海外ミステリの本棚

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カイコの紡ぐ嘘(上)(下) 私立探偵コーモラン・ストライク/ロバート・ガルブレイス/講談社(2014.11.11発行)

   



ハリーポッターシリーズの作者J.K.ローリングが「ロバート・ガルブレイス」のペンネームで書いた私立探偵ものシリーズ第2作。

とてもとても丁寧な私立探偵小説。

主人公のコーモラン・ストライクはオックスフォード大中退の元軍特捜部、秘書のロビンも大学を中退し私立探偵希望の有能な女性。

出版界の知人たちを徹底的にこき下ろした小説を書き上げたばかりの小説家オーウェン・クワインが行方不明になった。

夫人は、いつものように2~3日ふらっと出かけただけだと思っており、ストライクに探しだしてもらえばいいと考えて連絡を取ることを依頼する。しかしストライクが捜査するうち、クワインの失踪は単純なことではないことが明らかになってゆく…

お金になりそうもない依頼をストライクが受けたのは、彼女の依頼が父親を恋しがっている娘への愛から生まれたものだったから。

二人の周辺の人々も丁寧に描かれてリおり、登場人物たちがどうなるのかが事件の行方よりも事件の謎解きよりもずっと面白い。あれ、そういえば犯人は誰だったっけ?

ストライクとロビンの関係もこちらが思っていたような展開にはなりそうもありませんが、どうなっていくのか。興味が尽きません。

必ず第1作カッコウの呼び声からお読みください。

2015年11月11日講談社より発行 原題は「THE SILK WORM」
<私立探偵コーモラン・ストライク シリーズ>
第1作 『カッコウの呼び声
第2作 『カイコの紡ぐ嘘』本書

 - 男性私立探偵もの, 評価: ☆☆☆☆