海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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魔力の女/グレッグ アイルズ/講談社文庫(2005.11.15発行)

  2005/12/17    評価: ☆☆☆

原題はSLEEP NO MORE 筋が分からないようにするには、どう表現したらよいのか困ってしまうミステリー。 魂の存在を信じる人なら夢中になること請け合いです。 グレッグ アイルズを初めて読む方は、是非作品の本国での発表順にお読みください。 『甦る帝国』『ブラッククロス』 『神の狩人』『沈黙のゲーム』 『24時間』『戦慄の眠り』 『魔力の女』『神の足跡』 2005年11月15日講談社文庫より発行…

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凍れる森/C.J. ボックス/講談社文庫(2005.10.15発行)

ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズ第3作(邦訳としては第2弾) 2001年のデビュー作『沈黙の森』はアメリカの4つのミステリー新人賞を独占 「パパの仕事はハンターたちが責任を果たし、法律を守るようにすることです」と長女の作文に書かれたジョー・ピケット 家族を何より大事にし、真っ直ぐな心だけを持って事件の解決に突き進みます。 彼を心から応援し、自分も熱くなってしまうそんなお勧めのミス…

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シティ・オブ・ボーンズ/マイクル・コナリー/ハヤカワ文庫

刑事ハリー ボッシュ シリーズ第8作  とにかく面白い!!! 解説文は「これほど早く次を読みたいと思わせる作品も今までになかった」と締めくくっている。全く同感。 丘陵地帯から犬が咥えてきた骨は、少年の骨だった—- 2005年2月15日早川書房より発行 …

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夜より暗き闇(上)(下)/マイクル・コナリー/講談社文庫(2003.7.15発行)

2003年週刊文春ミステリベスト10(海外)第11位 『シティ・オブ・ボーンズ』のハリー・ボッシュと『わが心臓の痛み』の元FBI心理分析官テリー・マッケイレブが競演(?) 刑事 ハリー ボッシュ シリーズ第7作 兼”テリー・マッケイレブ”シリーズ2作目 2003年7月15日講談社文庫より発行  …

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堕天使は地獄へ飛ぶ(エンジェルズ・フライト)/マイクル・コナリー/扶桑社ミステリ(2001.9発行)

刑事ハリー ボッシュ シリーズ第6作 ロサンゼルス市警を目の敵にし、警察を告訴することを生業としている弁護士が殺害された。 ボッシュはこの事件の担当を命じられる。こともあろうにボッシュの天敵といえる内務監査課の刑事たちと組むことの条件付きで。 事件はどんな展開を見せるのか。是非お読みください。 2001年9月扶桑社より発行「エンジェルズ・フライト」の書名では2006年1月発行 …

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笑う男/ヘニング マンケル/創元推理文庫(2005.9.30発行)

スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ第4作 【CWAゴールドダガー受賞シリーズ】 ヴァランダーは1年以上病気のため休職していた。警察を辞める決心をしたとき、友人の弁護士が訪ねてきた。自分の父の交通事故死に疑問を持ったのだった—— 絶対にお薦めの警部ものミステリです。 いつまでも読んでいたいこのシリーズ。 スウェーデンでは長編が8作・中編が1作なんと娘のリンダが活躍…

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奇怪な果実〈上〉〈下〉ジョン コナリー 講談社文庫

ジョン コナリーは1968年、アイルランド・ダブリン生まれ。 ジャーナリスト、バーテンダー、地元政府の公務員、ウェイター、ロンドンのハロッズ百貨店の雑用係など、さまざまな職業を経て、作家に。1999年に上梓された処女作『死せるものすべてに』はシェイマス賞(アメリカ私立探偵作家クラブ賞)を受賞 本書は2000年の作 日本では2005年10月15日講談社文庫から発行 2年もの間隔が開いたため、第一作(…

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デセプション・ポイント 上 下/ダン・ブラウン/角川書店

  2005/11/11    2005年, 評価: ☆☆☆☆

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第7位 『天使と悪魔』と『ダヴィンチコード』との間に書かれたノン・シリーズの作品 題名の「デセッション・ポイント」は訳者あとがきの中で「あえて訳せば“欺瞞の極点”」とのことです。 『ダヴィンチコード』もそうだったようにわかりやすくて、面白いミステリーです。公立図書館のリクエスト待ちが出てしまっている本です。あっという間に読み切ってしまいます。 2005年…

