海外ミステリの本棚

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悪女は自殺しない/ネレ・ノイハウス/創元推理文庫(2015.6.12発行)

      2015/11/18


刑事オリヴァー&ピア・シリーズの第1作

既にシリーズ第3作の『深い疵』と第4作『白雪姫には死んでもらう』が翻訳されており、日本のミステリ界で高い評価を受けています。

あとからシリーズの第1作を邦訳することは海外ミステリの世界ではよくあることですが、この2作と比較してしまうと、読んだときの衝撃は少なかったと思います。

しかし登場人物たちは丁寧に描かれており、優れた警察もののドイツミステリです。

主人公の二人が初めてコンビを組んで取り組んだ事件。このためこの二人のことがよくわかる構成をとっています。

オリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン主席警部(フランクフルトからホームハイム刑事警察に捜査第11課課長として異動)は、城を所有しているような貴族出身。

映画製作会社を営み、全世界を駆け回っている妻コージマと3人の子供がいる。
一方、38歳のピア・キルヒホフ警部は、夫の法医学者ヘニングと別居し、7年間の休職から復帰してホームハイム刑事警察捜査第11課に配属された。

この二人が事件の究明に挑んでいきます。

ぶどう畑の丘で男性の遺体が発見され、なくなったことを遺族に伝えているさなかに、またもや遺体発見の一報が入り二人はその現場へ向かいます—

シリーズは既に第7作まで進んでいます。第2作と第5作以降の一日も早い邦訳をお願いいたします。
2015年6月12日創元推理文庫より発行
<作者紹介:ネレ・ノイハウス>
シリーズ第1作の本書はなんと自費出版。自分のソーセージ店で作品を販売。
これが地元で評判となり、出版されることに。

今や「ドイツミステリの女王」とまで呼ばれるようになった。
子供の読み書き力の向上や障害を持って生まれた子どものための乗馬教室や盲導犬の育成を目指すネレ・ノイハウス財団を設立
その生き方に翻訳者も脱帽とのこと。

 - 女性刑事(捜査官)もの, 男性刑事(捜査官)もの, 評価: ☆☆☆