海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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深海のYrr(イール)(上)(中)(下)/フランク・シェッツィング/ハヤカワ文庫(2008.4.25発行)

   

読み終えてしまうのがもったいなくて、下巻に入ってからは少しずつ大切に読んでいきました。あー、でもついに読み終わってしまいました。
そんなミステリです。是非お読み下さい!!!ドイツ語版ハードカバーでは1000ページ重さ1.1Kにもなった長編ですが、長さは感じません。
取材に4年を費やした本書(2004年発表)はドイツ国内だけで200万部を超すベストセラー
ノルウェーの海底で蠢く大量のゴカイ
カナダの海では鯨やオルカ(シャチ)が船を襲う事件が
世界各地の海では毒のくらげの大量発生で相次ぐ死亡事故が
母なる美しい海にいったい何が起きているのか—
2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第3位
ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ2008(早川書房)第5位
2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位
このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第11位



人類は海に何をしてきたのでしょうか。
海が大好きな私はただただ呆然とするのみ。
映画「ザディアフタートゥモロー」が現実味を帯びてきた昨今の異常気象を考えると、本書が人類への鋭い警鐘の書となることを期待します。
本書の中からこの言葉を贈ります「人類は、貧しい惑星を子孫に残せば、子孫がどうなるか考えたことがあるのだろうか。」
2008年4月25日ハヤカワ文庫より発行
この2?3年ヨーロッパのミステリが非常に面白い作品を日本に提供してくれています。
特にドイツのミステリでは セバスチャン・フイツェックの『ラジオキラー』そしてこの作品
ドイツのミステリはこれからどんな驚きを私達に与えてくれるのでしょうか。

 - 2008年, 2008年文庫, 2009年版 (2008年), 2009年版(早川書房), 評価: ☆☆☆☆☆