海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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ファインダーの中の女/アラン・ラッセル/集英社文庫

  2007/10/14    評価: ☆☆☆☆

主人公は有名人を狙うカメラマン・パパラッチのブラハム・ウェルズ 導入部分で話があっちこっちに飛ぶので、最初は取り掛かりにくい小説です。 読むのを止めてしまう短気な人もいるかもしれません。 舞台設定が分かってきてからは、のめりこんで一気に読みきってしまいました。 映画好きの方なら絶対にお薦めのミステリです。 パパラッチを職業に選んでいたら、どのように良心と折り合っていくのでしょうか。 本書でその答え…

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ついてないことだらけ/キャサリン・サンプソン/新潮文庫

  2007/10/07    評価: ☆☆☆

元テレビプロデューサーで 35歳で 双子のシングルマザー ロビン・バレンタインが主人公 ロンドンが舞台 ミステり?として読むと物足りないが、育児の苦労と喜びや職場の内実について書いた部分は女性に共感を呼ぶかも。 既に第3作まで発表されています。 …

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警視の週末/デボラ・クロンビー/講談社文庫(2007.7.14発行)

ダンカン・キンケイド警視とジュマ・ジェイムズ警部補のシリーズ第9作 舞台はウイスキーのふるさと『スコットランド』 ウイスキー好きでなくとも、たずねてみたくなりました。 シリーズもここまで重ねると、ミステリー部分よりも主人公たちのことが気になってしまいますね。 大好きなこのシリーズがいつまでも続いて欲しいと思っています。 2007年7月14日講談社文庫より発行 …

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私刑連鎖犯(上)(下)/ジャン・バーク /講談社文庫

FBIの凶悪指名犯のリストに載り、いまだつかまっていない凶悪犯たちがつぎつぎに殺害される。FBIがどこにいるかさへ把握できていない凶悪犯を次々に手にかけることから、犯人を賞賛する声さへあがり始める。 そんななかで、ロサンゼルス郡保安官アレックス・ブラントン刑事が犯人たちを追いつめていくミステリー 講談社文庫より2007年6月15日発行 …

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ロッティー、家へ帰ろう/テリー・ケイ/新潮文庫(2007.7.1発行)

  2007/09/16    評価: ☆☆☆

「百年前のアメリカを舞台に描く愛の絆の物語」心温まるストリーと紹介されています。 『白い犬とワルツを』を先に読んでから読みました。 この作品では、家族の絆を、本作では何を伝えたかったのでしょうか。 ある読者は、「ああ、いい話だったなあ」とコメントを終わらせています。 古き時代のアメリカの心温まるお話です。 でもちょっと納得がいきませんでした。 あなたはどう思いますか。ちょっと疲れたときに、読んでみ…

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白い犬とワルツを/テリー・ケイ/新潮文庫(1998.3.1発行)

  2007/09/15    評価: ☆☆☆☆

永く連れ添った相手が先に召されて、独りきりになったときに、あなたは 一人でがんばるのだろうか、子供を頼って生きていくのだろうか。 一人で生きていきたいという気持ちを子供にどうやって分かってもらうのだろうか。 年老いた父親をめぐる家族の愛と何よりも愛した妻との愛を描く 大人の童話です。 1998年3月1日新潮文庫より発行 …

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わたしを離さないで/カズオ・イシグロ/早川書房(2006.4.20発行)

2006年週刊文春海外ミステリーベストテン第9位   このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>第10位 英米で絶賛の嵐を巻き起こした作品 なんといってよいのか分からない不思議で恐ろしいミステリー 作家のカズオ・イシグロは長崎生まれ 5歳の時にイギリスへ 日本とイギリスの二つの文化を背景にして育った。 人間は自分や家族が生き残るために、どこまでできるのかが問われて…

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数学的にありえない〈上〉〈下〉/アダム ファウアー/文藝春秋(2006.8.25発行)

