海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

*

老検死官シリ先生が行く/コリン・コッタリル/ヴィレッジブックス(2008.8.20発行)

      2016/01/13


☆2005年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀処女長篇賞(BEST FIRST NOVEL)ノミネート作品
☆2007年度フランス国鉄ミステリ賞最優秀長編賞受賞
☆2008年CWA賞最優秀長篇賞(THE DUNCAN LAWRIE DAGGER)ノミネート作品

主人公はラオスでただ一人の検死官73歳のシリ・パイプーン。

物語は1976年10月ラオス人民共和国 トランとトランとホクの三人がナイロンテープで結びつけられた錆びた(さびた)爆弾に引っ張られて、みぞれのように落下して行くところから始まる。

これはめちゃくちゃ面白い!!!! この作品を読み終えてしまうのは残念でたまりませんでした。

何故日本のベストテンものに一つも入らないのでしょうか。霊が活躍するからでしょうか。

霊が登場する作品がヨーロッパでも認められたのは、ユーモアのセンスあふれた作品だからかな。

訳者はあとがきの中で、2作目以降(現在5作目まである)紹介できるかは未定といっていますが、そんなこといわないで必ず紹介してください。おねがいします。 あなたの翻訳もまた素晴らしい。

2008年8月20日ヴィレッジブックスより発行  原題は『Coroner’s Lunch』
 < 作家紹介:コリン・コッタリル>
1952年ロンドン生まれ。
教師をしながら各地を転々としたあと、オーストラリア、アメリカ、日本で教職につく。
2004年本書で本格的な作家活動にはいる。
現在はチェンマイ大学で教鞭をとりながら、年1作のペースでシリ先生シリーズを発表。
また、ラオスの子どもたちに本を送る活動にも力を注いでいる
※ラオス人民共和国 ベトナム・カンボジア・タイ・ミャンマー・中国に囲まれた海のない国 首都:ヴィエンチャン 人口:約610万人(2004年)

 - ユーモア・ミステリ, 男性検死官(解剖学者・法人類学者・科学者等)もの, 評価: ☆☆☆☆☆, 霊的なものや原住民の知恵を授かるミステリ