海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

*

「 評価 」 一覧

no image

タトゥ・ガール/ブルック スティーヴンズ/講談社文庫

  2004/12/24    評価: ☆☆☆☆☆

主人公の女性2人を心から応援し続けて読んでいくミステリーです。先を読まずには心配でいられないので、あっという間に読み終えてしまいます。想像を超える展開に何度も驚かされます。わくわくどきどきしながら読めるおすすめのミステリーです。 最後に何が起こったか、ちょっとわかりにくいのですが、それは神のみぞ知ることなのでしょうか。 …

no image

NYPI/ジム・フジッリ/講談社文庫

  2004/12/21    評価: ☆☆☆☆

私立探偵(調査員)テリー・オアのシリ-ズ第1作。既に第4作までアメリカでは出版されています。 「最愛の君に」に書くラブレターは、涙なしには読めないもの。限りない愛情をそそぐ娘とのやりとりもおもしろい。事件解決の謎解きの示し方がとてもユニーク。シリーズの続きを早く読みたい。 …

既死感

既死感(上)(下)/キャスリーン レイクス/角川文庫(2001.1.25発行)

1998年度カナダ推理作家協会最優秀処女長編賞受賞作品 「法人類学者」テンペランス・ブレナンのシリーズ第1作 このシリーズはどうしてもパトリシア・コーンウェルの検屍官ケイ・スカーペッタのシリーズと比較してしまいます。 ケイ・スカーペッタのシリーズはベストセラーとなっており、作家もこれを意識して書いているところがあるのではないかと思われます。 主人公の「法人類学者」テンペランス・ブレナンの事件に対す…

no image

警視の予感/デボラ クロンビー/講談社文庫(2003.11.15発行)

ロンドン警視庁警視のダンカン・キンケイドのシリーズ第7作  予感という題名が暗示しているように、いったいどんな事件が起きるのか、はらはらどきどきしながら200ページまで行ってしまいます。 舞台は英国の古い町グラストンベリ どんな事件が、誰の身に起きるかは読んでからのお楽しみです。 早く読みたいという気持ちと、いつまでもこの作品を読んでいたいという気持ちがぶつかって、本を手にしてはやめ、また手に取る…

no image

警視の接吻/デボラ クロンビー/講談社文庫(2001.6.15発行)

ロンドン警視庁ダンカン・キンケイド警視のシリーズ第6作 このシリーズにはまった人は素直にイギリスの空気に染まりましょう。 公園で美しい女性の死体が発見された。警視は別れた妻の子どもと過ごすはずだった週末を返上し、恋人・ジェマとともに捜査に加わる。 被害者の足跡を辿るうち、婚約者との諍(いさか)い、奔放な男性関係などが明るみに出て、捜査は難航— 2001年6月15日講談社文庫より発行 …

no image

警視の死角/デボラ クロンビー/講談社文庫(1999.1.15発行)

ロンドン警視庁警視のダンカン・キンケイドのシリーズ第5作 高名な詩人リディアの死に疑いを抱いた警視キンケイドの別れた妻ヴィクトリア。疑惑を告げに来た彼女が殺され、警視は恋人のジェマ巡査部長と共に捜査を開始した— 妻ヴィクトリアは、別れた後ひそかにキンケイドとの間に出来た息子を産んでいた— 1999年1月15日講談社文庫より発行 …

骨と歌う女

骨と歌う女/キャシー ライクス/講談社文庫(2004.4.15発行)

検死の女性専門家が活躍するシリーズは、パトリシア・コーンウェルのケイ・スカーペッタ『検屍官』『痕跡』やロバート ウォーカー のジェシカ・コラン『女検死官ジェシカ・コラン』『第六級暴力殺人』『ハワイ暗黒殺人』『ハートのクイーン』『暗黒のクロスボウ』『肩の上の死神』『洋上の殺意』『魔王のささやき』がありますが、これらのシリーズを読んだ方には是非おすすめです。 この作家は、アメリカ法人類学会から正式に認…

no image

警視の愛人/デボラ クロンビー/講談社文庫(1997.7.15発行)

