人公はマンチェスター警察のジョン・スパイサー警部  休日にはラグビーチームで活躍する正義感の強い警部が、上司の主任警部から嫌がらせを受けながら、大学出の幹部候補生リック・サヴィルと組まされて連続する猟奇殺人犯の捜査に当たります。 本書はジョン・スパイサー警部のシリーズ第2作 第1作は本邦未訳です 2006年12月1日小学館文庫より発行 次作(シリーズ第3作)は小学館文庫より出版の予定とのことなの…

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最後の喝采/ロバート・ゴダード/講談社文庫(2006.1.15発行)

  2006/12/08    評価: ☆☆☆☆

舞台俳優・トビーは地方巡業先で、離婚訴訟中の妻から助けを求められた。正体不明の男に見張られているので、何者か探り出して追い払って欲しいというものだった— 物語の舞台はイギリスのブライトン ロバート・ゴダードの16作目(?)の作品 2006年1月15日講談社文庫より発行 …

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震える熱帯/ボブ・モリス/講談社文庫(2006.11.16発行)

またまたフロリダから全く新しいタイプのヒーローの誕生 2005年アメリカMWA賞処女長編部門候補作となったサスペンス フロリダからは多くの作家が誕生していますが、自然に恵まれているからなのでしょうか。 是非一度お読みください。フロリダの空のように爽快な気分になれます。 アメリカでは2005年既に第2作を発表 来年には第3作の刊行予定だそうです。 何れも本書のヒーロー 元アメフト選手のザック・チェイ…

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ダーティ・サリー /マイケル・サイモン/文春文庫

ジェムズ・エルロイ絶賛と本の裏書きにあったので、暗くてハードなものを考えていました。 その通りと言えばその通りですが、展開の早さ・捜査に対する一途な想い・現実の厳しさがひしひしと伝わってくる秀作です。 巨大な権力を持った悪に対し、一人の刑事がどう立ち向かっていくのか。まっすぐな彼の思いをまた応援したくて次作を読みたいと思います。 殺人課刑事ダン・レリスを主人公とした物語はシリ?ズ化 既にアメリカで…

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わが心臓の痛み〈上〉〈下〉/マイクル・コナリー/扶桑社文庫

このミステリーがすごい!2001年版(2000年)宝島社第6位 『天使と罪の街』の訳者があとがきの中で最高の作品と絶賛していた作品 クリント・イーストウッド監督・主演映画化 引退したFBI捜査官テリー・マッケイレブが主人公。彼の元へ一人の女性が訪ねてきたところから物語が始まる。心臓移植手術の直後の彼は謎の美女から驚愕の事実を告げられる――彼に移植された心臓は、強盗に命を奪われた彼女の妹のものだった…

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天使と罪の街(上)(下)/マイクル コナリー /講談社文庫(2006.8.11発行)

2006年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第2位 本書はハリー ボッシュのシリーズ第10作 読み終わってしまったのがとても残念です。ずっと読み続けていたかった。 噂通り12作で終わってしまうのでしょうか。マイクル コナリー様それだけはかんべんしてくださいな。 それにしても、このシリーズには捜査の邪魔をする無能な上司がいろいろ登場してイライラさせるのは 何故なのでしょうか。 2006年8…

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ひと夏の旅/ドロシー・ギルマン/集英社文庫

  2006/11/14    評価: ☆☆☆☆☆

読んでいて心が温かくなるミステリー(?)これから人生を切り開いていこうとする人におすすめの本です。 訳者あとがきの中で「ドロシー・ギルマンのどの作品にも通じる特徴はひとのやさしということ。—-お金や地位よりも、温かい人間関係のほうがずっと大切」と紹介しています。 2006年8月25日集英社文庫より発行 …

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ナイトフォール(上)(下) /ネルソン・デミル/講談社文庫(2006.9.15発行)

この作品は本当にネルソン・デミルの作品ですか。いつからこんなに展開が遅くなったのでしょうか。 300ページを過ぎても、思わせぶりな事が書かれているだけで、何も起きない。被害妄想に陥っているかのような主人公の心の葛藤ばかり。それをしつこく描き続ける。この辺で読むのを止める人がいてもおかしくない。 なんと何も起きないまま上巻が終わってしまった。 実際に起こった事件と事件をつないで創作したミステリーは、…

マイアミ弁護士 ソロモン&ロード

マイアミ弁護士 ソロモン&ロード(上)(下) /ポール・ルバイン/講談社文庫(2006.10.13)

ユーモアたっぷり・人間味あふれる法廷ミステリ こんな愉快な法廷ミステリは初めてです。 スティ?ブ・ソロモンという型破りな弁護士と、ヴィクトリア・ロ?ドという真面目で魅力的な女性検事の2人が出会うのは留置所の中。こんな始まりも珍しい! アメリカでは既にシリーズ第3作までが刊行されており、早く続きが読みたいと切実に思います。 ちょっとふざけすぎだけど、心も温かくなる、マイアミを舞台とした法廷ミステリを…