海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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GATACA(上)(下)/フランク・ティリエ/ハヤカワ文庫(2013.5.25発行)

   



主人公はフランク・シャルコ警視とリューシー・エヌベル元警部補。 前作『シンドロームE』ではリューシーの双子の女の子が連れ去られた場面で終わっていました。

前作を読まないで本書を読むのはもったいないの一言に尽きます。できれば第1作からお読みください。

主人公の2人に作者はこれでもかこれでもかとどこまでも過酷な設定を与えています。

フランク・シャルコ警視はパリ警視庁の辣腕刑事。

タルタロスの審問官」で妻を誘拐され、「七匹の蛾が鳴く」で目を離したわずかの隙に愛する妻と娘を交通事故で失った。女性巡査長リューシー・エヌベルは、プロファイリングを無二の趣味とする。『死者の部屋』の捜査で実績を上げ、リール署の警部補に昇進。

娘を殺されたリューシーは警察の職を辞し、恋人のシャルコ警視とも別れてしまった。

娘を殺害した憎むべき犯人が、刑務所で自らの動脈を自らの指で断ち切り自殺する。独房の壁には上下逆さまの奇妙な風景画が…リューシーは事件の真相を探り出そうと決意する。

そのころ傷心のシャルコも、研究所で女子学生がチンパンジーに惨殺される事件に遭遇していた。 ふたりの捜査は、それぞれに奇怪な絵図を描きはじめていた—

第5作の翻訳が待ち遠しいのですが、2016年2月現在もまだ翻訳されていません。

2013年5月25日ハヤカワ文庫より発行
<フランク・シャルコ警視とリューシー・エヌベル警部補のシリーズ>
第1作 『死者の部屋から
第2作 『Memoire fantome』(未訳)
第3作 『シンドロームE
第4作 『GATACA』本書
第5作 『ATOM[KA]』(未訳)

 - 女性刑事(捜査官)もの, 男性刑事(捜査官)もの, 評価: ☆☆☆☆☆