海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 男性弁護士もの 」 一覧

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リンカーン弁護士(上)(下)/マイクル・コナリー/講談社文庫(2009.6.12発行)

2006年国際ミステリー愛好家クラブ(Mystery Readers International)マカヴィティ賞最優秀長編賞(BEST NOVEL)受賞作品 2006年アメリカ私立探偵作家クラブ(The Private Eye Writers of America = PWA)シェイマス賞最優秀長編賞(BEST NOVEL)受賞作品 2006年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀長篇賞(BEST…

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監禁/ジェフリー・ディーヴァー/ハヤカワ文庫(2000.9.15発行)

原題は(SPEAKING IN TONGUES※解説は神がかり、神の言葉を話すと訳しています) 物語は、息子の墓を掘り起こし遺体を担ぎ出す異様な男の猟奇的シーンからはじまる。一体何のために—- ジェフリー・ディーヴァーの第9作目(解説による)の作品 アメリカの書評誌での彼の作品への賛辞 Ticking Bomb Suspense (時限爆弾のようなスリリングなサスペンス)!! 何カ所か無理であ…

前世療法

前世療法/セバスチャン・フィツェック/柏書房(2008.6.5発行)

デビュー作の『治療島』で一躍超人気作家になったセバスチャン・フィツェックが放つ第3弾 刑事事件専門の弁護士ロベルト・シュテルンは重い脳腫瘍を患う10歳のジーモン・ザックスから自分は前世で殺人を犯したので弁護人になってほしいと言う奇妙な依頼を受ける—– ドイツの雑誌Foucusのオンライン版は「フィツェックの作品には依存性がある」と表しているそうですが、本当です。 読み始めたら止まりませんが、…

深海のアリバイ

深海のアリバイ-マイアミ弁護士ソロモン&ロード/ポール・ルバイン/講談社文庫(2008.6.13発行)

第1作を読んだ方がみんな待ち望んでいた留置所の中で出会った二人スティーブ・ソロモンとヴィクトリア・ロードのシリーズ第2作 なんと1年7ヶ月を経て発行されました。 言い回しや何やらで翻訳がたいへんだったのでしょう ヴィクトリア・ロードの父の共同経営者に会うことになっていた二人 事件に巻き込まれて、事務所の先行きも二人の恋の行方もなにやら雲行きが怪しくなっていきます—- 二人の父親や母親のこともい…

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甘い薬害(上)(下)/ジョン・グリシャム/アカデミー出版(2008.2.20発行)

アメリカの集団訴訟(クラスアクション)にまつわる問題点を取り上げたかったのでしょうか。何を言いたいのか全く分かりません。ミステリにもラブストーリーにもなっていません。 ジョン・グリシャムの作品を初めて読んだときの感動は全くありません。 一気に読ませてしまう面白さは相変わらずですが、金儲け第一主義のアメリカ法曹界を批判するための本だったのでしょうか。 本の表紙に”驚愕のストーリー”とありますが、いっ…

死は見る者の目に宿る

死は見る者の目に宿る/デイヴィット・エリス/ランダムハウス講談社(2008.2.1発行)

大学の講堂の地下で六人の女性の残虐な死体が発見され、歌の歌詞どおりのそれぞれ異なる方法で殺され並べられていた。 犯人は当日のうちに逮捕されたが、「最初の彼女は神からの贈り物」「最後の彼女はおれを救ってくれた」との言葉を残した—- 16年後同じ歌の2番の歌詞に従った連続殺人事件が起こる—- 場面や視点が変わる場面で何箇所か全く改頁等のメルクマールがなされておらず分かりにくい。特にたまたまペー…

キングの死

キングの死/ジョン・ハート/ハヤカワ文庫(2006.12.15発行)

2007年バリー賞最優秀処女長編賞ノミネート作品 2007年アンソニー賞最優秀処女長編賞(BEST FIRST NOVEL)ノミネート作品 2007年MWA賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀処女長編賞ノミネート作品 弁護士のジャクソン・ワークマン・ピケンズは、依頼人との接見に訪れた拘置所で父の死体がついに見つかったと告げられた——– 日本のミステリベストものには入っていませんが、あっと…

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敵意ある証人/ウィリアム・ラシュナー/扶桑社ミステリ(1999.4.30発行)

