ファイアーウォール(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2011.9.21発行)
スウェーデンの港町イースタのクルト・ヴァランダー警部シリーズ第8作
タクシー運転手に瀕死の重傷を負わせ、売上金を奪ったのはそのことを全く反省していない14歳と9歳の少女だった。
逮捕された19歳の少女は,警察の不手際から脱走してしまった- – –
この作品が書かれたのが1998年とは!!!
作者の先見の明にただただ脱帽します。
コンピューター管理社会への警鐘と世界銀行の政策への痛烈な批判の作品です。
この面白さを体験してください。是非ともシリーズ第1作からお読みください。
人間味あふれるクルト・ヴァランダー警部が個性ある部下たちと事件に取り組んでいきます。
競馬好きのハンソン・コンピューターに強いマーティソン・二人の幼子を抱えながらがんばるアンー=ブット・フーグルンド・いつも不平を言い退職を夢見る有能な鑑識課のスヴェン・ニーベリ
テレビ(スウェーデン及びイギリスでテレビドラマ化(刑事ヴァランダー))は見ないでください。主人公クルト・ヴァランダー警部の心の葛藤や”かん”が作品の中心なのだから。
映像には全く適さないシリーズだと思います。
この点は「ミレニアム」とは全く異なります。こちらは映像でもとても楽しめます。
2012年9月17日創元推理文庫より発行 原題は「Brandvagg (1998)」
<クルト・ヴァランダー警部シリーズ>
第1作「殺人者の顔」 Mordare utan ansikte (1991)
第2作「リガの犬たち」 Hundarna i Riga (1992)
第3作「白い雌ライオン」 Den vita lejoninnan (1993)
第4作「笑う男」 Mannen som log (1994)
第5作「目くらましの道」 Villospar (1995)
☆2001年英国推理作家協会賞(CWA賞)最優秀長編賞受賞作品
第6作「五番目の女」 Den femte kvinnan (1996)
第7作「背後の足音」 Steget efter (1997)
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スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ, 男性刑事(捜査官)もの, 評価: ☆☆☆☆☆