海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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ゴーリキー・パーク(上)(下)/マーティン・クルーズ スミス/ハヤカワ文庫

英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞 捜査官アルカージ・レンコのシリーズ第1作  全世界的にヒット 映画化された 男性刑事ものに夢中になったきっかけとなった作品 1977年4月、モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女3人の射殺体が発見された。いずれも顔面を鋭利な刃物で削ぎ落とされ、指先も切断されていた。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコは残虐な事件の背後に見えかくれするKGBの影に当惑-…

さりげない殺人者

さりげない殺人者/ロバート・K.タネンボーム/講談社文庫(20051.15発行)

作家は、ニューヨーク地区検事補から作家に転身。 ケネディ大統領やキング牧師暗殺事件の下院調査委員会担当検事を務めた。ビバリーヒルズの市長を務めたこともある。 人気の「ブッチ・カープ検事補とマルレーネ・チャンピ」シリーズ  1999年に第3作の『断罪』が講談社文庫から出版されています。また、二見書房から1988年に『検事補カープの怒り』が出版されています。久々の登場です。 カープ検事補と恋人のマルレ…

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文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!/ジャスパーフォード/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2003.10.20発行)

闘うベストテン2003(ミステリチャンネル)海外ミステリ第5位 めちゃめちゃに自由な発想で書かれたミステリです。映画にしたらどんなにおもしろいでしょう!!文学の教養がある方にはとても楽しめると思います。 舞台は1985年のイギリスだが、今とは違う歴史をたどるもう一つの別のイギリス。 クリミヤ戦争は終結せず、帝政ロシアとの戦争は131年目。 ウェールズは独立。コンピューターはなく、空の旅は飛行船。ク…

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半身/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫

2003年海外週間文春ミステリーベスト10 輝く第1位 舞台は19世紀のイギリス ミルバンク監獄(実在) うーん!!!! やられたと思える素敵なミステリです。 最初の6ページがとてもわかりにくく、170ページまでくらいまで読んでから読み返しました。主語が跳んでいて、誰の言葉かわからないし、読んだばかりでは人間関係もわからないので理解しにくい。ここをとりあえず乗り切れば、不思議な世界に入っていけます…

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風のペガサス〈上〉〈下〉/アイリス ジョハンセン/二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション(2001.6.20発行)

ウインドダンサーシリーズ三部作のひとつ 主人公は、ヴァサロ農園の女性経営者  魅力的な人物が次々と登場し、誰にも何もないようにと祈りながら読みました。あっという間に物語に引き込まれてしまいます。ロマンスとサスペンスを楽しみたい方にお薦めです。 作家は作品を発表するたびにベストセラーリストに名を連ねるアメリカの人気女性作家 2001年6月20日二見文庫より発行 …

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砂漠の風に吹かれて/ベティ・ウェブ/扶桑社文庫

作家はニューヨーク等で商業デザイナーやイラストレーターとして活躍 アリゾナ州スコッツデール(Scottsdale)に移住 新聞記者となり、書評を担当 本書がデビュー作 作品の舞台となったスコッツデールがどのようなところかはこちらをご覧ください(アリゾナガイド?スコッツデール)写真等が載っており、参考になります。また、作家のホームページはwww.bettywebb-mystery.com/ 女性私立…

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ブレイン・ドラッグ/アラン・グリン/文春文庫(2004.2.10発行)

闘うベストテン2004第10位 2002年のイギリス推理作家協会最優秀新人賞の候補になる  10年ぶりに会った別れた妻の兄(コカインの売人だった)から渡された一粒の錠剤。それがすべての始まりだった— 後半に急展開を見せ、想像もしなかった結末へとつながっていきます。後半をもっと突っ込み、量も増やした方がベターとも思いましたが、この方が余韻が残って良いのかもしれませんね。 読み始めたら最後まで一…

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ペインテッド・ハウス/ジョン グリシャム/小学館

  2005/01/23    評価: ☆☆☆☆☆

アメリカで一番多くに人に読まれているといわれるジョン・グリシャムの第12作 アメリカでテレビ映画化され、2003年4月CBS系列で放映 舞台は1952年アメリカ南部 主人公は綿農家の7歳の少年 涙なしには最後まで読めない内容になっています。読み始めたら先を読みたくて止められません。是非お読みください。法廷ミステリとは違う領域の小説ですが、いくつかの事件も起きるし、ジョン・グリシャムの作品なのでここ…

