海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 評価 」 一覧

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標的のミシェル/ジュリー・ガーウッド/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)

読み始めたら止められない面白さ。明け方まで読んで寝不足になってしまいました。 出てくる登場人物をみんな応援したくなってしまうからですね。 舞台はアメリカ南部ジャズで有名なニューオリンズ ヒロインは腕の立つ外科医のミシェル・レナード ヒーローは司法省お抱えのエリート検事テオ・ブキャナン 作家は「小さいころから想像力をふくらませてお話を作るのが大好きだった」そうです。 2003年6月20日ヴィレッジブ…

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アルアル島の大事件/クリストファー・ムーア/創元推理文庫

闘うベストテン2006(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 この作品は本当に痛快でハチャメチャに愉快なミステリです。 舞台は1990年代の太平洋ミクロネシアのはずれ・シャーク族の住むアルアル島(こんなのあるわけないけどね) 2006年3月17日創元推理文庫より発行 …

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隣りのマフィア/トニーノ・ブナキスタ/文春文庫(2006.1.10発行)

闘うベストテン2006(ミステリチャンネル)海外ミステリ第4位 フランス・ノルマンディー地方の小さな町に引っ越してきた17歳の女の子と14歳の男の子を連れたアメリカ人4人家族 どんな波乱をこの小さな町に引き起こすのか。それは読んでからのお楽しみ。 本の裏にあるあらすじ概略は決して読まないでお楽しみ下さい。ここに書いてあることがおきるのは、343ページある本書の270ページを過ぎてからなのですから。…

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天使は容赦なく殺す/グレッグ・ルッカ/文藝春秋(2007.8.10発行)

主人公はイギリスの秘密情報局(女性)主席特務官のタラ・チェイス イギリス・アメリカ・イスラエルを巻き込んだスパイアクション小説 240ページ以降の後半の展開は見事で、引き込まれていきますが、前半は無駄な部分が多い気がします。 2007年8月10日文藝春秋より発行 …

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魔性の女がほほえむとき/ジュリー・ガーウッド/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)

ヒロインはFBIにアナリストとして(タイピストと本文中にあり(?))勤めるエイヴリー・ディレイニー ヒーローは元海兵隊のジョン・ポール・レナード 叔母の誘いで超高級スパリゾートにいくことになったエイヴリーを待ち受けていたのは うまい作品というしかない。あっという間に引き込まれます。 2004年12月20日ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)より発行 …

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ザ・ハント/アリスン・ブレナン/集英社文庫(2007.10.19発行)

女性を監禁・レイプし、最後は時間を与えて逃がし、獲物を狩るように殺害する連続殺人犯 12年前唯一連続殺人犯から逃れたミランダ・ムーアが主人公 FBIアカデミーの卒業直前になぜ彼女がアカデミーから去っていったかも明らかにされます。 FBIアカデミーの同期でルームメイトだった3人をそれぞれを綴った3部作の第2部です 本書は2007年10月19日集英社文庫より発行 …

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殺人者は夢を見るか(上)(下)/ジェド・ルーベンフェルド/講談社文庫(2007.10.16発行)

舞台は1909年摩天楼建築ブームにわくニューヨーク 精神分析の講演を行うためジークムント・フロイトが汽船で到着したところから物語が始まります。 読み始めたら止められない面白さ。是非お読み下さい。精神分析の勉強にもなる(?) 作家のジェド・ルーベンフェルドはなんとイェール大学のロースクールの現役の教授 第2作を書き始めているそうです。 原題は『The Interpretation of Murder…

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捜査官ガラーノ/パトリシア・コーンウェル/講談社文庫(2007.8.10発行)

パトリシア・コーンウェルの「検屍官ケイ・スカーペッタ」のシリ-ズではなく全く新しい作品 最初に本の薄さが気になりましたが、直感が当たり、本の外見だけでなく内容ももう少し膨らませて欲しかった。あっという間に終わってしまったという印象だけが残った。 マサチューセッツ州警察捜査官ガラーノ 彼を助ける女性捜査官サイクス タロット占いのガラーノの祖母 と印象に残る登場人物たちがいるので、次回があるとすればそ…

