暴力の教義/ボストン・テラン/新潮文庫(2012.9.1発行)
物語の舞台は、1910年(明治43年)のテキサス・30年以上続いた独裁政権を打ち倒そうと革命が起ころうとしているメキシコ
殺人者ローボーンの生い立ちの紹介から物語は始まる。
「母親は娼婦、父親は母親のベッドを知っているだけの名のない男だった。金にからんだ諍いで母親がナイフで刺し殺されたとき、彼はまだ9歳だった。」
父と子の果てしない憎しみと愛の物語。
2012年9月1日新潮文庫より発行 原題は「THE CREED OF VIOLENCE」(2009)
<作品紹介>
1 God is a Bullet (1999)『神は銃弾 』
☆2000年英国推理作家協会最優秀処女長篇賞受賞作品
☆このミステリーがすごい!2001年度版(2002年)宝島社第1位
☆2001年週間文春ミステリーベストテン第7位
2 Never Count Out the Dead (2001)『死者を侮るなかれ 』
3 The Prince of Deadly Weapons (2002)『凶器の貴公子 』
4 Trois Femmes(2006)『音もなく少女は 』
☆このミステリーがすごい!2011年版(2010年)ベスト20宝島社第2位
☆2010年週刊文春ミステリベスト10(海外)第5位
☆2010年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫) 第5位
☆ミステリが読みたい2011年版(早川書房)第7位
5 Giv – The Story of a Dog and America
6 本書The Creed of Violence (2009)『暴力の教義 』
7 Gardens of Grief
8 The World Eve Left Us
<作家紹介>
ニューヨークのサウス・ブロンクス生れ。イタリア系の覆面作家
関連
-
ノワールもの , 男性刑事(捜査官)もの , 評価: ☆☆☆☆☆
関連記事
読み始めたら止めることのできないおもしろさ。ミステリベストテンに自分なら入れるかも。 訳者あとがきにも、本書に対する賛辞の一つとして「最高のサスペンス。先が早く読みたくてたまらなくなる」(ピープル)と紹介があります。 主人公はマサチューセッツ州警察特殊戦略部隊のスナイパー ボビー・ダッシュ 男が妻と幼い息子に銃を突きつけて立てこもっている現場に急行したボビーは、自らの判断で男を射殺する。その後にボ…
☆本格ミステリ・ベスト10海外2011探偵小説研究会(原書房)(2010年) 第10位 1938年に刊行されたクロフツ22作目の長編推理小説 343ページの作品で、主人公のフレンチ警部が登場するのはなんと225ページになってからです。 登場するやいなや事件を解決してしまいました。 昨年創刊50周年を迎えた創元推理文庫が紹介に力を注いだ作家の一人。 この本の翻訳ですべての長編作品がそろいました。 2…
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第3弾 深夜、丘陵地帯をゆっくり車で走り帰宅しようとするデッカーに一瞬の光が目にとまった。 捜索をやめるなと告げる内なる声に導かれたデッカーを待っていたのは、二歳にも満たない幼児だった—- 愛と友情の物語は深く深く読む人をひきつける。 今回は両親からの捜索願が出ないのに大事にされていたことがわかる幼児の事件・デッカーの戦友エイベルが売…
ずっと待っていました。やっとでました待望のワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ第4作(邦訳では第3弾) いろいろの書評では余り評価が高くありませんが、家族を何より大事にし、真っ直ぐな心だけを持って事件の解決に突き進むジョー・ピケットをあなたも応援してみませんか。 出来れば第1作からお読みください。第1作「沈黙の森]第3作「凍れる森」 原題は「TROPHY HUNT」 アメリカでは8作…
☆1997年「ガラスの鍵」賞(Glass Key Award)受賞作品 主人公は …
スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ第5作(長篇) 読み終わってしまったのが、残念でなりません。また、最初から読み直そうかな。 久しぶりに迫力のある警察捜査小説にまた出会うことができました。捜査もののミステリが好きな人には絶対にお薦めの作品です。 マイクル・コナリーの刑事ハリー・ボッシュ シリーズと肩を並べる心に残る警察小説 こちらには無能でいやな上司は出てこないし、み…
このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第6位 2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第8位 放射線治療をまじかにひかえた刑事ステファン・リンドマンが主人公 54年間眠れぬ夜を過ごしてきたへレベルト・モリーン パズルと人形と踊るタンゴがいまの彼の全てだった。その彼をとうとう敵が。 かつての同僚で彼に先輩としていろいろ教えてくれたへレベルト・モリーンが隠遁生…
南アフリカの1958年生まれのミステリ作家の作品 作家の堂場瞬一さんが本年度の第 …
2004年アンソニー賞・バリー賞・ガムシュー賞・ミネソタ文学賞最優秀新人長編賞を連続受賞 ウィスコンシンの田舎町の教会で老夫妻が殺された。隣の州のミネアポリスでは、パソコンのゲームを正確に模した殺人事件が次々と起こる。この2つの事件は—– この本が日本でミステリのベストテンものにランクインしなかったのは何故なのでしょうか。読み終わってしまうのが、心から残念になってしまうミステリでした。絶対に…
カルフォルニアの現役警官時代に発表した本書は、バリー賞最優秀ペイパーバック賞を受賞 アンソニー賞にもノミネートされました サンフランシスコ市警初の女性の殺人課刑事ケイト・ギレスビーが主人公 誰もが怪しいなかで、パートナーのスコラーリを信じて孤軍奮闘する女性刑事ケイト・ギレスビー 既に第4作まで発表されており、日本でも続けて翻訳されるのが楽しみです。 2007年3月20日ヴィレッジブックス(ソニーマ…