海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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偽りの楽園(上)(下)/トム・ロブ・スミス/新潮文庫(2015.10.5発行)

   



☆2015年週刊文春ミステリーベスト10 (海外)第5位
☆ミステリが読みたい! (早川書房)2016年版第9位
☆このミステリーがすごい!2016年版(2015年)ベスト20宝島社第14位   

両親はスウェーデンで幸せな老後を送っていると思っていたダニエルに、父から電話がはいる。「お母さんは病気だ。恐ろしい妄想を抱くようになった。精神病院に入院中だ」。その直後、今度は母からの電話。「私は狂ってなんかいない。お父さんは悪事に手を染めているの。警察に連絡しないと」。

両親のどちらを信じればいいのか途方に暮れるダニエル—

ダニエルにもまた両親に打ち明けていない秘密があった。

amazonのレビューは真っ二つ。否定的な方は尻つぼみ感を強く訴える。上巻を読んでいるときの期待感からすれば、下巻で語られる結末には確かにちょっとがっくりとくる。

上巻のわくわく感を支持すれば評価が高いけれど、下巻のがっくり感に重点を置けば本代を返せとなるのかも。

期待感も含めてとにかく楽しませてくれるミステリです。

2015年10月5日新潮文庫より発行 原題は「THE FARM」
<トム・ロブ・スミスの作品>
チャイルド44
グラーグ57
エージェント6

 - 2015年, 2016年版(2015年), 2016年版(早川書房), 評価: ☆☆☆☆