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ミラー・アイズ/アリソン・ゲイリン/講談社文庫

  2007/10/29    評価: ☆☆☆

物語の舞台はニューヨークシティのブロードウェイ  主人公は午前中は保育園の先生、午後はオフブロードウェイのシアターの切符売りのサマンサ・リーファー 192ページまでとそれ以降では、主人公が午前と午後で職業を変えるように全く違う作品のようです。192ページ以降はすばらしい展開に一気に読んでいけます。 前半は要約すれば10ページほどでいいのではないでしょうか。後半急展開していくミステリと最後まで関係の…

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わが手に雨を/グレッグ ルッカ /文藝春秋(2004.9.30発行)

  2007/10/28    評価: ☆☆☆☆

ロックバンドのメンバーをはずされて故郷に帰ってきたギタリスト ミラ・ブラック が主人公 故郷に帰るなりトラブルに巻き込まれる。 家族のために警察を頼らず一人で事件に立ち向かっていくヒロインの姿にあなたはどう共感しますか プロのボディーガード アティ カス・コディアックを主人公にしたシリーズは番外編も含め5長篇 本書は第7長篇で、初の単発作品である 2004年9月30日文藝春秋より発行 …

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嘘でもいいから/ジェニファー・クルージー/集英社文庫(2007.9.25発行)

書き出しが「八月のある木曜日の午後、マディ・ファイデー(主人公)は夫のキャデラックのフロントシートの下から黒いレースのパンティを発見した。」ではじまるロマンス・ミステリー 主人公たちに会いたくて本をいつも手元の置いておきたくなる 読み終わってしまったのがとても残念です    本の裏にある紹介文(?)は決して読んではいけません。面白さが半減してしまいます。 集英社文庫さん、ここはもう少し工夫が必要で…

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ザ・プレイ/アリスン・ブレナン/集英社文庫(2007.9.20発行)

訳者あとがきの中で「読ませる新人、アリスン・ブレナン」と紹介しています。すごい作家がでてきたものです。 主人公はもとFBI捜査官でミステリ作家 自分が書いた小説に登場する殺人を細部まで見事に模した事件が連続して起きた いったい誰が何のために— 設定のすざましさ ミステリとたっぷりのロマンス 瞬く間にベストセラーになったのは納得ができます。 ただミステリとしては疑問が多い作品です FBIアカデミ…

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霧に濡れた死者たち/ロビン・バーセル/ヴィレッジブックス

カルフォルニアの現役警官時代に発表した本書は、バリー賞最優秀ペイパーバック賞を受賞 アンソニー賞にもノミネートされました サンフランシスコ市警初の女性の殺人課刑事ケイト・ギレスビーが主人公 誰もが怪しいなかで、パートナーのスコラーリを信じて孤軍奮闘する女性刑事ケイト・ギレスビー 既に第4作まで発表されており、日本でも続けて翻訳されるのが楽しみです。 2007年3月20日ヴィレッジブックス(ソニーマ…

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雨に抱かれた天使/ジュリー・ガーウッド/ヴィレッジブックス

ロマンチックなサスペンスの傑作 主人公は一流ホテルチェーンの経営者一族のチャリティ財団の理事を務めるというとっても恵まれたリーガン・ハミルトン 幼稚園時代からの親友二人が話に色を添えます。 著者はアメリカのベストセラーリストの常連 読んでいておもわずにやにやしてしまったり、ほほえましい二人のやり取りが 犯人との対比に印象付けられます。 表現のすばらしさに、翻訳者さんに脱帽です。 2007年4月20…

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死の開幕/ジェフリー・ディーヴァー/講談社文庫(2006.12.15)

  2007/10/17    評価: ☆☆☆☆

解説に「ジェフリー・ディーヴァーの初期の作品が出るという話を担当の編集者から聞いたとき、それがルーンものだと知ったとき、私は長い間音信不通だった友人の消息を偶然耳にしたときのような切迫した思いにかられてしまった」とあります。 ジェフリー・ディーヴァーがお届けするルーン(今回はドキュメンタリー制作会社のアシスタント)シリーズの第2作  第1作『汚れた街のシンデレラ』 第3作 『Hard News』で…