海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 ユーモア・ミステリ 」 一覧

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腕利き泥棒のためのアムステルダム・ガイド/クリス・イーワン/講談社文庫(2008.8.12発行)

イギリス・ミステリ界の期待の新人 デビュー作 2008年ロング・バーン・ブックス賞(どんな賞か調査しましたが、分かりません)の最優秀新人賞受賞 主人公は泥棒を主人公としたミステリを書く小説家・実はプロの泥棒のイギリス人チャーリー・ハワード アメリカ人からの依頼は、”見ざる言わざる聞かざる”の猿の人形を一晩のうちに二人から盗んで欲しいというものだった—- 痛快なミステリです。爽快な気分に浸りたい…

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チックタック(上)(下)/ディーン・クーンツ/扶桑社ミステリー(2008.3.30発行)

ここまで奇想天外で、はちゃめちゃだと心から楽しめてしまいます。 今落ち込んでいたら本書をぜひお勧めいたします。心から笑ってください。 ベトナムからの避難民で作家になったトミー・ファン 憧れのコルヴェットを購入し、鍵を受け取ったときからなぜか胸騒ぎが—– 本書原作は1996年に発表されています。 2008年3月30日扶桑社ミステリーより発行 …

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カスに向かって撃て! /ジャネット・イヴァノヴィッチ/集英社文庫(2008.2.20発行)

逃亡者逮捕請負人(バウンティ・ハンター)ステファニー・プラム シリーズ第10作目 何作か読んだ記憶があります。 更に更にヒートアップした本作 楽しめます。笑ってばかりいて、今回は何の事件だったか余り覚えていないほどの面白さ。本作が気に入ったら是非第1作から読んで彼女の世界にどっぷりとはまってください。 1994年に発表したミステリ第1作である長編「私が愛したリボルバー」で1995年イギリス推理作家…

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エムズワース卿の受難録/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.12.15発行)

P.G.ウッドハウス選集〈2〉 〈1〉は「ジーヴズの事件簿」 ますますミステリから離れた感があるのですが、とにかく愉快!! 田舎暮らしが好きで領地でのんびり暮らしたい「綿菓子のような頭脳」を持つ老伯爵エムズワース卿が主人公のシリーズの全短編集 不肖の息子 鉄血の妹 頑固な庭師 騒動に揺れる伯爵の領地に平和はいつ来るのでしょうか。 収録作品 「南瓜が人質」「伯爵と父親の責務」 「豚、よォほほほほー…

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ジーヴズの事件簿/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.5.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 思わずほほえんだり、大声でげらげら笑ってしまう面白さ これってでもミステリなのかな 楽しいものを読みたい方にお薦めします。 P.G.ウッドハウス(1881?1975) 全世界で百年以上も読まれ続けるイギリスの巨匠 60年以上にわたってジーヴズ(従僕)とウースター(若主人)を主人公とした作品を書き続けた。 本書はより抜きの12編に加え特別収録作品1…

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怪盗タナーは眠らない/ローレンス・ブロック/創元推理文庫(2007.6.22発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 1966年に書かれた本書 今年のベストテンものには古い作品が多いのが特徴ですね。 脳に損傷を受けたため、眠ることができなくなったエヴァン・タナー  その時間を利用して語学や歴史の学習に入れ込み、世界中のさまざまな団体に所属して知的好奇心を満足させていました。大量のアルメニア金貨がトルコ領内に埋もれているとの情報を得て—– ジョ…

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死んでもいきたいアルプス旅行/マディ・ハンター/扶桑社ミステリー(2006.3.30発行)

2004年度のアガサ賞「最優秀処女長編賞」にノミネートされた作品 エミリーは、おばあちゃんの付き添いでスイス周遊の高齢者向けツアーに参加した。ホテルの設備は問題あり、食事はイマイチ、ご長寿連はやたら時間にうるさい。最初の晩、添乗員が—– お年寄りの団体旅行は、洋の東西と問わず絶句もののオンパレード、団体のお年寄りに勝てるものはありません。 ミステリとしてよりは、爆笑ものの添乗員旅行記と考えて…

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切り裂かれたミンクコート事件/ジェームズ・アンダースン/扶桑社ミステリー(2006.1.30)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007)第4位 ユーモアたっぷりの明るいミステリ ちょっと迷いましたが、ユーモアミステリに分類しました 第1作の『血染めのエッグ・コージイ事件』と舞台も同じ第12代バーフォード伯爵の所有する「オールダリー荘」 様々なゲストが次々と(予約なしに)到着して、事件の幕が切って落とされます。 1981年に刊行された本書 復刊ものです。なお、22年ぶりに第3…

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アルアル島の大事件/クリストファー・ムーア/創元推理文庫

闘うベストテン2006(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 この作品は本当に痛快でハチャメチャに愉快なミステリです。 舞台は1990年代の太平洋ミクロネシアのはずれ・シャーク族の住むアルアル島(こんなのあるわけないけどね) 2006年3月17日創元推理文庫より発行 …

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私が愛したリボルバー/ジャネット・イヴァノヴィッチ/扶桑社ミステリー

1995年CWA(英国推理作家協会)賞最優秀処女長篇賞(ジョン・クリーシー賞)を受賞 主人公はステファニー・プラムというバウンティ・ハンター(女賞金稼ぎ)。 裁判をすっぽかした保釈中の容疑者を見つけ出し、警察につき出すことで報酬をもらう仕事。 ステファニーは勇ましさやたくましさとはまったく縁がない。銃だって撃ったことがないし、そもそも危ない仕事など、できればやりたくないというタイプ。 仕事をク…