海外ミステリの本棚

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その罪のゆくえ/リサ・バランタイン/ハヤカワ文庫(2015.7.15発行)

      2015/12/03


☆2015年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第14位
☆2014年エドガー賞最優秀ペーパーバック・オリジナル賞ノミネート作品

幼い子供が事件を起こすのはなぜか。その子たちを法廷で裁き施設に入れることはどんな意味があるのか、その子たちに本当に必要な支援は何なのか、それを考えさせてくれる素晴らしいミステリです。

読み終わった後ぼう然としてしまいました。

主人公は事務弁護士※のダニエル・ハンター。
※イングランドの司法制度では弁護士が2種類いる。主に依頼人から直接法律相談を受けたり、法手続きに必要な書類を作成したりする事務弁護士と法廷での弁論活動を担当する法廷弁護士。

11歳のセバスチャン・クロールは8歳の少年が煉瓦で撲殺された事件の容疑者として拘束され、ダニエルは立会のため警察に呼ばれる。

この事件とダニエルの少年時代にさかのぼった過去が交互に語られる。

それぞれに謎があり、一時も目を離せず先を読まずにはいられません。

ダニエルが母と和解できなかったのもその生い立ちのせいなのでしょうか。

2015年7月15日ハヤカワ文庫より発行 原題は「THE GUILTY ONE」(2012)
<作家紹介リサ・バランタイン>
スコットランド生まれ
セント・アンドルーズ大学で英文学を学んだのち、中国で勤務のかたわら小説の執筆をはじめる。2012年に発表 デビュー作品『その罪のゆくえ』

 - 2015年文庫, リーガル(法律・法廷)サスペンスもの, 女性弁護士もの, 文庫翻訳ミステリー・ベスト10 (講談社文庫), 男性弁護士もの, 評価: ☆☆☆☆☆