海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

*

「 評価 」 一覧

no image

手袋の中の手/ レックス・スタウト/ハヤカワ・ミステリ

1975年に亡くなった巨匠レックス・スタウトが生み出した女性探偵ドル・ボナーが活躍する作品 早川書房より2006年4月15日発行 解説の中で「この女性探偵は時代に先行しすぎたのか、当時???人気は得られませんでした。」とあります。 現在なら人気の女性探偵シリーズになっていたことでしょう。作家が既に亡くなっているのがとても残念です。 …

天使の鬱屈

天使の鬱屈/アンドリュー テイラー/ 講談社文庫(2006.2.15発行)

3連作の第3作目 (第1作『天使の遊戯』第2作『天使の背徳』) 第1作が出たのが2004年の2月 3作目までこんなに時間がかかっては忘れてしまいます。 講談社さん、こんなに時間がかかる理由を教えてください。 他の出版社が3部作を1月おきに出版したのをみても何か工夫が必要だと思います。 本の感想に「解説には単独でも楽しめる作品との言がありましたが、 意味深長な流れと裏腹に、実際の謎解きはあっさり終…

no image

悪魔のヴァイオリン/ ジュール グラッセ/ハヤカワ・ミステリ(2006.1.6発行)

作家のジュール グラッセは、本業は医師という以外プロフィールは公表されていません 本書がデビュー作 2005年度パリ警視庁賞の受賞 本の裏書きに「人情派刑事メルシエ警視、パリの街を走る!」とあります 翻訳がかなり気になるところがあります 人情派刑事メルシエ警視の活躍にまた是非あいたいと思います 気軽に楽しく読めるミステリーです 2006年1月6日ハヤカワ・ミステリより発行 …

no image

報復ふたたび/ジリアン ホフマン/ヴィレッジブックス(ソニー・マガジンズ)(2005.11.10発行)

衝撃のデビュー作『報復』(日本で45万部以上のベストセラー)の続編 第2作 初めてのかたは是非第1作からお読みください。 原題は「Last Witness」 続編である本書も更に続くことが予想される終わり方です。 事件の全体の解明に、作者は読者をどこまで引っ張っていくつもりでしょうか。 本書は犯人を推理するタイプのミステリーではありません。 司法とは何か・正義とは何か。 検事補と一緒にその世界に飛…

no image

血と肉を分けた者/ジョン・ ハーヴェイ/講談社文庫(2006.5.15発行)

本書はCWA賞(英国推理作家協会賞)のシルバー・ダガー賞を受賞 作品の底を流れる人間に対する温かい眼と厳しい現実の世界の恐ろしさ 父と娘の絆・傷ついた者同士の恋の行方 いくつもの課題を残したままで第2作へと続いていくのでしょうか。 第2作以降の迅速な翻訳を是非お願いいたします。 ジョン・ ハーヴェイは、チャリー・レズニック警部シリーズ(全10作)でよく知られている作家 本書はフランク・エルダー元警…

ビター・メモリー

ビター・メモリー(上)(下)/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリー文庫(2006.5.9発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第10作 このシリーズ第1作『サマータイム・ブルース』(1982年)を夢中で読んだ記憶があります。 “女性私立探偵小説”の一大奔流を築いたサラ・パラツキー。日本にファンクラブまであります。 1995年の英国推理作家協会(CWA)賞シルヴァー・ダガー賞(『ダウンタウン・シスター』) 2002年の同賞ダイヤモンド・ダガー賞 2004年には『ブラック・リスト』…

no image

マーダー・プラン(上)(下) 臨床心理医アレックス/ジョナサン・ケラーマン/講談社文庫(2006.3.15発行)

臨床心理医アレックスを主人公とするシリーズ第14作 下巻の百ページを過ぎてもほとんど展開がない。 撒き餌をまきすぎて、釣り糸をたらすのを忘れたような作品。 シリーズものでは時々こういった失敗作がでるのかな。前の『モンスター』は面白かった 記憶があるのに。 その記憶が間違いと思えるほどの駄作です。 2006年3月15日講談社文庫より発行 …

