海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 ミステリが読みたい! (早川書房) 」 一覧

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目くらましの道(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2007.2.16発行)

スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ第5作(長篇)  読み終わってしまったのが、残念でなりません。また、最初から読み直そうかな。 久しぶりに迫力のある警察捜査小説にまた出会うことができました。捜査もののミステリが好きな人には絶対にお薦めの作品です。 マイクル・コナリーの刑事ハリー・ボッシュ シリーズと肩を並べる心に残る警察小説 こちらには無能でいやな上司は出てこないし、み…

ずっとお城で暮らしてる

ずっとお城で暮らしてる/シャーリイ・ジャクスン/創元推理文庫

ミステリが読みたい2008年版ベスト・ミステリ2007(早川書房)第16位 あたしは、メアリ・キャサリン・ブラックウッド 18歳 ほかの家族はみんな死んでしまった。この屋敷に姉のコンスタンスと暮らしている—– 恐怖ホラー(?)ミステリ 背筋が冷たくなる感覚を求める人はぜひお読みください。ホラーものが好きでない方にはあまりお薦めできません。 このミステリも1960年代の作品です。平成6年に学研…

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ジョン・ディクソン・カーを読んだ男/ウィリアム・ブリテン/論創海外ミステリ(2007.9.5発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007)第5位 ミステリーへの深い愛情と鮮やかな謎解き・あふれるユーモアで贈る「?を読んだ?」シリーズ全11篇外に3篇を加えた計14篇の短編集です。 電車の中で読むのに適したミステリファンにとって心から楽しめる短編集です。 ウィリアム・ブリテンはニューヨーク・ロチェスター生まれ 長い間教師の職に 64年にミステリ作家デビュー このミステリーがすごい…

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夜愁(上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2007.5.31発行)

これがあの『荊の城』と『半身』を描いたサラ・ウォーターズとは ミステリファンとしては軽いショックを受けました。ミステリとしては本当に期待はずれの作品 (小説として読めば面白い作品ですが) 4年ぶりの作品 第4作目の長編小説 日本の高村薫と同じようにある特定の作品だけの人だったのだろうか。サラ・ウォーターズはでもすばらしかったのに なのにベストテンものには4つランクイン よく分からない 特にこの作…

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双生児/クリストファー・プリースト/早川書房(2007.4.20発行)

2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第4位 歴史ノンフィクション作家のグラッドは第2次世界大戦中に活躍したある大尉の情報を求めていた。あまりに矛盾する内容があるからだった—- 舞台は第2次世界大戦中のイングランドとドイツ ナチスの副総統ルドルフ・ヘスに関する正確な歴史の知識が必要です。 面白かったのであっという間に読んでしまいましたが、正直なところ作者の意図を正確に理解できたのかよく分…

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ハリウッド警察25時/ジョゼフ・ウォンボー/ハヤカワ・ミステリ(2007.8.15発行)

2007週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 表題の通りハリウッド警察の警察官たちの24時間を追って、語られる警察官たちの物語。 著者のジョゼフ・ウォンボー(1937年ピッツバーク生まれ)は、1974年までロサンゼルス市警の警察官だった 彼の作品が日本で紹介されてからなんと11年ぶりの本書 良い作者のものが見直されているのはミステリファンにとっていいことですね。 警察官たちに対する愛情があふれ…

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病める狐(上)(下)/ミネット・ウォルターズ/創元推理文庫(2007.7.27発行)

ミステリが読みたい2008年版ベスト・ミステリ2007(早川書房)第5位 舞台は、イングランド南西部の寒村 原題は「FOX EVIL」 2003年英国推理作家協会(Crime Writers’ Association = CWA)ゴールド・ダガー(フィクション)/最優秀長篇賞(THE GOLD DAGGER)受賞作品 旧家の財産相続問題と流れ者(トラヴェラー)の一団による土地の不法占拠問題に周り…

治療島

治療島/セバスチャン・フィツェック/柏書房(2007.7.5発行)

ミステリが読みたい2008年版ベスト・ミステリ2007(早川書房)第16位 ミステリベストものに一つしかランクインしなかったのがとても不可解と思える面白さ これほど先を読みたくなってしまうミステリに久しぶりに会えました 2006年夏に出版されるや、ドイツ・アマゾンで何週間にわたってベストアエラーランキング第1位を守り続けたとのこと ドイツでは映画化も決定している ドイツのミステリ書評オンラインマガ…

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ

狂人の部屋 ツイスト博士シリーズ/ポール・アルテ/ハヤカワ・ミステリ(2007.6.15発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007年)第1位 犯罪学者アラン・ツイスト博士のシリーズ第4作(1990年の作品) 科学的な捜査によって犯人を追い詰める最近のミステリではなく、事件の謎を推理によって解いていく形の伝統的ミステリ 訳者あとがきで「現在のミステリが失ってしまった何か」がこのミステリにはあると書いています。 アラン・ツイスト博士の長編ものシリーズ『第4の扉』『死が招く』…

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大鴉の啼く冬/アン・クリーヴス/創元推理文庫(2007.7.27発行)

2007年原書房・早川書房・宝島社・文藝春秋4社すべての海外ミステリベストにランクインした唯一の作品 イギリス最北の地 シェトランドを舞台に春・夏・秋・冬それぞれの季節に合わせ<シェトランド四重奏>Shetland Island Quartet を奏でる予定の第1作目 (イギリスのベテラン女流推理作家アン・クリーヴスの日本での初紹介) 孤独な老人を訪れた黒髪の少女は、4日後の朝、真っ赤なマフラー…

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ウォッチメイカー/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2007.10.30発行)

2007週刊文春ミステリベスト10(海外)輝く第1位 リンカーンライムとアメリア・サックスの最新作 シリーズ第7弾  くー!!また、ジェフリー・ディーヴァーにやられちまった。とにかく面白い!! 読み終わるのがもったいなくなっちゃう。 このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>これも輝く第1位!!! こんな仲間に囲まれていたらどんなに幸せだろう。 原題は「THE …