弁護士の血/スティーヴ・キャヴァナー/ハヤカワ文庫(2015.7.25発行)
☆このミステリーがすごい!2016年版(2015年)ベスト20宝島社第8位
☆ミステリが読みたい! (早川書房)2016年版第19位
「言われたとおりにしろ。さもないと弾丸が脊髄を砕く」という書き出しで始まる法廷ミステリとノワールものを結合させたこの物語は始まる。
主人公は詐欺師でスリの名人だった父親を持つ弁護士のエディー・フリン。何しろ自分を拘束しているロシアン・マフィアの用心棒から財布を掏ってしまうのだから恐れ入る。
エディーの恩人で友人でもある上級裁判官ハリー・フォードや幼馴染みのイタリアン・マフィアのジミー・フェリーなど脇役達も見逃せない。
二十四時間裁判に関わり、自らの魂をすり減らし、家庭をかえりみることができない―ニューヨークの弁護士エディー・フリンは、酒に溺れて妻から見放され、一週間に一度10歳の娘エイミーに会うためにだけ生きていた。そんな時、ロシアン・マフィアから銃を突きつけられ、着せられたコートには爆弾が。そのまま裁判所の前に連れてこられ、要求をのまなければ拉致したおまえの娘を殺害すると脅迫される。
その要求とは「爆弾を法廷に持ち込み、自分に不利な証言者を殺害しろ」
この難題にどう対処していくのか。
法廷ミステリとしても非常に優れた作品です。
是非是非お読みください。2016年には第2作が刊行される予定だそうです。
2015年7月25日ハヤカワ文庫より発行 原題は「The Defence」
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2016年版(2015年), 2016年版(早川書房), ノワールもの, リーガル(法律・法廷)サスペンスもの, 男性弁護士もの, 評価: ☆☆☆☆☆