2006年週間文春海外ミステリーベストテン第3位 第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作 とにかくおもしろい。下巻まで一気に読んでしまいました。まだ、読み続けていたい気がしています。 あなたもこの不思議な世界にぜひご参加下さい。 いったい何のために、いったい誰が、直感というかなんていうか 『声』 を授けてくれるのでしょうか。 あなたにも身におぼえはありませんか。 『声』 には心を傾けて後悔しない…

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復讐はお好き? /カール・ハイアセン/文春文庫(2007.6.10発行)

2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 アメリカで絶大な人気を誇るベストセラー作家 11作目の長編小説 結婚記念の旅行で、豪華客船から海に突き落とされた妻ジョーイ・ペローネ 本の題名にあるように、いったいどんな復讐が始まるのか。それは読んでからのお楽しみです。 フロリダの乱開発を告発し続ける作家の痛快な作品です。 一気に読んでしまいました。 このミステリーがすごい!2008年版(200…

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僕は、殺す(上)(下)/ジョルジョ・ファレッティ/文春文庫(2007.4.10発行)

  2007/08/07    評価: ☆☆☆☆☆

自らがミステリー小説ファンの作者(同時にイタリアでは誰も知っているコメディアン・シンガーソングラーライター・作詞家としての顔も持ち、1994年にはサンレモ音楽祭で2位・審査員賞を受賞)が、「ページを綴るのがもどかしいほど夢中になれる作品」を書きたいと挑戦して綴ったストリー イタリア国内だけで350万部の売り上げを記録 夜中時間が過ぎるのも忘れて読みふけってしまいました。 2007年4月10日文春文…

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応酬 /ポール リンゼイ/講談社文庫(2007.4.13発行)

やっとポール・リンゼイの作品が出版されました! FBIを舞台にしたポール・リンゼイの第6作 あるレビューでは「今までの作品は大体読んできたが、これが一番面白くない。」と紹介されています。 わたしはこの人の作品が好きなので充分に楽しめました。 2007年4月13日講談社文庫より発行 …

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ヘルファイア・クラブ(上)(下)/ピーター・ストラウブ/創元推理文庫(2006.8.25発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>第15位 解説の中で「ストラウブと読むもは億劫だストラウブ作品は文学性が高いとか—-うっとうしくおもっているあなたは、——-本書は別人だと思って読んでみるべし。強烈な緊張感の横溢する本書は一級のノンストップサスペンス」と紹介しています。 非常に優れたミステリで、絶対にお勧めの作品です。 2006年8月25日創元…

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口は災い/リース・ボウエン/講談社文庫(2007.6.15発行)

☆2002年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)受賞作品 物語の舞台は、1901年のアイルランドとニューヨーク 22歳のアイルランド人女性モリー・マーフイが主人公 あっという間に読みきってしまいました。本書が、アガサ賞最優秀長編賞を受賞したことが納得できます。 他人になりすましアメリカ行きの移民船に乗り込んだモリーに、上陸直前におきた殺人事件の容疑が—–…

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ぶどう畑のあの男/キム・ラン/講談社文庫(2007.5.15発行)

  2007/06/22    評価: ☆☆☆☆

2006年韓国KBSで放映されたドラマ『ぶどう畑のあの男』の原作小説 キム・ランは主婦であり、2人の子供を持つ韓国の人気作家 韓国の小説であることは全く意識しないで読み通せます。やはり韓国と日本は近い国なのですね。 いとこの大おじのぶどう畑の土地欲しさに、就職もできず、2年もブラブラしている都会育ちのジヒョンが、畑仕事をする羽目になる。一体どんなことがジヒョンを待ち受けているのか。 心から楽しん…

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サムライの娘/ドミニク・シルヴァン/小学館文庫(2007.5.15発行)

元パリ警視のローラ・ショストとマッサージ師のインクリッド・ディーゼルの探偵(?)コンビのシリーズもの第2作  内容がたっぷりとありすぎて、整理しながら読まないとこんがるがるかも。 第1作の『欲望通りに住む女』 に続き、すぐに本書第2作が出版されたことは、本当に驚きです。 小学館さん、ありがとうございます。(わずか2ヶ月で発行) 第1作も第2作も映画化されたらヒット間違いなしと思うのですが、そんな話…