海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2005海外ミステリ 」 一覧

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闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ 第1位『サルバドールの復活〈上〉〈下〉』/ジェレミー ドロンフィールド/創元推理文庫  第2位『輝く断片』/シオドア・スタージョン/河出書房新社  第3位『カジノを罠にかけろ』/ジェイムズ スウェイン/文春文庫  第4位『耽溺者(ジャンキー) 』/グレッグ ルッカ/講談社文庫 第5位『パズル』 /アントワーヌ・ベロ/ハヤカワ・ノヴェルズ…

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偶然のラビリンス/デイヴィッド・アンブローズ/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2005.9.20発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第8位 サスペンスかSFかサイコスリラーかと、どのジャンルにもまたがっている、ジャンルが混在した(ミックスした)ミステリ これは、はたしてミステリなのでしょうか。 訳者はあとがきで「落とし穴が満載のトリッキーなスリラー」と本書を紹介しています。 ラビリンス(labyrinth)は迷宮・迷路・迷路園・曲がりくねった街路の意 デイヴィッド・アンブ…

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どんがらがん(奇想コレクション)/アヴラム・デイヴィッドスン/河出書房新社(2005.10.30発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 「物は証言できない」はEQMM短編小説コンテスト第一席受賞作 「さもなくば海は牡蛎でいっぱいに」はヒューゴー賞受賞  ☆ヒューゴー賞 (The Hugo Awards) 1953年に創設された最も歴史の古いSF賞であり、SF界ではもっとも権威のある賞 対象は前年度に英語で発表された作品 「ラホール駐屯地での出来事」はMWA(アメリカ…

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輝く断片/シオドア・スタージョン/奇想コレクションシリーズ 河出書房新社

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第2位 シオドア・スタージョンのSF色の弱い作品を中心に組まれた短編集 シオドア・スタージョンは1918年ニューヨーク生まれ SF・幻想作家 アメリカ文学史上最高の短編作家とも言われている。 短編集は敬遠される方も一度手にしてみてください。高い評価がうなずけると思います。 2005年週刊文春ミステリベストテンでも第3位 このミステリーがすごい…

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サルバドールの復活〈上〉〈下〉/ジェレミー・ドロンフィールド /創元推理文庫(2005.10.14発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第1位 どうしてこんなにわかりにくく書くのでしょうか。私には理解できません。メモをとって読まないことには、わからなくなってしまいます。 ミステリーとして十分楽しめる作品なのに、ここまでわかりにくいと放り出したくなります。場面の切り替えごとに小見出しをつけて、時代と場所が書いてあればどんなにか良かったでしょうか。 ミステリーの愛読者たちがすべて…

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カジノを罠にかけろ/ジェイムズ スウェイン/文春文庫

原題は「GRIFT SENSE」 昔からのギャンブラーの意味  グルフト・センスがあるというのはハスラーに対する最高のほめ言葉だそうです。 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第3位 作者のジェイムス・スウェインはフロリダ州在住 カード・マジックとギャンブルの名手にして広告会社の経営者 元警官でカジノ相手のコンサルタントのトニー・ヴァレンタインが主人公 シリーズ化され、現在まで…

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パズル/アントワーヌ・ベロ/ハヤカワ・ノヴェルズ

アントワーヌ・ベロは、1970年ボストン生まれのフランス人 後に両親の住むフランスへ移住 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第5位 本書の広告として「世界最高の実験小説」「今世紀最大の異色問題作」とあります。 マニアックすぎて、普通のミステリーを読みたい方にはお勧めできません。 訳者も「これは推理小説なの?はたまた著者の文学的試みの一つなのか。推理小説だと思って手にした読者に…

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死影/ヴィレッジブックス/マイケル マーシャル

マイケル マーシャルは、1965年英国ナッシュフォード生まれ 原題は The Straw Men 闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第6位 訳者あとがきのなかで、スティーヴン・キングの賛辞が載っています。「サスペンス小説の世界にはもう何も新しいものがないと思っていたとき、何とも危険な一匹の蜘蛛があらわれた」と本書を紹介「この作品は異彩を放ち、すさまじいまでに不気味だ」と。 3…

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嘆きの橋/文春文庫/オレン・スタインハウアー(2005.10.10発行)

オレン・スタインハウアーはアメリカのヴァージニア州生まれ 現在はハンガリーのブタペスト在住 舞台は1948年の東ヨーロッパ 先を読まずにはいられない面白さ。5部作のシリーズ作品となる予定と聞いて、わくわくしています。 出版社様、どうか順番にすばやく翻訳してくださいね。 本書は、アメリカでミステリ各賞にノミネート 2003年度のアメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀新人賞候補作品 日本でも、闘うベス…

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ノーセカンドチャンス(上)(下)/ハーラン・コーベン/ランダムハウス講談社文庫(2005.9.13発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第7位 『唇を閉ざせ』」以来のハーラン・コーベン待望の邦訳 訳者はあとがきの中で「悪夢の中をさまようようなサスペンス」と表現しています。 こんな状況に置かれたら、あなたならどうしますか。 先を読まずに入られなくなるお勧めのミステリーです。 本書は2003年に発表され、日本では2005年9月13日ランダムハウス講談社文庫より発行        …

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百番目の男/ジャック・カーリイ/文春文庫(2005.4.10発行)

本書の映画化権は既に売れているとのこと。 面白い!!!!どこかのミステリー評価でランクインするかも。 警察内部でことごとくカーソンと対立するのは、「現場の警官のようにふるまう運営畑17年の人間」の出世だけを考えている警部。 ここまでいくと、笑って読める。こんなやつが現実社会によくいるから書くのだろうけど、出来れば登場させなくてよいのに。 主人公・刑事カーソン・ライダーのシリーズ第2弾は近々アメリカ…

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耽溺者(ジャンキー)/グレッグ・ルッカ/講談社文庫(2005.2.15発行)

本編は、主人公がアティカス・コディアックではなく、彼の恋人の女性私立探偵ブリジット・ローガンなので、番外編とされています。 とにかく面白いです。すばらしい作品だと思います。最後の最後まで息が抜けません。こんな形の友情と愛とがあるんだなと思いました。是非本を手にお取りください。 薬物の怖さがとことんわかります。薬物との戦いは、死ぬまで続く永遠の死闘なのですね。決して手を出してはいけません。 闘うベス…