海外ミステリの本棚

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シャンハイ・ムーン/シャンハイ・ムーン/S・J・ローザン/創元推理文庫(2011.9.30発行)

      2015/12/19


私立探偵リディア・チン&ビル・スミスシリーズの第9作

前作「冬そして夜」から3年の歳月を経てやっと翻訳されました。

このような出版をすると、本は確実に売れなくなると思います。

ミステリが好きで、このシリーズが大好きな私も出版には気づかず、半年たってから偶然に気がついたくらいですから。

次作の出版のチョックをするのは、1年間ぐらいが限界ですから。

いろいろな事情があるのは分かりますが(本シリーズの場合作者自身が8年間休んでいる)、各出版者殿、このことをいつも念頭に置いて下さい。お願いします。

今回リディア・チンは、探偵仲間のジョエルから「中国人社会で内密に動いてくれる人が必要」なので、宝石探しの仕事を手伝ってくれないかとの依頼を受けた—
本作は、探偵ものと言うより”ナチスドイツによるユダヤ人迫害により、ユダヤの人々がどう生きたのか。ユダヤ人に限らず迫害された人々がどんな人生を生きたか”に焦点があります。

私立探偵が解き明かすアンネの日記のような人生。そこに語られる人生に、言葉がありません。

<リディア・チン&ビル・スミスシリーズ>
①『チャイナタウン(1994)』(1997.11.28)
②『ピアノ・ソナタ(1995) 』(1998.12.25) ☆1996年シェイマス賞最優秀長編賞受賞
③『新生の街(1996)』 (2000.4.21)
④『どこよりも冷たいところ(1997)』 (2002.6.28) ☆1998年アンソニー賞最優秀長篇賞受賞
⑤『苦い祝宴(1999)』 (2004.1.30)
⑥『春を待つ谷間で(2003)』 (2005.8.31)
⑦『天を映す早瀬(2001)』(2006.11.24)
⑧『冬そして夜(2002)』(2008.6)☆2003年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞受賞
⑨『シャンハイ・ムーン(2010)』(2011.9)
⑩『この声が届く先(2010)』(2012.6)

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