海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 歴史ミステリもの 」 一覧

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イエスの古文書 (上) (下)/アーヴィング・ウォーレス/ 扶桑社ミステリー

ウォーレス,アーヴィングは、1916年シカゴ生まれ。綿密な取材と、卓抜なストーリーテリングで、小説家としても大成功をおさめる。90年死去 出版社からのコメントとして、 「『ダ・ヴィンチ・コード』に先立つこと30年!大ベストセラー作家が放つ、歴史ミステリーの最高峰」とあります。 『ダ・ヴィンチ・コード』の大ヒットを受けて、新潮文庫から「新聖書発行作戦」を改題・再編集したものです。 最後の部分の一部…

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悠久の窓(上) (下) /ロバート・ゴダード/講談社文庫(2005.3.15発行)

ロバート・ゴダードは、1954年英国生まれ。ケンブリッジ大学で歴史を学び、公務員生活を経て、’86年のデビュー作『千尋の闇』(創元推理文庫)が絶賛された。現在と過去の謎を巧みに織りまぜ、心に響く愛と裏切りの物語を次々と世に問うベストセラー作家に 本書の解説者は「やっぱりロバート・ゴダードは面白い。」と一言 老父が1人で暮らしている家を買い取りたい―物語はここから始まります。ゴダードが放つ歴史ミステ…

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赤い霧/ポール アルテ/ハヤカワ・ポケット・ミステリ

2004年週刊文春ミステリベストテン第10位 舞台は19世紀末のイギリスのブラックフィールドという村 新聞記者のシドニー・マイルズを名乗る男が十年ぶりにこの村で10年前に起こった密室殺人事件を調べるために帰ってきた。 密室の謎解きの大好きな人や『ホ・・・』と『ワ・・・』まで登場するので、英国ミステリーのファンには見逃せない物語です。個人的には、密室の謎解きものにはあまり興味がないので、評価が低くな…

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荊[いばら]の城 (上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2004.4.22発行)

このミステリーがすごい!2005年度(宝島社)第1位 ミステリーが好きだったら、一度は読んでみる価値のある作品です。  本作品は英国推理作家協会賞の歴史ミステリ部門にあたるエリス・ピーターズ・ヒストリカル・ダガー賞を受賞 ブッカー賞最終候補作品 舞台は19世紀半ば、ロンドンのラント街。表向きは錠前屋だが、盗品を転売するイッブズ親方・事情がある女から赤ん坊を預かり、引き取り手を見つけるサクスビー夫人…

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風の踊り子/アイリス ジョハンセン/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション(2003.8.22発行)

幻の秘宝ウインドダンサーシリーズ三部作のひとつ   舞台は今度はさらにさかのぼり、16世紀ルネッサンスのイタリア。 第2作の『女神たちの嵐』でマリー・アントワネットが大事にしていたウインドダンサー、そのウインドダンサーが何故フランス王室の手に入ったかが本編で明らかにされます。 主人公はフィレンツェの街角でスリを働く奴隷の娘サンチア 歴史ミステリーを絡めたロマンスを楽しみたい方は是非お読みください。…

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女神たちの嵐〈上〉〈下〉/アイリス ジョハンセン/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション(2002.6.24発行)

幻の秘宝ウインドダンサーシリーズ三部作のひとつ  舞台は十八世紀末の革命にゆれるフランス  前作『風のペガサス』の主人公ケイトリンが大事にしていたカトリーヌの日記がありましたが、その日記を書いたカトリーヌと親友のジュリエット・ド・クレマンが主人公です。 文中にある「トゥット・ア・テ・ミ・ギダ(あらゆるものが私をあなたに導いていく)」がこの小説の主題です。 冬のソナタのようなラブストリーに歴史ミステ…

天使の背徳

天使の背徳―Requiem for an angel/アンドリュー・テイラー/講談社文庫(2005.1.15発行)

作家はイギリス生まれ 82年デビュー作が英国推理作家協会の最優秀新人賞を受賞 3連作の第2作『天使の背徳』 舞台は1969年から1970年のイギリス・ロンドン近郊の小さな町 主人公は教会牧師のデイヴィット・バイフィールド 第1作の『天使の遊戯』に老牧師として登場していました。 第2作のこの作品はミステリというよりは、第1作よりさらに心理描写に重点を置いた小説だといってよいと思います。3作目まで読ま…

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半身/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫

2003年海外週間文春ミステリーベスト10 輝く第1位 舞台は19世紀のイギリス ミルバンク監獄(実在) うーん!!!! やられたと思える素敵なミステリです。 最初の6ページがとてもわかりにくく、170ページまでくらいまで読んでから読み返しました。主語が跳んでいて、誰の言葉かわからないし、読んだばかりでは人間関係もわからないので理解しにくい。ここをとりあえず乗り切れば、不思議な世界に入っていけます…

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『珈琲相場師』/デイヴィッド・リス /ハヤカワ・ミステリ文庫

作家はフロリダ南部育ち コロンビア大学大学院でイギリスの小説と金融の関係を研究 このミステリーがすごい!2005年度版(2004年) 宝島社 第20位 舞台は1659年当時世界の商業の中心だったオランダ・アムステルダム 歴史ミステリ 当時の女性に対する考え方やユダヤ教がこの当時からヨーロッパで迫害を受けていたことに驚かされます。 主人公は、相場師のミゲル・リエンゾ 最初はちょっと入りにくいかもしれ…

天使の遊戯

天使の遊戯/アンドリュー テイラー/講談社文庫(2004.2.15発行)

3連作の第1作『天使の遊戯』。三部作を読まないと全ての謎は解き明かされないようで、早く次の二作の刊行が待たれます。 全体としてイギリスの聖職者を中心にした物語。 第1作の本編は、幼児を誘拐された母親(教会の副牧師)の心理描写を中心に描かれている。神に仕えるものが、自分の子供が誘拐されたら、どうこの試練に立ち向かうのか。神を信じられるのでしょうか。 このあと物語は過去に遡っていくそうです。 200…

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ブラッククロス(上)(下)/グレッグ・アイルズ/講談社文庫(1998.1.15発行)

目にも見えず、臭いもせず確実に人間を死に至らしめる毒ガス。ナチスにそれを使わせてはならない! 化学兵器の研究に携わるマークとドイツ系ユダヤ人で中東で戦ってきたスターンは、たった2人で敵国ドイツに潜入するが—- グリシャムも絶賛の傑作歴史サスペンス 読み始めたら決して止まりません。 1998年1月15日講談社文庫より発行 [原題 Black Cross (1995) ] …