海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 冒険アクションもの 」 一覧

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裏切りの峡谷/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.5.25発行)

主人公は軍人一家に育った女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第2作 第1作から約6ヶ月で第2作と対面できましたが、出版社も翻訳者も変わりました。 内容はとびっきりの冒険アクションサスペンス そんなのありかなという事件が連続する。休む暇はありません。 訳者はあとがきで主人公のエヴァン・ディレニーを 「知識人にあるまじき悪態をつき…

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チャイナ・レイク/メグ・ガーディナー/ハヤカワ文庫(2009.11.15発行)

☆2009年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞(エドガー賞)最優秀ペーパーバック賞(BEST PAPERBACK ORIGINAL)受賞作品 作品の発表は2002年 アメリカに紹介された(巨匠スティーヴン・キングが推奨)のが遅く受賞がこの年 主人公は軍人一家に育った女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニー 脇役にエヴァンのボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーン 法廷ミステリではな…

バッド・モンキーズ

バッド・モンキーズ/マット・ラフ/文藝春秋(2009.10.10発行)

☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第4位 ☆2009年週刊文春ミステリベスト10(海外)第10位 ☆闘うベストテン2009(AXNミステリチャンネル)国内外ミステリ第8位 ☆ミステリが読みたい2011年版(早川書房)第16位 逮捕されたとき、ジェイン・シャーロットは刑事に犯罪と闘う秘密組織”バットモンキーズ”の一員だと伝えた—- 一気に読んでしまいました。痛…

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犬の力(上)(下)/ドン・ウィンズロウ/角川文庫(2009.8.25発行)

衝撃のミステリは、メキシコ・バハカルフォルニアで幕を開ける。アート・ケラーは銃弾の雨に倒れた19体の屍を前に十字を切る—– 強烈な内容にあっという間に引き込まれます。 麻薬撲滅がなぜできないのか。中南米がなぜ豊な国になれないのか。 泥沼の戦いに勝者はどこにもいません。 メキシコやコロンビアがいつか本当に意味での独立を果たす日がくることを祈って本書を閉じました。 麻薬カルテルとのエンドレスの戦…

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黒のトイフェル(上)(下)/フランク・シェッツィング/ハヤカワ文庫(2009.2.15発行)

この物語の主人公たちに会いたくて、毎朝本を開くのが楽しみになって、ゆっくりと少しずつ読んだミステリ たちまちのうちに引き込まれてしまう物語 お勧めです。 『深海のYrr(イール)』(2004年刊行)で衝撃を与えたフランク・シェッツィングのデビュー作品(1995年日本での刊行は2009年) 舞台は13世紀のケルン  「歴史冒険サスペンス」と本の後ろ書きに 2009年2月15日ハヤカワ文庫より発行 『…

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解雇手当/ドゥエイン・スウィアジンスキー/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.6.15発行)

「彼の名はポール・ルイス—–そして彼は、おのれの余命が七分しかないことを知らなかった。」という書き出しで、はちゃめちゃな物語はスタートとする。 訳者あとがきで「ぶっとんだ、途方もない作品」と本書を一言で表現 全くその通り。まるでコミックと思ったら、作家はコミックの制作に関わっている方でした。 映画化も予定されているそうです。 ☆ミステリが読みたい2010年版(早川書房)第19位 2009年6…

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弔いのイコン/ゲイリー・ヴァン・ハース/ランダムハウス講談社(2009.4.10発行)

主人公は元聖職者で画家で画廊の経営者でもあるガース・ハンセン 物語は主人公がフェンシング・サロンで500ドルを賭け、フェンシングの試合をするところから始まる。 ギリシャ・ミコノス島を舞台に繰り広げられる冒険ミステリ ギリシャに行ってみたくなりましたが、ミステリとしては動機も謎解きも不満足です。動機などたった一文で説明しているものさえあります。 あまりに多くの事件を起こし、消化不良を起こしています。…

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狼のゲーム/ブレント・ゲルフィ/ランダムハウス講談社(2009.1.10発行)

現在のロシアを舞台にした衝撃の作品 主人公はロシアン・マフィアで元特殊部隊隊員のアレクセイ・ヴォルコヴォイ(通称ヴァルク)と恋人のチェチェン人のヴァーリャ 強烈なラブストリーです(第2作を読まないと断定はできませんが)。 『チャイルド44』(トム・ロブ スミス)と同じような衝撃が読む人を襲います。 主人公たちがこれだけ痛めつけられる犯罪小説はありません。 書いたのがロシアの人ではないところもチャイ…

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ヒラムの儀式(上)(下)/エリック・ジャコメッティ +ジャック・ラヴェンヌ/講談社文庫(2009.2.13発行)

1945年4月25日、ベルリン陥落寸前のドイツ第3帝国首相官邸、ある上級大隊指揮官が受けた指令は、ベルリンを密かに離れ、木箱を予定された隠し場所に埋めろというものだった。 物語は、ここから始まり、舞台はすぐ20005年5月のローマに移る—– ナチスでなくフリーメーソンが主題の壮大な歴史ものミステリ 人間が人間に対してできることに限界がないことを改めて知らされました。 ”庭師”は怖すぎます。 …

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ハーンの秘宝を奪取せよ(上)(下)/クライブ・カッスラー/新潮文庫(2008.4.1発行)

ベストセラー作家クライブ・カッスラーのダーク・ピット シリーズの第19作 痛快な気持ちにひたりたいときにどうぞ!! 歴史の秘話と国際謀略がからんだ娯楽性に富んだ冒険アクション小説 1973年に架空の組織であるNUMA(国立海中海洋機関)に所属するダーク・ピットのシリーズ第1作『海中密輸ルートを探れ』でデビュー ダーク・ピットシリーズ 海中密輸ルートを探れ (THE MEDITERRANEAN …

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ワイルドファイア(上)(下)/ネルソン・デミル/講談社文庫(2008.5.15発行)

前作の「ナイトフォール(上)(下)」と同じようにミステリとしては失敗作 007・ジェイムズボンドシリーズの映画のようにありえない設定が多く、痛快なスパイアクションもののように読めば面白いかも。 最新の世界情勢(といっても2001.9.11アメリカ同時多発テロに焦点が)からテーマを選択しており、その選択は読む人を強くひきつけるのに。あいかわらず展開が遅く、冗談や駄洒落の連発にいささか食傷気味になる。…

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大密林/ジェイムズ・W. ホール/ 講談社文庫(2002.8.15発行)

夫との離婚話を切り出そうとボルネオ旅行へ娘を誘った動物保護家アリスン。だが灼熱の密林で密猟者に娘は殺され、危機一髪で脱出したアリスンだが—- 動物保護家アリスンの恋と冒険に満ちた傑作サスペンス 2002年8月15日講談社文庫より発行 …