弁護士は奇策で勝負する

弁護士は奇策で勝負する/デーヴィッド・ローゼンフェルト/文春文庫

2003年アメリカ探偵作家クラブ新人賞候補 このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)宝島社第18位 法廷ミステリの傑作だと思います。とんでもない手を使って無罪を勝ち取る若手弁護士が、死刑囚の再審請求を当の死刑判決を勝ち取った検事である父から依頼され、事件の真相に迫っていきます。 読んでいて自分も一緒に参加している気持ちになれます。なお、真相は読んでからのお楽しみです。 軽快なテンポで交…

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誰もが戻れない/ピーター ロビンスン/講談社文庫

イギリス・ヨークシャーの主席警部アラン・バンクス シリ-ズの第8作(翻訳としては6作目) アーサー・エリス賞受賞作 読み始めたら止まらないおもしろさです。 主席警部アラン・バンクスのシリ-ズを初めて読む人にも全く抵抗無く入っていけます。むしろ、全作品を読みたいと思うようになりますが、全部そろっていないのが不満です。出版会社は読む人のことはあまり考えてくれないのでしょうか。   …

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ダーク・レディ〈上〉〈下〉/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2004.9.1発行)

このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)第7位 6年と9カ月栽判で負けていない検察局殺人課課長を務め”ダーク・レディ”の異名を持つ女性検事補ステラ・マーズが主人公 検事補が主人公ながら、法廷ミステリというよりも選挙が絡んだポリティカル(政治)ミステリといってよいかも。 とにかく面白い。先をどんどん読みたい気持ちと読んでしまったらこの物語から離れなければならなくなるのはいやだという気持ち…

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迷宮の暗殺者/デイヴィッド・アンブローズ/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)第8位 とにかくおもしろい!本の紹介に「ジェットコースター・サスペンス」とあるが、まさにその通りです。次々に展開していくストリーに目が離せません。ハリウッドで映画化の話が進んでいるのも納得できます。 主人公は、特殊工作員のチャーリー・モンクと女医のスーザンフレミング。作者は映画では、チャーリーはジュード・ロウにスーザンはジュリア・ロバーツに演じてもらいた…

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痕跡 (上)(下)/パトリシア・コーンウェル/講談社文庫

作家はアメリカ・マイアミ生まれ 警察記者・検屍局のコンピューターアナリストを経て1990年『検屍官』で小説デビュー  ケイ・スカーペッタが主人公のシリーズ第13作  第4作『真犯人』が映画化の予定とのこと 公式ホームページ www.patriciacornwell.com 検屍官局長だったケイ・スカーペッタが、事件の依頼を受け5年ぶりにリッチモンドを訪れた。そこでみたものは、変わり果てた自分の検屍…

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殺害容疑―女弁護士ニナ・ライリー/ペリー・オショーネシー/小学館文庫(2005.1.1発行)

作家は2人のアメリカ人姉妹 1人は実際に弁護士を開業 女弁護士ニナ・ライリー シリーズの第5作 次作も小学館文庫から発刊予定とのこと シリーズ第5作から入っても充分楽しめました。 このシリーズを始めて読みました。はらはらしながら最後まであっという間に読みきってしまいました。法廷での争いより、事件の真相は何かに重きを置いた法律ミステリーです。 弁護士にとってもっとも気になる命題-自分が弁護する人間…

ワイオミングの惨劇

ワイオミングの惨劇/トレヴェニアン/新潮文庫

このミステリーがすごい!2005年版(2004年)宝島社第3位 作家は伝説(?)の覆面作家 自分のプライバシーを守っている人だそうです。 19世紀末のアメリカが舞台 50ページまでは本当に退屈だし128ページまで行っても、西部の町の住民紹介だけ。どう展開していくのか予想がついてしまうし、凶悪犯にはいらいら以上の嫌悪感を覚える。映画化を想定して書いているのでしょうか。  闘うベストテン2004(ミス…