海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

*

「 評価 」 一覧

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ/ポール・アルテ/ハヤカワ・ミステリ(2007.6.15発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007年)第1位 犯罪学者アラン・ツイスト博士のシリーズ第4作(1990年の作品) 科学的な捜査によって犯人を追い詰める最近のミステリではなく、事件の謎を推理によって解いていく形の伝統的ミステリ 訳者あとがきで「現在のミステリが失ってしまった何か」がこのミステリにはあると書いています。 アラン・ツイスト博士の長編ものシリーズ『第4の扉』『死が招く』…

no image

メフィストの牢獄/マイケル・スレイド/文春文庫(2007.10.10)

数々の殺人鬼と死闘を繰りひろげてきたカナダ騎馬警察の特別対外課(スペシャルX)のシリーズ第7作 既に第12作目でが発表されています。読み始めると止まらなくなるシリーズですが、好き嫌いははっきりと分かれてしまうかなと思います。 ある読者レビューで「帯にカナダのディーバー?的なセールス文字がありますが、全く似通ってないと思います」とのご意見が出ていますが、全く同感です。両者は全然違います。 このシリー…

芸術家の奇館

芸術家の奇館/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2007.11.15発行)

自然豊かなビッグシスター島に住み、やっと村の生活になじんできた映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の新米駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第2作 前作から1年7ヶ月ぶりにやっと出して下さいました。遅すぎます。集英社文庫が元FBIアカデミーものの3部作をわずか3か月間に3冊出したことをまねしろとは言いませんが、1年7ヶ月ぶりは待たせすぎです。 既に第5作まで(第1作日本での発行時点…

no image

大鴉の啼く冬/アン・クリーヴス/創元推理文庫(2007.7.27発行)

2007年原書房・早川書房・宝島社・文藝春秋4社すべての海外ミステリベストにランクインした唯一の作品 イギリス最北の地 シェトランドを舞台に春・夏・秋・冬それぞれの季節に合わせ<シェトランド四重奏>Shetland Island Quartet を奏でる予定の第1作目 (イギリスのベテラン女流推理作家アン・クリーヴスの日本での初紹介) 孤独な老人を訪れた黒髪の少女は、4日後の朝、真っ赤なマフラー…

no image

ザ・キル/アリスン・ブレナン/集英社文庫(2007.11.25発行)

元FBIアカデミーの同期でルームメイトだった3人のその後を綴った3部作の3作目 5歳のとき目の前で姉を誘拐されたオリヴィア 34年後姉殺しの犯人として服役していた男が、DNA鑑定の結果無罪となり釈放された— ミステリ部分は評価できますが、ロマンス部分は3部作とも同じパターンでちょっと飽きが来ました。水戸黄門ものを見ているみたい。 作家のアリスン・ブレナンは、このシリーズ後2007年から再び3部…

no image

雨の掟/バリー・アイスラー/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2007.9.20発行)

父親が日本人・母親がアメリカ人の暗殺者ジョン・レインが活躍する待望のシリーズ第4作 やっとでました。 イスラエルからの暗殺の仕事の依頼を引き受けたジョン・レイン その結果、またまた絶体絶命のピンチに— 初めて持った相棒 元海兵隊のドックスとの迷(?)コンビぶりに心が躍る。 イスラエルの秘密工作員デリラとの関係はどうなるのかと心配になる。 あっというまに引き込まれていきます。 ヴィレッジブック…

no image

石のささやき/トマス H.クック/文春文庫(2007.9.10発行)

2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第3位 前作『緋色の迷宮』に引き続きミステリランキング入り いったいどうなっているのだろうと先を読みたくなる手法はさすがと言うべきか。 ある感想に「この作家の本は基本的に読む前に時間をおいてしまいます。 大抵、内容の重さが胸につまることが多いからで、今回も買ってから読むまでに時間をおきました。」 とありましたが、全く同感です。 この作品は特に、入ってい…

no image

ウォッチメイカー/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2007.10.30発行)

