海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 ミステリが読みたい! (早川書房) 」 一覧

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グラーグ57(上)(下)/トム・ロブ スミス/新潮文庫(2009.9.1発行)

衝撃の作品『チャイルド44』から1年 待望の続編が発行されました。 『チャイルド44』は、 ☆このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第1位 ☆2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 ☆2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第2位 ☆闘うベストテン2008(ミステリチャンネル)海外ミステリ第3位 ☆ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステ…

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死神を葬れ/ジョシュ・バゼル/新潮文庫(2009.8.1発行)

あのマイクル・コナリーも「この作品で私を吹き飛ばした」と絶賛したそうな。 物語は研修医のピーター・ブラウンが出勤途中にうなじに銃を押し付けられ、「騒ぐなよ、先生」と強盗に遭うところから始まる。 後はノンストップのノワールもの。 アメリカで医療にかかるのがとても怖くなります。何しろ現役の研修医さんが書いているのですから。 アメリカの書評には本書を「ベント・ノワ?ル」という分類にしているものもあるそう…

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静かなる天使の叫び(上)(下)/R・J・エロリー/集英社文庫(2009.6.30発行)

フランスの新しいミステリ賞ヌーヴェル・オプス=ビブリオプス・ロマン・ノワール賞受賞作品 2008年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀英国ミステリ賞(BEST BRITISH CRIME NOVEL)ノミネート作品 解説では「イギリスの作家が、アメリカを舞台に書いた小説で、フランスの文学賞を受賞」と作品を紹介しています。 物語の舞台は第二次世界大戦前のアメリカ南部。11歳の少女が惨殺…

ミレニアム3

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上)(下)/スティーグ・ラーソン/早川書房(2009.7.15発行)

読み終わってしまったのが本当に残念で、また本の最初の1ページを開こうとしてしまうミステリ まさに驚愕のミステリ 全世界で800万部を突破した『ミレニアム』三部作の第3作 このシリーズの面白さを読んでいない人にどう伝えたらよいのでしょうか。 ずっとはらはらし通しだった!!! 早く早く気づいて!危険が迫っている!! 食事を摂るのも忘れて一気に読んだ人がいる。 先の展開が全く読めない!! 全く何というミ…

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リンカーン弁護士(上)(下)/マイクル・コナリー/講談社文庫(2009.6.12発行)

2006年国際ミステリー愛好家クラブ(Mystery Readers International)マカヴィティ賞最優秀長編賞(BEST NOVEL)受賞作品 2006年アメリカ私立探偵作家クラブ(The Private Eye Writers of America = PWA)シェイマス賞最優秀長編賞(BEST NOVEL)受賞作品 2006年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀長篇賞(BEST…

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ユダヤ警官同盟(上)(下)/マイケル・シェイボン/新潮文庫(2009.5.1発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA AWARDS)最優秀長編賞ノミネート作品 2008年ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のSFの主要3賞を受賞 “トリプル・クラウン”を制した作品 仮の世界での優れた警察官ミステリ 直感に頼って突っ走るシトカ特別区警察殺人課刑事マイヤー・ランツマン 相棒のベルコ・シェメッツ 上司で元妻のビーナ・ゲルプフィッシュ 個性的で忘れがたい脇役が物語を盛り上げます…

ミレニアム2 火と戯れる女

ミレニアム2 火と戯れる女(上)(下)/スティーグ・ラーソン/早川書房(2009.4.15発行)

前作から5ヶ月で本書が出ました。早川書房さんそして翻訳者の方、ありがとうございます。第3作もなるべく早く世に出してください(2009.7.10刊行予定 早川書房ホームページより)。 読み終えてしまうのがもったいなくて、なかなか本を開けることができない。そんなミステリのひとつです。 このミステリは本当に丁寧に書かれており、一つ一つの謎をきちんと解き明かしてくれます。是非第1部からお読み下さい。 あま…

