海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 リーガル(法律・法廷)サスペンスもの 」 一覧

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マジシャン殺人事件/ピーター・G・エンゲルマン/扶桑社ミステリー(2009.3.30発行)

舞台はイタリアのフィレンツェ 奇術師のグレイト・サブニーニの最も得意な演目は脱出マジックだった—- ミステリの面で魔術師としての活躍がなく、魔術師ものでは読んだもののなかでいちばんつまらなかった。 文庫本で167ページの作品 物語に意外性もなく、謎解きの説明が不十分で納得がいかない点が多すぎる。最後のエピローグでももっと納得のいく丁寧な説明が欲しかった。 2009年3月30日扶桑社ミステリーよ…

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敵意ある証人/ウィリアム・ラシュナー/扶桑社ミステリ(1999.4.30発行)

若き弁護士ヴィクター・カールは、大手法律事務所に就職を希望するも、ことごとく不採用となり、やむなく仲間たちと弁護士事務所を開業する。 そんなある日、彼にとって千載一遇とも言うべき仕事が舞い込んだのだが—– 出世欲ばかりあって、失敗ばかりのカールをパートナーの女性弁護士エリザベス・デリンジャーや私立探偵モーリス・カプスティーンたち脇役たちが支えていきます。 なぜか憎めないカールをずっと読んでい…

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最後の審判/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2005.6.1発行)

「罪の段階」「子供の眼」に続く法廷サスペンス3部作完結編 今回は大統領から合衆国控訴裁判所判事に指名を受けるまでの地位についた女性弁護士キャロライン・マスターズが主人公 彼女の生き方・生い立ち(23年前なぜ故郷を捨て家族と絶縁してしまったのか)が明らかにされます。彼女自身の物語と法廷ミステリとが展開していきます。 姪のブレット・アレンは、恋人のジェームズ・ケースをナイフで喉を掻き切って殺したという…

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子供の眼(上)(下)/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2004.2.1発行)

2000年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 法廷ミステリの傑作『罪の段階』の続編 「罪の段階」を先に読まないと、とてもわかりにくいと思います。2作で一つの作品と言っていいほどです。 本書については、法廷ミステリの真随意を楽しめるのは下巻に入ってからですが、面白かった!! 主人公は、弁護士クリストファー・バジェットとその部下の女性弁護士テリーザ・ペラルタそして前作のとき裁判官だったキャロラ…

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独善(上)(下)/ウィリアム・ラシュナー/講談社文庫(2008.2.15発行)

法廷ミステリファンにこの最新作を絶対の自信を持ってお勧めいたします。 弁護士ヴィクター・カールシリーズ第5作 既に第7作まで発表されています。 人を助けようとする気持ち・人に対する優しさを持っている弁護士ヴィクター・カールを心から応援しながら一気に読んでしまいました。 妻を殺害したとして終身刑の宣告を受けたフランス人シェフのフランソワ・デュベから再審請求の依頼が。この事件は少し調べただけで奇妙な点…

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罪の段階(上)(下)/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(1998.11.1発行)

1995年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 法廷ミステリの傑作 全ての法廷ミステリファンに絶対の自信を持ってお勧めいたします。 解説の中でも「傑作中の傑作である。ミステリーファンの読者は、いや小説好きのすべての読者は、この機会に是非手に取っていただきたい」と絶賛しています。 リチャード・ノース・パタースンの第5作 [ 原題Degree of Guilt (1992) ] 第1作の「ラスコ…

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ビーチハウス/ジェイムズ・パタースン/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2003.5.20発行)

帰郷した見習いの弁護士ジャックは,弟ピーターの死亡を聞き、愕然とする。海辺に打ち上げられた弟を 警察は事故死として扱う—- 読みかけの本を外国のホテルに置き忘れたため、半月もの中断をしてしまった本 続きを読みたくてたまらなかった本書にまた会えました。 無理な設定をしている箇所がちょっと気になりますが、痛快な法廷もの(?)ミステリです。 ぜひお読みください。 2003年5月20日ヴィレッジブック…

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無意識の証人/ジャンリーコ・カロフィーリオ/文春文庫(2005.12.10発行)

イタリアの現職のマフィア担当検事補が描く弁護士グイード・グエッリエーリが活躍する法廷サスペンスの第1作目 やや専門的な法廷サスペンスですが、一気に読み切ってしまいました。 アメリカの法廷サスペンスものと違い、派手などんでん返しがないため物足りない方もいるかも知れませんが、作家のカロフィーリオはこの処女作でイタリア国内の文学賞を5つ受賞しています。 第2作目『眼を閉じて』も既に発行されています。 2…