2007週刊文春ミステリベスト10(海外)輝く第1位 リンカーンライムとアメリア・サックスの最新作 シリーズ第7弾  くー!!また、ジェフリー・ディーヴァーにやられちまった。とにかく面白い!! 読み終わるのがもったいなくなっちゃう。 このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>これも輝く第1位!!! こんな仲間に囲まれていたらどんなに幸せだろう。 原題は「THE …

no image

あなただけに真実を/リサ・ガードナー/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2007.4.20発行)

読み始めたら止めることのできないおもしろさ。ミステリベストテンに自分なら入れるかも。 訳者あとがきにも、本書に対する賛辞の一つとして「最高のサスペンス。先が早く読みたくてたまらなくなる」(ピープル)と紹介があります。 主人公はマサチューセッツ州警察特殊戦略部隊のスナイパー ボビー・ダッシュ 男が妻と幼い息子に銃を突きつけて立てこもっている現場に急行したボビーは、自らの判断で男を射殺する。その後にボ…

no image

ミッドナイト・キャブ/ジェイムズ・W・ニコル/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2007.7.20発行)

  2007/12/04    評価: ☆☆☆☆☆

解説はその表題を「ミステリーの手法で書かれた成長小説の快作」としています。 3歳で孤児になった主人公ヴァカー・デヴローが19歳になったとき、実の母と父を求めてわずかな手ががりを元に、その足取りを追うところから物語りは始まります。 いったいどうしては母は自分を捨てたのだろう、その答えを求める旅が始まります。 読んだ後に涙に暮れるか、ほっとするのか、あなたはどちらでしょうか。 2007年7月20日ヴィ…

no image

[番外編] MICHELIN GUIDE ミシュラン ガイド 東京 2008/日本ミシュランタイヤ

ヨーロッパを旅するとき必ず手にしていたミシュラン ガイド  星のついているレストランで食事をすることが目的でいった旅行の数々 夏のヨーロッパでは長期の休暇をレストランも取ってしまうので、宿泊施設併設のレストランを選んでいったものです。 かつては、ミシュランの星のことを言っても、ホテルについているランク付けの星とよく間違えられ、「たった三つしか星がないの」といわれものです。本書の発行でこんなこともき…

no image

聖なる罪びと/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2007.9.10発行)

「外科医」「白い首の誘惑」に続く第3作 3作とも主人公は異なり、本書では女性検死官モーラ・アイルズが主人公  第2作の主人公のボストン市警察殺人課の女性刑事ジェイン・リゾーリとともに、若い修道女が殺害された事件の謎に挑みます。 二人とも、異性関係に問題を抱えており、どうなっていくのか気をもみながら一気に読んでしまいました。 2007年9月10日文春文庫より発行 …

no image

復讐病棟/マイケル・パーマー/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2006.10.20発行)

ERの医者をしながら小説を書き始めた医学博士の描く緊迫のメディカル・サスペンス マイケル・パーマーの第10作  原題は「FATAL」(直訳は致命的な・運命の) 医療現場の正確で詳細な描写のほか、ラブストリーもあるミステリです。 炭鉱を経営する企業倫理の問題・ワクチンの持つ副作用という永遠の課題を絡めて話が展開されます。 2006年10月20日ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)より発行 …

no image

デス・コレクターズ/ジャック・カーリイ/文春文庫(2006.12.10発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第1位 モビール市警察本部刑事カーソン・ライダーのシリーズ第2作 『百番目の男』から待つこと1年半 待望の第2作 必ず第1作からお読み下さい。第1作で登場した無能な警部は本作では姿を消してくれました。本当によかった。 作品の中で印象に残った言葉「不正直な人生から最初に盗まれるものが笑顔だ」 このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベ…

no image

心うち砕かれて/ジュリー・ガーウッド/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2002.1.15発行)

懺悔室の中でトム神父を凍りつかせた神父の妹ローランに対する殺人予告 いったい誰が何のために ジュリー・ガーウッドのロマンチック・サスペンスのデビュー作 2002年1月15日ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)より発行 …