海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2007年版 (2006年) 」 一覧

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このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>

第1位 『あなたに不利な証拠として』/ローリー・リン・ドラモンド/ハヤカワポケットミステリ 第2位 『クリスマス・プレゼント』/ジェフリー・ディーヴァー /文春文庫 第3位 『荒ぶる血』/ジェイムズ・カルロス・ブレイク/文春文庫 第4位 『風の影』/カルロス・ルイス・サフォン/集英社文庫(上・下) 第5位 『数学的にありえない』/アダム・ファウアー/文藝春秋(上・下) 第6位 『12番目のカード…

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わたしを離さないで/カズオ・イシグロ/早川書房(2006.4.20発行)

2006年週刊文春海外ミステリーベストテン第9位   このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>第10位 英米で絶賛の嵐を巻き起こした作品 なんといってよいのか分からない不思議で恐ろしいミステリー 作家のカズオ・イシグロは長崎生まれ 5歳の時にイギリスへ 日本とイギリスの二つの文化を背景にして育った。 人間は自分や家族が生き残るために、どこまでできるのかが問われて…

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数学的にありえない〈上〉〈下〉/アダム ファウアー/文藝春秋(2006.8.25発行)

2006年週間文春海外ミステリーベストテン第3位 第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作 とにかくおもしろい。下巻まで一気に読んでしまいました。まだ、読み続けていたい気がしています。 あなたもこの不思議な世界にぜひご参加下さい。 いったい何のために、いったい誰が、直感というかなんていうか 『声』 を授けてくれるのでしょうか。 あなたにも身におぼえはありませんか。 『声』 には心を傾けて後悔しない…

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ヘルファイア・クラブ(上)(下)/ピーター・ストラウブ/創元推理文庫(2006.8.25発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>第15位 解説の中で「ストラウブと読むもは億劫だストラウブ作品は文学性が高いとか—-うっとうしくおもっているあなたは、——-本書は別人だと思って読んでみるべし。強烈な緊張感の横溢する本書は一級のノンストップサスペンス」と紹介しています。 非常に優れたミステリで、絶対にお勧めの作品です。 2006年8月25日創元…

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12番目のカード/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2006.9.30発行)

2006年週刊文春ミステリー第4位 リンカーンライムとアメリア・サックスのシリーズ第6作 シリーズが出されるたびに必ずミステリーベストテン上位に入り、高い評価を受け続けている作家に敬意を表します。 全く新しい驚きを作品ごとに読者に与えてくれます。是非お読み下さい。 検死官シリーズで高い評価を受けていたパトリシア・コーンウェルが、シリーズの後半には内容が急落し、評価を失ってしまったことを考えると、シ…

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ハマースミスのうじ虫/ウィリアム・モール/東京創元社(2006.8.31発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)第13位 本書の裏表紙に「伝説の逸品」とあり、本書解説の方も「ついに復活した—–翻訳も新たに甦ったのだ」と書いています。素人探偵のワイン商キャソン・デューカーが主人公です。 邦題は直訳なのでしょうが、手にするのもちょっと気になる題名と思いませんか。 「ハマースミス街の脅迫者」か「ハマースミス街の奇想」の方がよかったのではないでしょうか。 刊…

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10ドルだって大金だ/ジャック・リッチー /河出書房新社(2006.10.30発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第5位 表題「10ドルだって大金だ」を含めて14の短編を集めた1983年に61歳で亡くなった短編集の名手ジャック・リッチーの作品集 わが国で独自に編まれた作品集『クライム・マシン』も過去にミステリーベストテン(2005週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位)に入っていました。 このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)ベスト20宝島社<海外>…

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オックスフォード連続殺人/ギジェルモ・マルティネス/扶桑社ミステリー(2006.1.30発行)

2007年このミステリーがすごい第17位 アルゼンチンの作家によるちょっと不思議なミステリー 本書の評論家(本書あとがき)は解説の表題を『地球の反対側からの挑戦状』とつけています。 数学の論述が長すぎて途中で読むのをやめてしまった人もいるかもしれませんが、数学のところだけ飛ばして読んでも(私もそうしました)話は分かるはずなので、ご安心を。 結末をどう考えるかは人によって違うかもしれませんが、この結…