若き弁護士ヴィクター・カールは、大手法律事務所に就職を希望するも、ことごとく不採用となり、やむなく仲間たちと弁護士事務所を開業する。 そんなある日、彼にとって千載一遇とも言うべき仕事が舞い込んだのだが—– 出世欲ばかりあって、失敗ばかりのカールをパートナーの女性弁護士エリザベス・デリンジャーや私立探偵モーリス・カプスティーンたち脇役たちが支えていきます。 なぜか憎めないカールをずっと読んでい…

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子供の眼(上)(下)/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2004.2.1発行)

2000年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 法廷ミステリの傑作『罪の段階』の続編 「罪の段階」を先に読まないと、とてもわかりにくいと思います。2作で一つの作品と言っていいほどです。 本書については、法廷ミステリの真随意を楽しめるのは下巻に入ってからですが、面白かった!! 主人公は、弁護士クリストファー・バジェットとその部下の女性弁護士テリーザ・ペラルタそして前作のとき裁判官だったキャロラ…

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独善(上)(下)/ウィリアム・ラシュナー/講談社文庫(2008.2.15発行)

法廷ミステリファンにこの最新作を絶対の自信を持ってお勧めいたします。 弁護士ヴィクター・カールシリーズ第5作 既に第7作まで発表されています。 人を助けようとする気持ち・人に対する優しさを持っている弁護士ヴィクター・カールを心から応援しながら一気に読んでしまいました。 妻を殺害したとして終身刑の宣告を受けたフランス人シェフのフランソワ・デュベから再審請求の依頼が。この事件は少し調べただけで奇妙な点…

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罪の段階(上)(下)/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(1998.11.1発行)

1995年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 法廷ミステリの傑作 全ての法廷ミステリファンに絶対の自信を持ってお勧めいたします。 解説の中でも「傑作中の傑作である。ミステリーファンの読者は、いや小説好きのすべての読者は、この機会に是非手に取っていただきたい」と絶賛しています。 リチャード・ノース・パタースンの第5作 [ 原題Degree of Guilt (1992) ] 第1作の「ラスコ…

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ビーチハウス/ジェイムズ・パタースン/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2003.5.20発行)

帰郷した見習いの弁護士ジャックは,弟ピーターの死亡を聞き、愕然とする。海辺に打ち上げられた弟を 警察は事故死として扱う—- 読みかけの本を外国のホテルに置き忘れたため、半月もの中断をしてしまった本 続きを読みたくてたまらなかった本書にまた会えました。 無理な設定をしている箇所がちょっと気になりますが、痛快な法廷もの(?)ミステリです。 ぜひお読みください。 2003年5月20日ヴィレッジブック…

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無意識の証人/ジャンリーコ・カロフィーリオ/文春文庫(2005.12.10発行)

イタリアの現職のマフィア担当検事補が描く弁護士グイード・グエッリエーリが活躍する法廷サスペンスの第1作目 やや専門的な法廷サスペンスですが、一気に読み切ってしまいました。 アメリカの法廷サスペンスものと違い、派手などんでん返しがないため物足りない方もいるかも知れませんが、作家のカロフィーリオはこの処女作でイタリア国内の文学賞を5つ受賞しています。 第2作目『眼を閉じて』も既に発行されています。 2…

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眼を閉じて/ジャンリーコ・カロフィーリオ/文春文庫

イタリアの現職のマフィア担当検事補が描く弁護士グイード・グエッリエーリが活躍する法廷サスペンスの第2作目  第1作は『無意識の証人』 法廷サスペンスが大好きな人には絶対に見逃せない作品です。 イタリアの法制度が日本やアメリカとは大きく異なるので、戸惑うかもしれませんが、 弁護士の法廷でのやり取りの面白さに浸ってみてください …

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聖林ハリウッド殺人事件/D.W. バッファ/文春文庫(2006.11.10発行)

弁護士ジョーゼフ・アントネッリを主人公としたデビュー作『弁護』が高い評価を受け、シリーズ化の5作目です。第2作は『訴追』第3作は『審判』第4作は『遺産』 「宮部みゆき氏も大ファン、バッファのリーガル・ミステリ」と紹介されています。 リーガルサスペンスとして、主人公の活躍が十分ではなく、ちょっと残念な思いががしました。 何が真実なのか、最後まで読者にわかりにくかったように思います。 2006年11…