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ダブリンで死んだ娘/ベンジャミン・ブラック/ランダムハウス講談社(2009.4.10発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1950年代のアイルランドのダブリン 主人公は病理科医長・検死官も務めているクワーク 主人公が検死官でも検死官が科学的知識・考察により事件を解決するいわゆる検死官ものとは違います。 真実を正義を求めて、ぶきっちょなまでにまっすぐに突き進む主人公 こういう作品をアメリカ探偵作家クラブは好んでいますね。 「ブッカー賞作家が…

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コンラッド・ハーストの正体/ケヴィン・ウィグノール/新潮文庫(2009.2.1発行)

愛する人への手紙「十年前に、こんなふうにきみに手紙を書けばよかった。」という書き出しで始まるプロの殺し屋が主人公のラブストリー 一気に読んでしまいました。愛の深さに読み終わってからも涙が出てきました。 amazonのレビューの方々はこれをスパイ小説ととらえ、殺人を重ねてしまう理由に納得されていませんが、究極のラブストリーなのが作者の意図だと思うのですが。 そう考えてもう一度読み返してみてください。…

ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ 2008

ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ 2008(早川書房)

このベストテンものは、まだ発足2年目というのになのにいくらなんでも自社のものを多く入れすぎ(2年連続で入れてる競馬シリーズなんて考えられない) ベスト10の中に自社のものを6作品も選んでしまうから、他のベストテンものより信頼できない(ベスト20にすると11作が自社のもの) 一般読者の投票※(読者投票はベストの3冊を投票するシステム)を取り入れ、2007年10月1日?2008年9月30日発行のミス…

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フロスト気質(かたぎ)(上)(下)/R・D・ウィングフィールド/創元推理文庫(2008.7.31発行)

イギリスのデントン警察署犯罪捜査部警部ジャック・フロストを主人公とする警察小説シリーズ第4作 ※なお、デントン市はロンドン郊外の架空の都市です。 ☆2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第1位 ☆2008年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第1位 ☆このミステリーがすごい!2009年版(2008年)ベスト20宝島社第2位 ☆ミステリが読みたい2009年版 ベスト・ミステリ2008…

川は静かに流れ

川は静かに流れ/ジョン・ハート/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.2.15発行)

2008年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞(エドガー賞とも呼ばれる)最優秀長編賞受賞作品 全米ベストセラーを記録  物語は主人公が5年ぶりに故郷に帰ってきたところから始まります。 どこかで読んだことがあると思ったのは第1作の『キングの死』を読んだからでしょうか。 友情と愛と 故郷への強い思いと 親子の愛情と葛藤と 前作と共通のテーマに真っ向から取組んでいます とても読みやすいし、夢中になって読ん…

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ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー/早川書房(2008.3.10発行)

ミステリが読みたい2008年版 ベスト・ミステリ2007(早川書房)第1位 2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 1955年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作品 主人公は私立探偵フィリップ・マーロウ 主人公がロールズロイロイスの車中で酔いつぶれているテリー・レノックスと出会ったところから物語が始まる。 私立探偵ものが好きな人に送る古典的ハードボイルド(hardboi…

ミレニアム1

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上)(下)/スティーグ・ラーソン/早川書房(2008.12.15発行)

2006年スカンジナヴィア推理作家協会「ガラスの鍵(Glasnyckeln)」賞※受賞作品 一つ一つの謎を丁寧に誰にも分かりやすく解いて、読む人をどんどんひきつけていく。 これがミステリのベストセラーになる本の共通点だと思います。 物語は、誕生日に40年にわたって必ず届く額入りの押し花が、今年もまた82歳になる老人に届いたところから始まります。 全世界で800万部を突破した『ミレニアム』三部作の第…

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20世紀の幽霊たち/ジョー・ヒル/小学館文庫(2008.9.10発行)

読んでいくうちに、どんどんはまっていく不思議な短編集 面白いと思ったものもあったけれど、ミステリベストテンたちの評価ほどの感銘は受けなかった。 自分の感覚とはあわないのかも知れないけれど、全部読んでしまったところがちょっとミステリかな。 ☆闘うベストテン2008(ミステリチャンネル)海外ミステリ第2位 ☆2008年週刊文春ミステリベスト10(海外)第4位 ☆このミステリーがすごい!2009年版(2…