ロンドン警視庁ダンカン・キンケイド警視のシリーズ第4作 警察学校の先輩である警視長が何者かによって殺害された。 調査に乗り出したダンカン・キンケイド警視と女性巡査部長ジェマ  2人で殺人事件を解き明かしていくミステリでもあり、2人の関係がどうなるのか 見守りながら読んでいくサポーターの立場としては、いらいらどきどき 1997年7月15日講談社文庫より発行 …

no image

警視の秘密/デボラ・D. クロンビー/講談社文庫(1996.2.15発行)

ロンドン警視庁ダンカン・キンケイド警視のシリーズ第3作 アシャトン家(当主は有名な指揮者、夫人はオペラ歌手という音楽家を両親に持つ)の娘(画家)の夫が水死した— 部下のジェマの有能さに脱帽 ダンカン・キンケイド警視との関係に進展はあったのか それは読んでからのお楽しみ 1996年2月15日講談社文庫より発行 …

no image

覇者〈上〉〈下〉/ポール リンゼイ/ 講談社文庫

ポール リンゼイのFBI捜査官の物語は、大好きです。『目撃』『宿敵』『殺戮』と続いた出世を望まず、自己の信念を貫き通す特別捜査官デブリン。今回は、新しい主人公の登場です。元FBI捜査官がかいたFBI捜査官の物語です。厳しい評価が多いようですが、魅力あるヒロインも登場し、充分楽しめました。読むのを止めるのは、とても難しかったです。次作もとても楽しみです。 …

no image

ブルー・アワー〈上〉〈下〉/T.ジェファーソン パーカー/講談社文庫(2004.2.15発行)

女刑事マーシ・シリーズの第1作  サスペンスとラブストリーを楽しみたい方にはおすすめです。読み出したら止まりません。 2作目は講談社文庫から刊行予定だそうですが、講談社さん1作目を忘れないうちに早く出してくださいね。お願いします。 なお、3作目は既に早川書房から刊行されています 『ブラック・ウォーター』(2003年2月)。 2004年2月15日講談社文庫より発行    …

天使の遊戯

天使の遊戯/アンドリュー テイラー/講談社文庫(2004.2.15発行)

3連作の第1作『天使の遊戯』。三部作を読まないと全ての謎は解き明かされないようで、早く次の二作の刊行が待たれます。 全体としてイギリスの聖職者を中心にした物語。 第1作の本編は、幼児を誘拐された母親(教会の副牧師)の心理描写を中心に描かれている。神に仕えるものが、自分の子供が誘拐されたら、どうこの試練に立ち向かうのか。神を信じられるのでしょうか。 このあと物語は過去に遡っていくそうです。 200…

no image

警視の隣人/デボラ クロンビー/講談社文庫(1995.2.15発行)

ロンドン警視庁ダンカン・キンケイド警視のシリーズ第2作 キンケイド警視と同じアパートに住む末期ガン患者であるジャスミン・デントの死体から多量のモルヒネが発見され、警視は謎解きにとりかかる— 人間関係が次々と明らかになっていくので、必ず順番にお読みください。 1995年2月15日講談社文庫より発行 …

no image

警視の休暇/デボラ・D. クロンビー/講談社文庫(1994.3.15発行)

ロンドン警視庁ダンカン・キンケイド警視のシリーズ第1作 舞台はヨークシャー 夏休みを楽しむために出かけた会員制リゾートホテルで彼を待ち受けていたのは、絵本のように美しい景色とは似合わない、忌わしい殺人事件だった—  1994年3月15日講談社文庫より発行 …

no image

炎に消えた名画(アート) /チャールズ ウィルフォード/扶桑社ミステリー

闘うベストテン2004海外ミステリ第9位 このミステリーがすごい!2005度版海外編第12位 最後まで読んでみると、ストリートしてはおもしろいと思う。 だけど、78ページから110ページまでは、美術の説明に終始し、小説の中で話を聞いていた恋人が眠ってしまったように、眠ってしまいました。 この部分は、翻訳者の楽しい気持ちは伝わってくるものの、美術に興味が少ししかない人には、難解でおもしろくない。飛ば…