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シャルビューク夫人の肖像/ジェフリー・フォード/ランダムハウス講談社(2006.7.19発行)

このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社第15位 1997年『白い果実』で世界幻想文学大賞を受賞し、アメリカのファンタジイ小説界で不動の地位を持つ作家。 どんな種類のミステリーに分類してよいのかよく分かりませんが、舞台は19世紀末のニューヨーク 画家のピアンボが奇妙な依頼を受けたことから物語は始まる。 謎の依頼にあなたも引き込まれていきます。 2006年7月19日ランダム…

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間違いの悲劇/エラリー・クイーン/創元推理文庫

2007年このミステリーがすごい 第18位 エラリー・クイーンの最新長編になるはずだった小説の精細なシノプシス※(梗概)と これまで単行本に未収録だった作品を合わせて載せた作品集。 ※書いてある分量でいうと、シノプシス→プロット→シナリオの順で多くなるそうです。 中学時代に推理小説の世界に私を引き込んだ作家の作品にまた触れることができて大変懐かしく思いました。 おもしろさは保証します。 2006年…

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廃墟ホテル/デイヴィッド・マレル/ランダムハウス講談社

2このミステリーがすごい!2007年版(2006年)ベスト20宝島社第18位 発想の面白さにあっという間に読みきってしまいました。 都市探検者(こんなジャンルがあるとは思わなかった)のたった一夜の恐怖の物語。映画化されたら、どんなに面白いだろうかと思いました。 2005年12月13日ランダムハウス講談社より発行 …

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幸運は誰に?〈上〉〈下〉/カール・ハイアセン/扶桑社ミステリー(2005.12.27発行)

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)宝島社<海外>第11位 34億円の宝くじが当たったらあなたはどうしますか。当選者が2人だったらどうしますか。 人間の素晴らしさと悲しさと欲深さをユーモアたっぷりに描き出すベストセラー作家の傑作。 これほど本を開けるのが待ちどうしいと思った作品もありません。あなたも是非お読みください。 お金が全てという考えに対する鋭い批判も作品の底辺を流れています…

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失われた男/ジム・トンプソン/扶桑社ミステリー

このミステリーがすごい!2007年度版(2006年)宝島社 <海外> 第20位  闘うベストテン2006(ミステリチャンネル) 海外ミステリ  第5位 先に何が待っているのか、全く見当のつかないおもしろさ。物語の展開のすばらしさ。この作家の実力はすごいと思います。 この作家独特の世界に、あなたも是非ひたってください。ちょっと時代を感じることもありますが、とても入りやすい世界です。 解説の中で「これ…

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あなたに不利な証拠として/ローリー・リン・ ドラモンド /ハヤカワ書房(2006.2.9発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第1位に輝く作品 実際に市警の警官だった作家が描く婦人警官達の生き様・心の葛藤が素晴らしい表現力で読む人に伝わってきます。 訳者あとがきがのなかで「エルモア・レナードに『彼女の書くものはこれから全部読む』と言わしめたほど強烈で斬新な、心と五感を容赦なくえぐる作品」と記しています。 ところで、早川書房さん、本書裏表紙の作品紹介は、はっきりと間違っています。…

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緋色の迷宮/トマス・H・クック/文春文庫(2006.9.10発行)

2006年週刊文春ミステリベスト10(海外)第6位 先を知りたくて、事件の結末を早く知りたくて、これほど続けて読みたくなるミステリーはありません。もったいなくて、本を置いて休憩するにも苦労しました。 自分の息子が幼女誘拐犯かもしれない。一旦疑い始めると—- この人の作品にはただただ脱帽です!!! 2006年バリー賞最優秀長篇賞受賞作品 2005年は『蜘蛛の巣のなかへ』で第10位 いつもランクイ…