海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価: ☆☆ 」 一覧

火焔の鎖

火焔の鎖/ジム・ケリー/創元推理文庫(2012.1.27発行)

デビュー作「水時計」で2009年の日本の各種ベストテン企画でランクインしたジム・ …

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虐待 コクウィットラム連邦警察署ファイルファイル/サンドラ・ラタン/集英社文庫(2011.1.25発行)

シリーズの第2作目、最後まで読みましたが全くお薦めできません。 「新時代の警察小 …

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放火 コクウィットラム連邦警察署ファイル/サンドラ・ラタン/集英社文庫(2010.6.30発行)

物語は移動遊園地に子供だけで遊びにきた10歳の少女が8歳の弟とはぐれてしまうとこ …

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乾杯は緋色のワインで/エリカ・スピンドラー/ヴィレッジブックス(2011.3.19発行)

カリファルニアワインの産地サンフランシスコから車で一時間北にある谷間の町ソノマが …

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アンティーク鑑定士は疑う/エミール・ジェンキンズ/武田ランダムハウスジャパン(2010.12.10発行)

筆者は現役のアンティーク鑑定士 2005年発表の「アンティーク鑑定士は見やぶる」 …

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脱出山脈/トマス・W・ヤング/ハヤカワ文庫(2011.1.15発行)

著者あとがきで「アフガニスタンの上空を飛行したとき、最も恐怖を覚えてのは撃墜されて死ぬことではなかった。それは撃墜されて、死なずにいることだった」と書いています。 アフガニスタンの反政府軍支配下の高山地帯から脱出行。 一気に読めましたが、冷静に考えると全く納得のいかないことばかり。 無線機を使用して敵に所在を知られ襲撃を受ける過ちを2回も繰り返す。 空軍の少佐が地上戦の経験がないことをさんざん指摘…

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追跡する数学者/ディヴィット・ベイジョー/新潮文庫(2010.9.1発行)

  2010/11/24    評価: ☆☆

原題は「The 351 Books of Irma Arcuri」 このまま直訳した方が本の内容にあっています。 訳者はあとがきで「読んでいるうちに誰が誰なのか、誰が虚構で誰が現実の登場人物なのかわからなくなってくる」とディヴィット・ベイジョーの世界を紹介しています。 2008年に発表されたデビュー作品です。 amazonのレビューの方が「失踪した元恋人を天才数学者が追う、なんて自分好みの小説かと…

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黒猫ルーイ、名探偵になる/キャロル・ネルソン・ダグラス/武田ランダムハウスジャパン(旧:ランダムハウス講談社)(2009.10.10発行)

緑目の黒猫探偵ミッドナイト・ルーイと広報担当の素人探偵テンプル・バーの迷コンビのシリーズ第1作 なんと現在20作以上刊行されているそうです。 シリーズが進んでいくと、ミステリとしてもう少し面白くなるのでしょうか。 題名のとおり猫に重点がおかれていれば楽しくてよかったのに。 猫と人との意思の伝達はほとんどなされず、まったくの猫よがりに(?)読むほうは首を傾げるばかり。 勝手につかまって動物保護センタ…

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マジシャン殺人事件/ピーター・G・エンゲルマン/扶桑社ミステリー(2009.3.30発行)

舞台はイタリアのフィレンツェ 奇術師のグレイト・サブニーニの最も得意な演目は脱出マジックだった—- ミステリの面で魔術師としての活躍がなく、魔術師ものでは読んだもののなかでいちばんつまらなかった。 文庫本で167ページの作品 物語に意外性もなく、謎解きの説明が不十分で納得がいかない点が多すぎる。最後のエピローグでももっと納得のいく丁寧な説明が欲しかった。 2009年3月30日扶桑社ミステリーよ…

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弔いのイコン/ゲイリー・ヴァン・ハース/ランダムハウス講談社(2009.4.10発行)

主人公は元聖職者で画家で画廊の経営者でもあるガース・ハンセン 物語は主人公がフェンシング・サロンで500ドルを賭け、フェンシングの試合をするところから始まる。 ギリシャ・ミコノス島を舞台に繰り広げられる冒険ミステリ ギリシャに行ってみたくなりましたが、ミステリとしては動機も謎解きも不満足です。動機などたった一文で説明しているものさえあります。 あまりに多くの事件を起こし、消化不良を起こしています。…

殺人倶楽部へようこそ

殺人倶楽部へようこそ/マーシー・ウォルシュ&マイクル・マローン/文春文庫(2009.3.10発行)

29歳のニュージャージー州グロリア市刑事課の女性巡査部長のジェイミー・フェッラーラが主人公 2作続けて面白くないミステリだったらどうしようと思いながら、途中で何度かやめようかと思いました。 高校時代の友人たちをめぐるこのような設定はどこかで読んだような。  最後まで読みましたが、ミステリとしては緻密さに欠け、動機説明もいまいちで納得がいくものではないし、お勧めできるものではありません。 もう少し丁…

ドッグタウン(女性弁護士ホイットニー・シリーズ)

ドッグタウン(女性弁護士ホイットニー・シリーズ)/メルセデス・ランバート/ハヤカワミステリ文庫(2008.10.25発行)

物語は家賃を2ヶ月も滞納している26歳・貧窮の開業女性弁護士ホイットニー・ブルネットの事務所に一人の女性依頼人がやってきたところから始まる。 その女性モニカ・フルブライトの依頼は、帰郷したまま行方がわからなくなったメイドを探し出して欲しいというものだった— ミステリよりも一人の女性の心の葛藤を中心にした小説 主人公の引き受けた仕事は弁護士のではなく、まるで私立探偵 法廷小説では全くありません。…

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前線 捜査官ガラーノ/パトリシア・コーンウェル/講談社文庫(2008.12.12発行)

マサチューセッツ州警察捜査官ガラーノ シリーズ第2作 前作と同様にタイムズ紙に連載小説として書かれたもの パトリシア・コーンウェルの作品と思わなければ、軽く読める作品かも。 それにしても余りにも内容のないミステリ 余りにも都合の良い解決 作者が何を伝えたいのか全く分からない。  読者の皆さんお願いだからこんな作品を2009年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)に入れないでくださいね。 20…

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幸運の指輪は時を超えて/チェリー・アデア/ランダムハウス講談社(2008.6.10発行)

T-FLAC エッジ家の呪い? 3部作の第1弾(?) ヒロインはノーベル賞を受賞した天才科学者イーデル・カーセル 人口知能ロボットを作り出したことから—– ヒーローは、テレポート(瞬間移動)の力を持ち、透明になったり、動物に変身できる能力を持つ超能力者のガブリエル・エッジ 注目度ナンバーワンのロマンス作家が送る空想科学ロマンス小説 ロマンスに最重点が置かれています。 電車の中では読めない内容…

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甘い薬害(上)(下)/ジョン・グリシャム/アカデミー出版(2008.2.20発行)

アメリカの集団訴訟(クラスアクション)にまつわる問題点を取り上げたかったのでしょうか。何を言いたいのか全く分かりません。ミステリにもラブストーリーにもなっていません。 ジョン・グリシャムの作品を初めて読んだときの感動は全くありません。 一気に読ませてしまう面白さは相変わらずですが、金儲け第一主義のアメリカ法曹界を批判するための本だったのでしょうか。 本の表紙に”驚愕のストーリー”とありますが、いっ…