ジャンル

2011年版(早川書房)

回帰者/グレッグ ルッカ/講談社文庫(2010.8.12発行)

約2年の月日を経てやっと、ボディーガードのアティ カス・コディアックを主人公とするシリーズ第6作(番外編を入れると第7作)がでました。 グルジアの小さな町コブレチでアリーナとひっそりと暮らしていたアティ カスの平和な時間は、愛犬ミアタが何かに反応していると目覚めたときに終わった---- 『逸脱者』の後半部分・『哀国者』本書で3部作が完成 必ず『逸脱者』からお読みください。出来れば第1作『守護者』か...
冒険アクションもの

天使は振り返る(上)(下)/グレッグ・アイルズ/講談社文庫(2010.8.12発行)

待ちに待ったグレッグ・アイルズの作品が約2年の歳月を経て、やっと手の中にあります。 そのプロローグは衝撃的です。 町の誇りと讃えられていた17歳の美しい少女が流れに浮かび、ミシシッピ川へと流れていった---- 主人公は検事出身で43歳の作家ペン・ケージ  『沈黙のゲーム』から7年 シリーズ第2作 法廷ミステリではありません。ハードボイルドな冒険アクション小説です。 読み終わった後にあなたには何が残...
冒険アクションもの

暗闇の岬/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.8.25発行)

主人公は女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第3作 今回は向こう見ずなアクションよりも、愛する二人の心の葛藤を描くことに重点があります。 心に沁みる内容になっているのですが、痛快といえないのは、不快な人物を登場させすぎたから。もう少し不快な人物の数を絞ったらよかったのに。 不快な人物が多くてイライラして、エヴァン・ディレニーの...
2010年文庫

陸軍士官学校の死(上)(下)/ルイス・ベイヤード/創元推理文庫(2010.7.16発行)

☆2006年CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ賞ノミネート作品 ☆2007年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1830年、隠遁生活を送っていた元ニューヨーク市警ガス・ランダーのもとをウエストポイント陸軍士官学校から一人の士官が訪ねてきた--- 解説は「あえて無名時代のエドガー・アラン・ポオにスポットライトを当てるという発想の転換が見事に決まった」と本書を紹...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

堕ちた預言者/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1999.8.27発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第5弾 リナも30歳デッカーも42歳になりました。 妊娠中のリナのため焼きたてのパンを買いに出た帰り、通報があった場所がわずか12ブロック先だったデッカーは現場に向かった。厄介な事件に巻き込まれることも知らずに---- ある種の危険な人には、とにかく近づかないことが一番なのですが、それが肉親の場合には付合いをしないことはとても困難を伴います...
冒険アクションもの

裏切りの峡谷/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.5.25発行)

主人公は軍人一家に育った女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第2作 第1作から約6ヶ月で第2作と対面できましたが、出版社も翻訳者も変わりました。 内容はとびっきりの冒険アクションサスペンス そんなのありかなという事件が連続する。休む暇はありません。 訳者はあとがきで主人公のエヴァン・ディレニーを 「知識人にあるまじき悪態をつき...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

贖いの日/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1997.7.25発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第4弾 一年間猛烈に働いて、二週間の休暇をためリナとハネムーンに出たデッカー。想像していたのとは大違いのハネムーン。 なんとニューヨークのリナの亡父の家族と新年際を過ごしているのだった--- 親と子・妻と夫・兄弟姉妹 愛の形をいろいろと考えさせる本書はミステリや警察官物と呼ぶにはふさわしくないかもしれません。 リナに手錠をかけたデッカーには...
2010年

音もなく少女は/ボストン・テラン/文春文庫(2010.8.10発行)

主人公はアパートの管理人の暴君の父と小さな工場で働く母クラリッサのもとに1951年に生まれた耳の聴こえない娘イヴ 途中で涙が止まらなくなる場面があります。 ボストン・テランの作品は、気軽に読むミステリではありません. しかし読んだ後に元気が沸いてきます。 自分よりも弱い者・弱い立場にある者に対する暴力や愚行は、社会全体でなんとしてもとめなければなりません。 虐待事件が相次ぐ日本の児童相談所の職員に...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