ハードタイム

ハード・タイム/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリ文庫(2004.8.15発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第9作 女性探偵ものを読んでみたい方にはこのシリーズを推薦します。 自らの危険を全く顧みず、がんばってがんばって事件の究明にまっしぐらの姿勢。 正義を貫こうとする意思の強さ。 女性探偵V・I・ウォーショースキーを心から応援して読んでいく本です。 2004年8月15日ハヤカワミステリ文庫より発行 …

no image

バースデイ・ブルー/サラ・パレツキー/ハヤカワミステリ文庫(1999.5.28発行)

女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第8作 あと四ヶ月で40歳を迎えるわたしの身辺は憂鬱なことばかり。ビルの地下室にホームレスの母子が隠れ住んでいるのを偶然見つけ、彼らを救いだそうと—– 一作ごとにちゃんと年を取ってきたV.I.は本書では四〇歳の誕生日を迎えます。 <女性探偵V・I・ウォーショースキーの紹介> シカゴに住む金融関係の調査が専門の私立探偵 シカゴ大学のロースクール卒業の…

no image

警鐘(上)(下)/リー・ チャイルド/講談社文庫(2006.2.15発行)

元憲法隊少佐ジャック・リーチャー シリーズの第3作 本シリーズは第13作まで書かれている(2009.6現在)。 2006年2月15日講談社文庫より発行 第1作の『キリング・フロアー』第2作の『反撃』も講談社より発行済みです。 読むに従ってどんどん本に引き込まれていきます。 初めてこのシリーズを読む人でも全く支障はありません。 一作目と二作目とを読み返したくなりました。 講談社さん、翻訳のペースを速…

ブルー・ブラッド

ブルー・ブラッド/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2006.4.15)

デイヴィッド・ハンドラーが放つ、ホーギー・シリーズ(元売れっ子作家のホーギーと愛犬ルルを主人公にした)から映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補デジリー・ミトリーのシリーズ第一作 舞台は自然豊かなコネティカット州のビッグシスター島 原題の「Blue blood」は、 貴族の生まれ.名門の出 の意味 この新しいシリ?ズは既に5作目までが発表されている。本書は2001年に発行された。 日本では、…

no image

クライム・マシン/ジャック リッチー/晶文社ミステリ(2005.9.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 解説の中に「リッチーは可能なかぎりシンプルに書くことにこだわった作家だった。無駄な言葉や描写を徹底的にそぎ落とすこと」と彼の作風が紹介されています。 ジャック・リッチー(1922-1983) はアメリカの作家 で、短篇ミステリーのスペシャリスト 全て殺人が絡む傑作17篇を収録したオリジナル傑作集 気軽に読める作品と真剣に読まないとわかりにくい作品…

no image

[番外編] いま、会いにゆきます/市川 拓司/小学館(2003.3.11発行)

2006年4月17日TBS地上波で放送 本書は2004年11月に100万部を突破 あなたは映画が先ですか、本が先ですか。 せつないけれど、言葉では表すことができないほど素敵なラブストリー 涙なしに読むことはできません。 こんなに愛されたらいったいどうしたらいいのでしょうか。 2003年3月11日小学館より発行 …

no image

死体絵画/アストリット・パプロッタ/講談社文庫

作家のアストリット・パプロッタはドイツ・デューレン生まれ フランクフルト警察本部の女性警部イナ・ヘンケルが主人公 シリーズ第3作 本書は2005年度ドイツ・ミステリ?大賞を受賞 2006年3月15日講談社文庫より発行 最後の最後まで謎解きが残され、どうなるのか期待させるミステリー 事件の謎 展開への期待 第3作からの紹介がとても残念です。 講談社様、是非1作目と2作目を出版してください。 …

no image

逸脱者〈上〉 〈下〉/グレッグ ルッカ/講談社文庫(2006.1.15発行)

本書はアティ カス・コディアックを主人公とするシリーズ第4作 読み始めたら止めることのできない面白さ。あっという間に読みきってしまいました。 ボディーガードを職業とするアティカスとその仲間たちと暗殺者との息詰る戦いにあなたも巻き込まれます。お勧めの作品です。 グレッグ ルッカは、1996年プロのボディーガード アティ カス・コディアックを主人公にした『守護者(キーパー)』でデビュー 『奪回者』『…