国王陛下の新人スパイ/スーザン・イーリア・マクニール/創元推理文庫(2015.3.13発行)
主人公は,アメリカ育ちのイギリス人でマサチューセッツ工科大学大学院に進学予定だったマギー・ホープのシリーズ第3作
本書はナチス・ドイツの「安楽死計画」暗号名「T4作戦」に焦点を当てたとても重いスパイものです。
ナチス・ドイツはその「優生思想」で、自国民の障害者や難病の患者約7万人を1939年から1941年8月までに、「生きるに値しない生命」として、抹殺しました。その考え方や方法がユダヤ人虐殺にそのままつながっていくのです。
自分とは違う考えや能力を持つ人に対し、人間はなぜ許容できず、どこまでも残酷になれるのでしょうか。
いじめもまたその一つなのですね。
その重い内容をマギー・ホープの活躍で少し軽くしてくれるのでしょうか。
第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピスト、エリザベス王女の警備を経て、女性スパイとしてはじめてベルリンに送り込まれることになった。任務はレジスタンスグループに無線機の部品を渡すこととナチス交換の自宅に盗聴器を仕掛けること—
必ず第1作からお読みください。
2015年3月13日創元推理文庫より発行 原題は「His Majesty’s Hope」
<マギー・ホープのシリーズ>
第1作『チャーチル閣下の秘書』
第2作『エリザベス王女の家庭教師』
第3作『国王陛下の新人スパイ』本書
第4作『スパイ学校の新任教官』
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