満開の栗の木/カーリン・アルヴテーゲン/小学館文庫(2013.1.9発行)
スウェーデンで最も注目されている作家カーリン・アルヴテーゲンの6作目の作品。
「北欧ミステリ界を騒然とさせた絶望と希望の物語。」と紹介されています。
主人公は、事業で大成功してなにもかもを手に入れた実業家アンダシュとストックホルムの都会から少女時代の夏を過ごしたスウェーデン北部の田舎村に家族で移り小さなホテルを経営するヘレーナ。もう一人はその村に住む変わり者ヴェルネル。
アンダシュは空虚感から自殺未遂をし、病院を無断で抜け出しヘレーナのホテルに流れ着くことに—
登場人物tたちが忘れがたく、もう一度会いたらどんなに良いでしょうか。
スウェーデンの読者から「この小説は終わっていない。ラストシーンが本当の最後ではないから、続きが読みたい」との投書があったそうですが、もう一度会いたい気持ちがこの投書の本来の意図ではないでしょうか。
終わり方じたいはこれで良かったと思います。あとどうなるかは自分で想像し創作して楽しめばよいのだと思います。
人の生き方を考えさせられる優れた作品です。是非お読みください。
2013年1月9日小学館文庫より発行 原題は「En sannolik historia」
<カーリン・アルヴテーゲンの作品>
第1作『罪』(1998)日本では2005年
第2作『喪失』(2000) 日本では2004年
第3作『裏切り』(2003) 日本では2006年
第4作『恥辱』(2005) 日本では2007年
第5作『影』(2007) 日本では2009年
第6作『満開の栗の木』(2010) 本書
第7作『バタフライ・エフェクト』(2013)
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評価: ☆☆☆☆☆