ケール 死神の刻印/エメリー・シェップ/集英社文庫(2015.11.25発行)
デビュー作である本書は2013年自費出版の形で発表され4万部の売り上げを記録。2014年に出版社からあらためて刊行された。
こんなに面白いミステリを各出版社はことごとく無視し黙殺した事実は、とてもミステリ。各出版社の営業担当と一般読者とのギャップが明確にされ、スウェーデンの各出版社はどう反省したのでしょうか。
主人公となるのはスウェーデンのノルシェーピン地方検察庁で異例の抜擢を受けた若い女性検事ヤナ・ベルセリウス。
作者はこの主人公にまったくなんという設定をしたのでしょうか。こんなに面白い検事ものはありません。眠るのを忘れて気が付いたら午前3時を過ぎていました。
「とてつもなくダークな“正義”のヒロイン検事ヤナ・ベルセリウス登場!「驚くほど良いデビュー作。ありきたりの警察小説とはかなり異なる」」と紹介されています。
子供のいない移民局難民問題担当主任の職員が殺されたが、現場には小さな子供の掌紋が見つかっただけだった。数日後、現場にいたと疑われる少年の遺体が発見され、彼のうなじに文字が刻まれているのを見て、ヤナは驚愕する。自分にも「Ker」という文字が刻まれているのだ。少女時代の記憶のないヤナは警察の捜査とは別に独自に捜査を開始する—
既に続編「Vita spar」(2015.5)も刊行されています。一日も早く翻訳してください。お願いいたします。
2015年11月25日集英社文庫より発行 原題は「Markts for livet 」
<作家紹介 エメリー・シェップ>
1979年生まれ
広告業界でプロジェクト・リーダーとして働く傍ら2013年に本書を自費出版。
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女性検事もの, 評価: ☆☆☆☆☆