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トランク・ミュージック〈上〉〈上〉/マイクル コナリー/扶桑社ミステリー(1998・6・30発行)

刑事ハリー ボッシュ シリーズ第5作 ハリウッド署殺人課に戻ったボッシュは、ひさびさに殺人事件に取り組みます。 ハリウッドボールを真下に望む崖下の空き地に乗り捨てられたロールスロイスのトランクに男の射殺死体が。「トランク・ミュージック」と呼ばれるマフィアの手口だった— 次作もまたどんな展開が待っているのかとても楽しみです。 1998年6月30日扶桑社ミステリーより発行   …

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ラスト・コヨーテ〈上〉〈下〉/マイクル コナリー/扶桑社ミステリー(1996.6.30発行)

刑事ハリー ボッシュ シリーズ第4作 休職処分を受けたボッシュは、そのエネルギーをずっと心に残っていた?30年前以上に起きた自分の母親の殺人事件の?解決に注ぎ込みます。 第4作まで続けて読むと、ハリー ボッシュのことが段々分かって来るという壮大な展開になっています。 1996年6月30日扶桑社ミステリーより発行 …

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凶器の貴公子/ボストン・テラン/文春文庫(2005.8.10発行)

  2005/10/30    評価: ☆☆☆☆☆

ボストン・テランの長編第3作 原題「THE PRINCE OF DEADLY WEAPONS」 テランの3作品(他は『神は銃弾』『死者を侮るなかれ』)の中では、本作が最も先を読まずにはいられない作品です。 自分から離れて、こんなことは自分には絶対に起こらないから大丈夫と、距離を置いて読んでいけた前2作と違って、のめり込んでしまう作品です。 文春文庫から2005年8月10日発行 …

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斬首人の復讐/マイケル・スレイド/文春文庫(2005.9.10発行)

  2005/10/24    評価: ☆☆☆

カナダの刑事弁護士ジェイ・クラークを中心とするチーム作家 登場人物が多すぎて名前を覚えるのに苦労しました。 いろいろと盛り込みすぎているミステリーですが凝っているのが好きな人には お薦めです。 好き嫌いがはっきりする作品です。 2005年9月10日文春文庫より発行 …

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死者を侮るなかれ/ボストン テラン/文春文庫(2003.9.10発行)

本の裏表紙に「名作『神は銃弾』の暴力の詩人が放つ崇高な暴力小説」と紹介されています。 この作者の作品を読んだことがあればそれほどのショックは受けないと思います。 『神は銃弾』を先に読まれてから本書を読んだ方が良いと思います。 母と子の複雑で屈折したかっとうを描いたミステリーです。 表現が独特で訳者の方もどんなにか苦労されたことでしょう。ご苦労様です。 2003年9月10日文春文庫より発行 第1長編…

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ブラック・ハート〈上〉〈下〉/マイクル コナリー/扶桑社ミステリー(1995.9.30発行)

ベトナム帰りの刑事ハリー ボッシュ シリーズ第3作 このミステリーがすごい!1996年版(1995年)宝島社第4位 シリーズ第1作で語られた「ドールメイカー殺人事件」が民事訴訟の中で明らかにされていくという展開の手法をとっています。 ボッシュがハリウッド署に左遷されるきっかけとなった4年前の「ドールメイカー殺人事件」の容疑者射殺シーンから物語が始まる— 1995年9月30日扶桑社ミステリーよ…

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ブラック・アイス/マイクル コナリー/扶桑社ミステリー(1994.5.30発行)

ベトナム帰りの刑事ハリー ボッシュ シリーズ第2作 原題も「THE BLACK ICE」 当時の大統領クリントンも本シリーズに最大級の賛辞を送っていると解説にあります。 まっしぐらに事件の究明に当たる刑事ハリーボッシュ 本書ではハリーの父親が誰か明らかになります。 このシリーズは読み始めたら中毒になりますので、ご注意ください。 1994年5月30日扶桑社ミステリーより発行  …