海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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禁忌 TABU/フェルディナント・フォン・シーラッハ/東京創元社(2015.1.9発行)x0

      2015/12/05


☆ミステリが読みたい! (早川書房)2016年版第10位
☆週刊文春ミステリーベスト10 2015年 海外 第10位

シーラッハの「コリーニ事件」に続く長編ものの第2作。

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアン・フォン・エッシュブルク。彼は万物に人が知覚する以上の色彩を認識し、文字のひとつひとつにも色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが—

ドイツで出版されたとき評価がまっぷたつに分かれた作品。「二度読んでも理解できなかった」とする書評家も。

この人の作品は、人が罪を犯すのはこんな状況なのか、それを司法制度で裁くことが果たしてできるのか、ということをずっとテーマにしてきたと理解しています。

その点からすれば、この作品は「小説にはまだ上があった」という高い評価の方に賛成いたします。

2015年1月9日東京創元社より発行 原題は「Tabu」(2013)

 - 2015年, 2016年版(早川書房), 評価: ☆☆☆☆☆