暗き炎(上)(下)　チューダー王朝弁護士シャードレイク/C・J・サンソム/集英社文庫(2013.8.25発行)

☆2005年英国推理協会(CWA)エリス・ピーターズ・ヒストリカル・ダガー賞受賞作品

16世紀のイングランドを舞台とした歴史ミステリ。

脊髄がゆがみ湾曲しているチューダー王朝弁護士シャードレイクのシリーズ第2作

シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。少女は一切口を開かず黙秘を続け、有罪か無罪かの答弁すら拒む。そのままでは重石責めの拷問をうけ死をまぬがれないのに。一方、摂政クロムウェルは、少女の審議期間延長と引き換えに、古くから伝わる幻の破壊的兵器「ギリシャ火薬」の製法と現物を探し出すようシャードレイクに命じた—

クロムウェルの部下ジャック・バラクと共にエリザベスの事件の捜査とギリシャ火薬の二つの課題に取り組むことに。薬学師のムーア人ガイ・モルトンもシャードレイクを助けます。

両親を失った少女エリザベスが黙秘を続ける理由は一体何なのか。「ギリシャ火薬」とは何か。謎が謎を呼び、先を読まずに入られません。

弁護士が主人公ですが、いわゆる法廷ミステリではなく、歴史ものの冒険ミステリです。

16世紀のロンドンの様子が手に取るようにわかります。当時の人々の考え方にもびっくりするやら驚くやら。人類は少しづつですが進歩しているのでしょうか。

本シリーズは既に第6作まで発表されています。

2013年8月25日集英社文庫より発行　原題は「DARK FIRE」
＜チューダー王朝弁護士シャードレイクのシリーズ＞
第1作『チューダー王朝弁護士シャードレイク』
第2作『暗き炎(上)(下)　チューダー王朝弁護士シャードレイク』
第3作『支配者(上)(下)　チューダー王朝弁護士シャードレイク』
第4作『Revelation』(2008)
第5作『Heartstone』(2010)
第6作『Lamentation』(2014)

 - 歴史ミステリもの, 男性弁護士もの, 評価: ☆☆☆☆☆