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眼を閉じて/ジャンリーコ・カロフィーリオ/文春文庫

イタリアの現職のマフィア担当検事補が描く弁護士グイード・グエッリエーリが活躍する法廷サスペンスの第2作目  第1作は『無意識の証人』 法廷サスペンスが大好きな人には絶対に見逃せない作品です。 イタリアの法制度が日本やアメリカとは大きく異なるので、戸惑うかもしれませんが、 弁護士の法廷でのやり取りの面白さに浸ってみてください …

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聖林ハリウッド殺人事件/D.W. バッファ/文春文庫(2006.11.10発行)

弁護士ジョーゼフ・アントネッリを主人公としたデビュー作『弁護』が高い評価を受け、シリーズ化の5作目です。第2作は『訴追』第3作は『審判』第4作は『遺産』 「宮部みゆき氏も大ファン、バッファのリーガル・ミステリ」と紹介されています。 リーガルサスペンスとして、主人公の活躍が十分ではなく、ちょっと残念な思いががしました。 何が真実なのか、最後まで読者にわかりにくかったように思います。 2006年11…

マイアミ弁護士 ソロモン&ロード

マイアミ弁護士 ソロモン&ロード(上)(下) /ポール・ルバイン/講談社文庫(2006.10.13)

ユーモアたっぷり・人間味あふれる法廷ミステリ こんな愉快な法廷ミステリは初めてです。 スティ?ブ・ソロモンという型破りな弁護士と、ヴィクトリア・ロ?ドという真面目で魅力的な女性検事の2人が出会うのは留置所の中。こんな始まりも珍しい! アメリカでは既にシリーズ第3作までが刊行されており、早く続きが読みたいと切実に思います。 ちょっとふざけすぎだけど、心も温かくなる、マイアミを舞台とした法廷ミステリを…

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遺産/D.W. バッファ/ 文春文庫(2004.10.10発行)

次期大統領を目指すカリフォルニア州上院議員が射殺され、強盗目的で黒人医学生が容疑者 として逮捕される。被告側弁護人としてアントネッリが弁護に立つ—- リーガルサスペンスとしては、読者にわかりにくかった部分が多かったように思います。 ちょっと残念。 D.W. バッファは、サンフランシスコ生まれ 弁護士アントネッリを主人公としたデビュー作『弁護』が高い評価を受け、シリーズの4作目です。第2作は『訴…

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サイレント・ゲーム/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2005.11.1発行)

このミステリーがすごい!2004年度版(2003年)ベスト20宝島社第4位 法廷ミステリの傑作です。読むのは2度目なのに、また夢中になってしまいました。 主人公は辣腕の刑事弁護士トニー・ロード  高校時代にライバル高との試合の後、真剣に付き合っているガールフレンドのアリスン・テイラーと結ばれた。親に交際を反対されていて、門限を気にする彼女は一度家に戻り、また抜け出して15分後に会う約束をしたが–…

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敵対証人―女弁護士ニナ・ライリー/ペリー・オショーネシー/小学館文庫(2005.3.1発行)

ペリー・オショーネシーは2人のアメリカ人姉妹 1人は実際に弁護士を開業 女弁護士ニナ・ライリー シリーズの第6作 法廷での争いより、事件の真相は何かに重きを置いた法律ミステリーです。 今回ニナ・ライリーは、殺人容疑を受けた息子の親友(?)のために戦います。 邦題は内容と合っていません。本の裏にあるレビューも合っていません。作品にあった内容にすればよいだけなのに、なぜこんなことをするのか私には理解…

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焦熱の裁き/デイヴィッド・L.ロビンズ/新潮文庫(2005.1.1発行)

主人公は、嫌々ながら公選弁護人にされたの元検事補のナット・ディーズ 登場人物は面白いキャラクターで物語を飾ります。彼の級友でもある酔いどれ牧師のダービー・保安官補の黒人モンロー・インディアンの裁判所判事ザ・ホーク デイヴィッド・L.ロビンズは、事務弁護士の職を経てライターとなり、1998年に、幽霊との三角関係を描いたラヴ・ファンタジーSouls to Keepで小説家としてデビュー。 第二次大戦中…