海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 ユーモア・ミステリ 」 一覧

三十三本の歯(老検死官シリ先生) コリン・コッタリル

三十三本の歯(老検死官シリ先生) /コリン・コッタリル/ヴィレッジブックス(2012.5.19発行)

時は1977年、東南アジアの小国ラオス。国で唯一の検死官である72歳になるシリ先 …

これ誘拐だよね? カール・ハイアセン

これ誘拐だよね?/カール・ハイアセン/文春文庫(2014.1.10発行)

☆2014年週刊文春ミステリーベスト10(海外)第20位 ☆ミステリが読みたい! …

三銃士の息子

三銃士の息子/カミ/ハヤカワポケットミステリ文庫(2014.4.10発行)

痛快なユーモア冒険歴史小説 主人公は三銃士の息子 なんと三銃士のそれぞれのいいと …

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ぼくを忘れたスパイ(上)(下)/キース・トムソン/新潮文庫(2010.10.1発行)

痛快で笑いを誘うユーモア・スパイ小説 避けて通れない認知症 この頃NHKでは毎日のように認知症対策の特集を組んでいます。 とびきり有能なスパイがアルツハイマー病にかかったら— 原題は「ONCE A SPY」 ソーシャルワーカーからの電話で疎遠だった父を施設に迎えにいったチャーリーは、父の症状はアルツハイマー病だとの説明を受ける—- 既に第2作「Twice A Spy」の刊行が決まっているよ…

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おっぱいとトラクター/マリーナ・レヴィツカ/集英社文庫(2010.8.25発行)

原題は直訳すると「ウクライナ語版トラクター小史」というまったく意表をつくタイトルだそうです。 そうでなくとも笑いがこみ上げてきて電車の中では読みにくいのに、この邦題ではカバーなしには本を開けられませんね。 物語は「母さんが死んで二年が過ぎた頃、父さんはウクライナ生まれのバツイチ金髪美女に入れあげた。84歳の父さんに対しテ、相手は36歳」という書き出しで始まります。 痛快なのになぜか物悲しいユーモア…

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ピーナッツバター殺人事件/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2005.6.17発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第4作 材木問屋の秘書をしているカルメラは、通勤で使っている車の故障でその日線路の上を歩いていた。そして発見したものは列車に轢かれた轢死体だった—– 轢かれた男は<海の上のカムデン>の入居者エドナと親しく付き合ってたが、エドナはマーティネス警部補らの質問にただ泣くだけで全く答えようともしない。 そこで我らが老探偵団アンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲ…

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フクロウは夜ふかしをする/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2003.3.28発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第3作 人よりも植物が好きなカムデンの庭師が殺害されるところから物語は始まります。 老婦人探偵団(?)のアンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトとマーティス警部補・スワンソン刑事とのやりとりが主人公のこのシリーズ。 今回はいつになく真剣な内容です。 2003年3月28日創元推理文庫より発行 本文から抜粋 聖歌隊に老人を入れると 「高音に届かない嗄れ声。ほと…

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氷の女王が死んだ/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2002.4.26発行)

<海の上のカムデン騒動記>シリーズ第2作 本書を老人ホームミステリに分類したりしたら、老婦人探偵団のアンジェラ・ベンボウとキャレドニア・ウィンゲイトにしかられて口を利いてもらえなくなるかも。 マーティネス警部補とスワンソン刑事にも会いたくなって本書を開きました。 「<海の上のカムデン>全入居者の中から、いちばんの嫌われ者を選ぶコンテストがあれば、エイミー・キンゼスがぶっちぎりで優勝していたはずだっ…

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老人たちの生活と推理/コリン・ホルト・ソーヤー/創元推理文庫(2000.7.24発行)

舞台はカルフォルニアのサンディエゴ市近郊の高級老人ホーム<海の上のカムデン> <海の上のカムデン>は高い入居費と毎月高額の家賃、自分が誰なのか分からなくなったら付属の病院に入居できるという老人の楽園 この楽園からプライベートビーチにおりる階段の下、入居者の元図書館司書が死体で発見された。 バックには大金が、指にはダイヤの指輪が残されたままだった—– 老婦人探偵団とマーティス警部補・スワンソン…

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メアリー-ケイト/ドゥエイン・スウィアジンスキー/ハヤカワ・ミステリ文庫(2008.11.15発行)

☆ミステリが読みたい2010年版(早川書房)第9位 ☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第19位 物語は「あなたのドリンクに毒を盛ったわ。」という衝撃の言葉で始まり、これがただの序曲に過ぎないことが明らかになる。 こいつは絶対に面白いぜ。 落ち込んでいたら是非手に取ってみてください。 痛快なミステリです。 2008年11月15日ハヤカワ・ミステリ文庫より発行 ドゥエ…

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迷惑なんだけど?/カール・ハイアセン/文春文庫(2009.7.10発行)

カール・ハイアセンの13作目の長篇小説 めちゃくちゃに愉快で痛快な、たくましく生きる女性を賛美したエンターテイメント。もしあなたが落ち込んでいるなら必読の作品です。 笑いすぎて電車の中では読めないかも。 邦訳では前作にあたる『復讐はお好き?』 は ☆2007年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位 ☆このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>第2位 ☆闘うベストテ…

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解雇手当/ドゥエイン・スウィアジンスキー/ハヤカワ・ミステリ文庫(2009.6.15発行)

「彼の名はポール・ルイス—–そして彼は、おのれの余命が七分しかないことを知らなかった。」という書き出しで、はちゃめちゃな物語はスタートとする。 訳者あとがきで「ぶっとんだ、途方もない作品」と本書を一言で表現 全くその通り。まるでコミックと思ったら、作家はコミックの制作に関わっている方でした。 映画化も予定されているそうです。 ☆ミステリが読みたい2010年版(早川書房)第19位 2009年6…

老検死官シリ先生が行く

老検死官シリ先生が行く/コリン・コッタリル/ヴィレッジブックス(2008.8.20発行)

主人公はラオスでただ一人の検死官73歳のシリ・パイプーン 原題は『Coroner’s Lunch』 物語は1976年10月ラオス人民共和国 トランとトランとホクの三人がナイロンテープで結びつけられた錆びた(さびた)爆弾に引っ張られて、みぞれのように落下して行くところから始まる。 これはめちゃくちゃ面白い!!!! この作品を読み終えてしまうのは残念でたまりませんでした。 何故日本のベストテンものに一…

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ユークリッジの商売道/P・G・ウッドハウス/文藝春秋(2008.12.15発行)

P・G・ウッドハウスの最も喜劇的なキャラ・ユークリッジを主人公にした短編14編と特別収録作品1作 本書紹介の中で出版社は「殺伐とした世相にうんざりしたときの妙薬、ウッドハウス作品。年末年始の厄落とし&景気づけにぜひどうぞ。」としています。 現在ならうまくいくかも知れないペキニーズを大量に集めて芸を教え込む「犬学校」を開校し大儲けをたくらむ  年間購読雑誌についている傷害保険を目当てに大儲けをたくら…

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フラッシュ FLUSH /カール・ハイアセン/理論社(2006.4発行)

ユーモア・ミステリのベストセラー作家が贈る若い読者をターゲットにした『HOOT』に続く2作目 物語は主人公のノアが父と警察の留置所で面会するところからはじまる。 フロリダの自然を愛する作家たちが共通に抱いている、自然破壊に対する危機感 それが痛切に伝わってきます。 自然と破壊しようとするものたちに対する激しい怒り それが作品の根底を流れています。 この素敵な一家にまた会いたいと思います。 2006…