海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2010(2009年) 」 一覧

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検死審問ふたたび/パーシヴァル・ワイルド/創元推理文庫(2009.3.27発行)

☆本格ミステリ・ベスト10 海外 2010探偵小説研究会 (原書房)(2009年)第2位 ☆このミステリーがすごい!2010年版(2009年)ベスト20宝島社第18位 検死審問―インクエストの続編 復刊もの(作家は1953年に亡くなっている) 時代を感じさせないミステリのマニアが喜ぶ作品 現代のミステリに慣れている人には、展開が遅く、少しいらいらして途中でやめてしまう人もいるかもしれません。 最…

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本格ミステリ・ベスト10 海外 2010探偵小説研究会 (原書房)(2009年)

ミステリマニア向けのベストテンもの 2008年11月?2009年10月発行の本が対象 今年は原書房のものが全く入らず、創元推理文庫から6冊が選ばれている。 海外ミステリ第1位から第10位までの本を紹介 2009年12月10日原書房より発行 第1位 『災厄の紳士』2009年9月30日創元推理文庫より発行 第2位 『検死審問ふたたび』2009年3月20日創元推理文庫より発行 第3位 『虎の首』2009…

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ミスター・ディアボロ/アントニー・レジューン/扶桑社ミステリー(2009.8.27発行)

密室で殺人が起き、犯人はごく限られた人の中にいるというミステリは、最近あまり面白いとは思わなくなった。 トリックが語りつくされているからか、意外性があってもたかが知れているからかな。 本書は怪奇小説を好む方向きではありません。(タイトル名の「ディアボロ(ギリシャ語で悪魔の意」「悪魔の小道」等は最初から少ししか描かれていません。) 舞台は英米文学政治学会の大会が開催されるイギリス 探偵役は陸軍省所属…

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幽霊の2/3 /ヘレン・マクロイ/創元推理文庫(2009.8・30発行)

アメリカのミステリ作家ヘレン・マクロイ(1904-93)が1956年に発表した作品の再刊 精神科医を職業とする探偵の草分け 限られた登場人物のなかで、ひとつずつ謎を解いていくミステリ 古さを全く感じさせません。 物語は、売れっ子作家のエージョントの妻メグ・ヴィージーが、エレヴェーター内においてあったタブロイド紙を見たとたん、血の気が引いた—というところから始まる。 邦訳の題名は気が利いている。…

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水時計/ジム・ケリー/創元推理文庫(2009.9.11発行)

新聞記者だった作家が筆をとった週間新聞『クロウ』の記者フィリップ・ドライデン・シリーズの第1作 舞台はイングランド東部の小さな都市イーリー。洪水が脅威を増すなか、主人公はバートン・フェン農場で殺人者が来るのを待っていた—- ここから物語は一週間前にさかのぼって展開していく。 ドライデンを支えるタクシー運転手ハンフリーとのコンビ・昏睡状態の妻ローズの病状・刑事との関係等これからどうなっていくのか…

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災厄の紳士/D.M.ディヴァイン/創元推理文庫(2009.9.30発行)

パリのメトロの車内で地図を落とした娘にネヴィル・リチャードソンは声をかけた—- 大きな謎が早くから読者に提示され、それが何か知りたくて先を読まずにはいられない素晴らしい構成!! しかし、『ミレニアム1~3』のようにベストセラーにならなかったのには訳がある。 最後の謎解きの部分が不十分で(短すぎる)かつ納得がいかないところがあり、手をぬいたとしか思えない。最後にきて本当にがっかくりときた。それま…

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サイモン・アークの事件簿〈1〉/エドワード・D. ホック/創元推理文庫(2008.12.26発行)

年齢二千歳ともいわれ、超自然現象を追い求める、他の世界・他の時代から来たかのような男サイモン・アークが活躍する短編集10編 サイモン・アーク・シリーズの61ある作品から発表された各年代(50年代から2000年代まで)ごとに選んだ計10編   本書裏表紙には「オカルト探偵が快刀乱麻の推理力で挑む」とあります。 なんとなく、いつのまにか、読んでいる不思議な短編集 ☆2009年文庫翻訳ミステリーベスト1…