豊饒の地(上)(下)/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1995.9.29発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第3弾 深夜、丘陵地帯をゆっくり車で走り帰宅しようとするデッカーに一瞬の光が目にとまった。 捜索をやめるなと告げる内なる声に導かれたデッカーを待っていたのは、二歳にも満たない幼児だった---- 愛と友情の物語は深く深く読む人をひきつける。 今回は両親からの捜索願が出ないのに大事にされていたことがわかる幼児の事件・デッカーの戦友エイベルが売...
ラブストーリー

聖と俗と/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1993.12.17発行)

17年前このシリーズは読んだ記憶がありますが、最新作を読んで今回また読み返すことにしました。 正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ 第2作 クリスマス・イヴにデッカーと山の中でキャンプを張っていたリナの子供サミーが黒焦げの人骨2体を発見したところから本編第2作は始まります。 このシリーズは、リナとデッカーと、その二人をめぐる人々の愛と成長の物語です。 社会の厳しい現実と宗教の...
歴史ミステリもの

P2(上)(下)/ルイス・ミゲル・ローシャ/新潮文庫(2010.6.1発行)

2006年世界的ベストセラーになったポルトガルの作家のミステリ 1978年9月に在位わずか33日でローマ法王ヨハネ・パウロ一世が自室で遺体で発見された事件と30年後の現代とが錯綜して読者の前に現れる。 村上春樹の日本語を読んだ後ではこの翻訳の日本語はちょっとつらいものがありました。 それでもどんどん読んでいったのは、世紀の事件の究明に挑み、先を知りたいと思わせる構成力のせいでしょうか。 本書は「ヴ...
「もしもの世界」でのミステリ(SFミステリ)もの

[番外編]1Q84 BOOK1?3 /村上春樹/新潮社(2010.4.16発行)

作者の解説によれば“10歳で出会って離れ離れになった30歳の男女が、互いを探し求める話” べストセラーになる本は読みやすくて、先を読みたいと誰もが思うような構成と展開を持っている。 昨年世界中を巻き込んだベストセラー『ミレニアム1?3』にもまったく同じことが当てはまります。 大きな違いは、ミレニアムの作家は亡くなってしまったが、村上春樹は元気なこと。 第3巻は展開が遅く、ちょっといらいらさせられた...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

水の戒律/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1993.4.23発行)

☆1987年マカヴィティ賞(Macavity Award)最優秀処女長編賞受賞作品 舞台はロサンゼルスにある正統派ユダヤ教の神学校イェシヴァを中心としたユダヤ教徒のコミュニティ この閉ざされたコミュニティのなかで事件が相次いで起こる---- 二人はこの事件で知り合うことになりました。 正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第1弾 作者は「ユダヤ教徒のコミュニティを描くことで、ユ...
ローマ市警の刑事ニック・コスタ シリーズ

聖なる比率(上)(下)デヴィッド・ヒューソン/武田ランダムハウスジャパン(2008.10.10発行)

ローマ市警の刑事ニック・コスタのシリーズ第3作 大雪に見舞われたローマのパンテオンで、背中に不可解な紋様が刻まれた女性の全裸死体が発見された---- 事件の究明にひた走る仲間たち 上司のレオ・ファルコーネは上層部からの捜査に関する圧力を無視する パートナーのジャンニ・ペローニは心を病んだ戦争孤児の少女に限りない優しさを与え、事件背景を隠すFBI捜査官の顔にハンバーカーを押しつける 病理学者のテレサ...
女性私立探偵もの

押しかけ探偵/リース・ボウエン/講談社文庫(2010.6.15発行)

☆2003年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)ノミネート作品 物語の舞台は、1901年のニューヨーク 22歳のアイルランド人女性モリー・マーフイが主人公の待望のシリーズ第2作 前作からちょうど3年の年月を経て第2作が登場しました。ちょっとばかり待たされすぎです。 初めてお読みになる方は必ず第1作からお読みください。 女性に職業選択の自由がほとんどなかった時代...