海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2004海外ミステリ 」 一覧

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闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)海外ミステリ

7回目となったミステリチャンネル恒例「闘うベストテン2004」の収録が、16年11月14日に船橋市の市民文化ホールで行なわれた。 (対象作品は2003年11月?2004年10月刊行分) 第1位 『奇術師』/クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫 第2位 『魔術師(イリュージョニスト)』/ジェフリ・ワイルズ・ディーヴァー/文藝春秋 第3位 『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さ…

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嘘つき男は地獄へ堕ちろ/ジェイソン・スター/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2004.6.20発行)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル) 海外ミステリ次点(第11位) どんな結末が待っているのか、いろいろと考えることができてとても楽しめました。 もちろんこんな結末は予想していませんでしたが。 この作家の作品は訳者によれば二つの系列があり、ひとつはエリートサラリーマンの転落物・もうひとつはギャンブルのめり込み物 本書は二つの系列を組み合わせて物語が出来上がっていますとのことです。 デビュー…

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魔術師 (イリュージョニスト)/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2004.10.13発行)

読み終わった後でもまだなにかが起きるのではないかと思って、もう一度本を手にしたとたん手にした本が消えたりして。まさかね?でもそんなことさえ考えてしまうミステリーです。 四肢麻痺の科学捜査官「リンカーン・ライム」シリーズ第5作 このミステリーがすごい!2005年度版(2004年)宝島社第2位 事前の情報は全く入れないで読んでください。 昨年中に日本で出版された海外ミステリーのなかで総合評価トップとい…

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〈プラチナファンタジイ〉 奇術師/クリストファー・プリースト/ハヤカワ文庫(2004.4.30発行)

闘うベストテン2004(ミステリーチャンネル)第1位 世界幻想文学大賞受賞作品 アンドルー・ウェストリーは、超常現象の特集記事を担当する新聞記者。 一卵性双生児の兄弟がどこかにいるのではないかといつも心に感じていた。 20世紀初頭の稀代の2人の奇術師が残した手記がその謎を解明していく物語。 クリストファー・プリーストは、1943年イギリス生まれ 近年はSFと幻想小説との境界線上にある作品を発表 …

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犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎/コニー・ウィリス/早川書房

2004年週間文春ミステリーベストテン第4位 舞台は西暦2057年 あなたの頭もその時代にタイムトラベル 本書はタイムトラベルで歴史を縦横に駆けめぐる史学生ネッドとヴェリティの活躍をユーモアたっぷりに描くSFミステリー。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。 読後感想に他の人が「決して読みやすい本ではないが」「最初乗り切れるまでに時間がかかったので」と感想を述べているとおり最初は非常に読みにくい本です。…

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荊[いばら]の城 (上)(下)/サラ・ウォーターズ/創元推理文庫(2004.4.22発行)

このミステリーがすごい!2005年度(宝島社)第1位 ミステリーが好きだったら、一度は読んでみる価値のある作品です。  本作品は英国推理作家協会賞の歴史ミステリ部門にあたるエリス・ピーターズ・ヒストリカル・ダガー賞を受賞 ブッカー賞最終候補作品 舞台は19世紀半ば、ロンドンのラント街。表向きは錠前屋だが、盗品を転売するイッブズ親方・事情がある女から赤ん坊を預かり、引き取り手を見つけるサクスビー夫人…

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ジェニファー・ガバメント/マックス・バリー/竹書房文庫

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)第7位 「もしもの世界」に慣れるのに時間がかかりますが、慣れてくると楽しめます。 主人公は登場人物として挙げられている6人ですが、しいて一人を上げるとすれば女性政府捜査官の題名にもあるジェニファー・ガバメントです。現在の社会を強烈に批判し、皮肉った「もしもの世界」の設定になっています。 どんな世界になっても、人間としての守るべきことがあることを教えてくれ…

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ブレイン・ドラッグ/アラン・グリン/文春文庫(2004.2.10発行)

闘うベストテン2004第10位 2002年のイギリス推理作家協会最優秀新人賞の候補になる  10年ぶりに会った別れた妻の兄(コカインの売人だった)から渡された一粒の錠剤。それがすべての始まりだった— 後半に急展開を見せ、想像もしなかった結末へとつながっていきます。後半をもっと突っ込み、量も増やした方がベターとも思いましたが、この方が余韻が残って良いのかもしれませんね。 読み始めたら最後まで一…

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迷宮の暗殺者/デイヴィッド・アンブローズ/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル)第8位 とにかくおもしろい!本の紹介に「ジェットコースター・サスペンス」とあるが、まさにその通りです。次々に展開していくストリーに目が離せません。ハリウッドで映画化の話が進んでいるのも納得できます。 主人公は、特殊工作員のチャーリー・モンクと女医のスーザンフレミング。作者は映画では、チャーリーはジュード・ロウにスーザンはジュリア・ロバーツに演じてもらいた…

ワイオミングの惨劇

ワイオミングの惨劇/トレヴェニアン/新潮文庫

このミステリーがすごい!2005年版(2004年)宝島社第3位 作家は伝説(?)の覆面作家 自分のプライバシーを守っている人だそうです。 19世紀末のアメリカが舞台 50ページまでは本当に退屈だし128ページまで行っても、西部の町の住民紹介だけ。どう展開していくのか予想がついてしまうし、凶悪犯にはいらいら以上の嫌悪感を覚える。映画化を想定して書いているのでしょうか。  闘うベストテン2004(ミス…

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炎に消えた名画(アート) /チャールズ ウィルフォード/扶桑社ミステリー

闘うベストテン2004海外ミステリ第9位 このミステリーがすごい!2005度版海外編第12位 最後まで読んでみると、ストリートしてはおもしろいと思う。 だけど、78ページから110ページまでは、美術の説明に終始し、小説の中で話を聞いていた恋人が眠ってしまったように、眠ってしまいました。 この部分は、翻訳者の楽しい気持ちは伝わってくるものの、美術に興味が少ししかない人には、難解でおもしろくない。飛ば…