海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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ベツレヘムの密告者/マット・ベイノン・リース/ランダムハウス講談社(2009.6.10発行)

   

☆2008年英国推理作家協会(Crime Writers’ Association )最優秀処女長篇賞(The CWA John Creasey Dagger )受賞作品
舞台はパレスチナ 主人公は56歳のデハイシャ難民キャンプの歴史教師オマー・ユセフ・シルハン
教え子で誇りに思っていたジョージ・サバと夕食を共にするところから物語は始まる。
筆者はインタビューで「パレスチナ側を犠牲者として描きながら、パレスチナのなかにも良い人間もいれば、悪い人間もいるーそれを描くことこそがリアルであり、自分の伝えたいことだ」と語っています。
既に第3作まで刊行され、第4作も出版されることが発表されています。
読み終わったとき、パレスチナに平和が訪れることを心から祈りました。
2009年6月10日ランダムハウス講談社より発行

著者紹介:1967年南ウェールズ生まれ 2000年から2006年までタイム誌のエルサレム支局長
本書でノンフィクションに初挑戦
英国推理作家協会のホームページでは、本書は「The Bethlehem Murders」筆者はMatt Reesとなっています。
ランダムハウス講談社では原題は「The Collaboretor of Bethlehem 」筆者はMatt Beynon Rees
改題されたのでしょうか。
本文から抜粋「事件解決とは、悪事を働いた人間と今後再び悪事を働こうとする人間から未来を守ることなのだ。」

 - 男性私立探偵もの, 評価: ☆☆☆☆☆