海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 魔術師(奇術師・降霊師)もの 」 一覧

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マジシャン殺人事件/ピーター・G・エンゲルマン/扶桑社ミステリー(2009.3.30発行)

舞台はイタリアのフィレンツェ 奇術師のグレイト・サブニーニの最も得意な演目は脱出マジックだった—- ミステリの面で魔術師としての活躍がなく、魔術師ものでは読んだもののなかでいちばんつまらなかった。 文庫本で167ページの作品 物語に意外性もなく、謎解きの説明が不十分で納得がいかない点が多すぎる。最後のエピローグでももっと納得のいく丁寧な説明が欲しかった。 2009年3月30日扶桑社ミステリーよ…

魔術師の夜

魔術師の夜(上)(下)/キャロル・オコンネル/創元推理文庫(2005.12.28発行)

ニューヨーク市警の巡査部長キャシー・マロリー シリーズ第5作 とても悲しいラブストーリーです。 魔術師を相手にしている物語のため、ジェフリー・ディーヴァーの『魔術師 (イリュージョニスト)』(四肢麻痺の科学捜査官「リンカーン・ライム」シリーズ第5作)と比較されている方がいました。 それぞれの捜査官の闘い方は異なっているし、どちらが面白いかという比較をするのは全く意味がないと思います。それぞれの面白…

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ガラスのなかの少女/ジェフリー・フォード/ハヤカワ文庫(2007.2.28発行)

2006年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞 舞台は1932年アメリカ東海岸 世界大恐慌のあとの混乱の時代 金持ち相手の降霊会を催して金を搾り取る詐欺師たちは、降霊会のなかで浮かび上がった少女の姿に、その謎を追うことに———- 主人公は霊媒師トマス・シェルに命を助けられた不法移民の少年ディエゴ この少年の成長とそれを見守る大人たちの愛の物語 お薦めの一冊です。これを薦…

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虚空から現れた死/クレイトン・ロースン/ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ 原書房(2007.7.31発行)

2008本格ミステリ・ベスト10海外(原書房)(2007)第7位 部屋を訪れた若い女性は、ほんのわずかの隙に殺された。地上五階、閉められていた窓は大きく開き、そこからコウモリが空へと羽ばたいていった。若い女性は、「コウモリの鳥小屋…」と言い残した。彼女の喉には、小さな赤い傷が残された—– こんな書き出しではまるで吸血鬼ドラキュラの話のようですが、そうではありません。 魔術師が出てくるミステリ…

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奇術師の密室/リチャード・マシスン/扶桑社ミステリー(2006.7.29発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第7位 往年の名奇術師が植物人間となり、2代目の息子を廻る事件の一部始終を目撃して、それを語る形のミステリー 何しろ奇術師だけに、至る所に仕掛けがあり、何回もだまされてしまう。またまた、やられてしまったかと爽快な気分にさせられるミステリーです。 評価どおりの秀作です。 このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社でも第7位 闘うベス…

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魔術師 (イリュージョニスト)/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2004.10.13発行)

読み終わった後でもまだなにかが起きるのではないかと思って、もう一度本を手にしたとたん手にした本が消えたりして。まさかね?でもそんなことさえ考えてしまうミステリーです。 四肢麻痺の科学捜査官「リンカーン・ライム」シリーズ第5作 このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)宝島社第2位 事前の情報は全く入れないで読んでください。 昨年中に日本で出版された海外ミステリーのなかで総合評価トップとい…

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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師/クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫(2004.4.30発行)

闘うベストテン2004(ミステリーチャンネル)第1位 世界幻想文学大賞受賞作品 アンドルー・ウェストリーは、超常現象の特集記事を担当する新聞記者。 一卵性双生児の兄弟がどこかにいるのではないかといつも心に感じていた。 20世紀初頭の稀代の2人の奇術師が残した手記がその謎を解明していく物語。 クリストファー・プリーストは、1943年イギリス生まれ 近年はSFと幻想小説との境界線上にある作品を発表 …