海外ミステリの本棚

海外ミステリの本棚では、翻訳されたミステリー最新刊を中心にベストセラーも含め実際に読んだ感想・書評 カテゴリー/おすすめを紹介。 独自のジャンル分けや各種ベストテンランキング該当かなども掲載しています。読書頻度は1週間に1,2冊ですが、10年で1000冊を超えました。最新のミステリ情報をこちらからどうぞ。

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「 2010年文庫 」 一覧

2010年文庫

2010年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)

2010年今年のミステリ・ベストテン[2009年10月1日?2010 年9月30日発行の文庫版の海外翻訳ミステリー(エンターテインメント)]もの最初の発表 文庫本に限定して海外ミステリのベストテンを選んでいます。 雑誌IN★POCKET11月号 第1位『エコー・パーク(上)(下)』2010年4月15日講談社文庫より発行 第2位『陸軍士官学校の死(上)(下)』2010年7月16日創元推理文庫より発行…

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ファージング Ⅲ バッキンガムの光芒/ジョー・ウォルトン/創元推理文庫(2010.8.31発行)

あまりに面白うミステリに出会うと、先を読みたい気持ちと読まずにいつまでもとっておきたいという気持ちとがせめぎ合ってたいへんです。 そんなことになった久しぶりのミステリ。 3部作を驚異的な短さで翻訳発行された東京創元社さんにも敬意を表します。 必ず第1作からお読みください。 ソ連がドイツの原子爆弾によって敗北し、日本とドイツがソ連を分割統治しているという歴史改変ミステリ。 第1作から約10年後の19…

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ファージング I 英雄たちの朝/ジョー・ウォルトン/創元推理文庫(2010.6.11発行)

☆2010年週刊文春ミステリベスト10(海外)第2位(3部作としての評価) ☆2010年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第4位 ☆このミステリーがすごい!2011年版(2010年)ベスト20宝島社第10位 ☆ミステリが読みたい!2011年版(早川書房)第5位(3部作としての評価) ☆闘うベストテン2010(AXNミステリチャンネル)国内外ミステリ第2位 これだけの評価を受けたミステリだけ…

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五番目の女(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2010.8.31発行)

スウェーデンの港町イースタのクルト・ヴァランダー警部シリーズ第6作  テロリストたちが、4人の女性を殺害する目的で進入した家屋には五番目の女が。 五番目の女も命を奪われ、その事実は闇から闇に葬られた。しかしベテランの捜査員による長い手紙によってその事実が娘に伝わったとき、驚愕の物語はスタートした—- スウェーデンのミステリはすごいとしかいえない。 前作に続いてまた、間違いなくベストテンものにラ…

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陸軍士官学校の死(上)(下)/ルイス・ベイヤード/創元推理文庫(2010.7.16発行)

☆2006年CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ賞ノミネート作品 ☆2007年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1830年、隠遁生活を送っていた元ニューヨーク市警ガス・ランダーのもとをウエストポイント陸軍士官学校から一人の士官が訪ねてきた— 解説は「あえて無名時代のエドガー・アラン・ポオにスポットライトを当てるという発想の転換が見事に決まった」と本書を紹…

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沼地の記憶/トマス・H・クック/文春文庫(2010.4.10発行)

このミステリーがすごい!宝島社ベストテンのランクイン数では、ジェフリー・ディーヴァーに次ぐ史上第2位の作家 作者はインタビューの中で 「スタンダードなミステリを書き続けるうちに物語の途中途中に手がかりを埋め込んでいかなくてはことにフラストレーションを感じはじめた」 「解決に向かって脇目もふらずに進んでいくような小説が好きではない」 また「暗い物語は光を届けるために書かれるのであって、闇をもたらすた…

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音もなく少女は/ボストン・テラン/文春文庫(2010.8.10発行)

主人公はアパートの管理人の暴君の父と小さな工場で働く母クラリッサのもとに1951年に生まれた耳の聴こえない娘イヴ 途中で涙が止まらなくなる場面があります。 ボストン・テランの作品は、気軽に読むミステリではありません. しかし読んだ後に元気が沸いてきます。 自分よりも弱い者・弱い立場にある者に対する暴力や愚行は、社会全体でなんとしてもとめなければなりません。 虐待事件が相次ぐ日本の児童相談所の職員に…

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震える山/ C・J・ボックス/講談社文庫(2010.4.15発行)

ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ第5作(邦訳では第4弾) ジョーの尊敬する猟区管理官ウイル・ジェンセンが自ら命を断ったという信じられない情報が保安官からもたらされた。 臨時にウイルの勤務地域の勤務を命じられ、家族から離れて任地に赴く彼を待っていたのは—- 2010年4月15日講談社文庫より発行 ☆2010年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第9位 第1作「沈黙の森](…

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エコー・パーク(上)(下)/マイクル・コナリー/講談社文庫(2010.4.15発行)

2年半ぶりのハリー・ボッシュ シリーズ第12作 未解決事件班刑事ハリー・ボッシュの心を離れない一つの事件。 それは、1993年22歳のマリー・ゲストが失踪した事件だった。彼女の車は10日後に発見され、彼女の失踪時に着ていた服が助手席にきちんと畳まれて置かれていた。 13年後、事件は急展開を見せる—- どう展開していくか予想のつかない面白さと刑事ハリー・ボッシュの被害者の家族を想い正義を追い求め…

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ラスト・チャイルド(上)(下)/ジョン・ハート/ハヤカワ文庫(2010.4.15発行)

読み終わった後に、しばらくは他のミステリを読む気にはなれないと思いました。 そう思うほど心に響くミステリ。 今年絶対にお勧めのミステリです!!!! ☆2009年CWA(英国推理作家協会) 最優秀スパイ・冒険・スリラー賞受賞作品 (The CWA Ian Fleming Steel Dagger) ☆2010年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀長篇賞受賞作品 13歳の少年ジョニー・メリモンとクラ…