評価: ☆☆☆☆☆

ノワールもの

七匹の蛾が鳴く/フランク・ティリエ/ランダムハウス講談社(2008.4.10発行)

パリ警視庁のフランク・シャルコ警視シリーズ第2作 パリ郊外の教会の中で、体毛をすべて剃られた全裸の女性が発見された。目立った外傷はなく、頭部には何故か七匹の蛾が------ この人の作品には本当に驚かされます。一度是非お試し下さい。但し、第1作『タルタロスの審問官』からお読み下さい。 女性警部補リュシー・エヌベルが活躍するシリーズでも好評を博しているそうです。是非こちらのシリーズも翻訳をお願いいた...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

敵意ある証人/ウィリアム・ラシュナー/扶桑社ミステリ(1999.4.30発行)

若き弁護士ヴィクター・カールは、大手法律事務所に就職を希望するも、ことごとく不採用となり、やむなく仲間たちと弁護士事務所を開業する。 そんなある日、彼にとって千載一遇とも言うべき仕事が舞い込んだのだが----- 出世欲ばかりあって、失敗ばかりのカールをパートナーの女性弁護士エリザベス・デリンジャーや私立探偵モーリス・カプスティーンたち脇役たちが支えていきます。 なぜか憎めないカールをずっと読んでい...
ラブ(ロマンス)サスペンス

外科医/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2003.8.10発行)

本書のヒロインはなんといっても外科医のキャサリン・コーデル その脇役にボストン市警察殺人課刑事トマス・ムーアと同女性刑事のジェイン・リゾーリ 女性の子宮を抉り取り喉を掻き切る猟奇連続殺人事件が発生。数年前に同様の事件が起きていたが、そのときの犯人は被害者によって射殺されていたのだが---- 女医さんでなければ描けない描写 女性に対するとても残忍な事件なのですが、作者の根底に流れる人間に対する暖かい...
2004海外ミステリ

嘘つき男は地獄へ堕ちろ/ジェイソン・スター/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2004.6.20発行)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル) 海外ミステリ次点(第11位) どんな結末が待っているのか、いろいろと考えることができてとても楽しめました。 もちろんこんな結末は予想していませんでしたが。 この作家の作品は訳者によれば二つの系列があり、ひとつはエリートサラリーマンの転落物・もうひとつはギャンブルのめり込み物 本書は二つの系列を組み合わせて物語が出来上がっていますとのことです。 デビュー...
ストックホルム市警エーヴェルト・グレーンス警部とスヴェン・スンドクヴィスト警部補 シリーズ

制裁/アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム/ランダムハウス講談社(2007.7.1発行)

2005年グラスニッケル賞(最優秀北欧犯罪小説賞)受賞 スウェーデンのベストセラーリストに14週間連続でランクイン 一気に読んでしまいました。これまたお勧めの一作です。 舞台はスウェーデンのストックホルム近郊のストレングネース 原題「ODJURET」は怪物・野獣という意味 アンデシュ・ルースルンドはジャーナリスト ベリエ・ヘルストレムは自らも犯罪者として刑務所で服役した経験から、犯罪の防止を目指す...
ノワールもの

タルタロスの審問官/フランク・ティリエ/ランダムハウス講談社(2007.9.1発行)

2004年度フランス国鉄推理小説賞の最終候補作 本書はデビュー作 主人公はパリ警視庁のフランク・シャルコ警視 警視に入れ込んでしまうことを止めることは出来ません。また必読の警部シリーズが一つ追加されました。 2008年4月10日に続編の『七匹の蛾が鳴く』が発行されています。 訳者あとがきで「ネット上で一般読者が採点するお薦め度が軒並み5つ星であることからも人気の度合いが知れる」とあります。 何故日...
2007年

終決者たち(上)(下)/マイクル・コナリー/講談社文庫(2007.9.14発行)

2007年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第1位 待ちに待った刑事ハリー・ボッシュ シリーズ第11作 手元にあったのに読むのが待ったいなくてしばらく置いておりました。飾っておりました。 読み終わったときには自然に涙が出てきてしまいました。 ロサンゼルス市警・未解決事件(コールド・ケース)班の刑事に3年ぶりに復帰したボッシュ 相棒はキズミン・ライダー 天敵のアーヴィン・アーヴィングもま...
猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ

神の獲物/C.J.ボックス/講談社文庫(2008.3.14発行)

ずっと待っていました。やっとでました待望のワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット シリーズ第4作(邦訳では第3弾) いろいろの書評では余り評価が高くありませんが、家族を何より大事にし、真っ直ぐな心だけを持って事件の解決に突き進むジョー・ピケットをあなたも応援してみませんか。 出来れば第1作からお読みください。第1作「沈黙の森]第3作「凍れる森」 原題は「TROPHY HUNT」 アメリカでは8作...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

独善(上)(下)/ウィリアム・ラシュナー/講談社文庫(2008.2.15発行)

法廷ミステリファンにこの最新作を絶対の自信を持ってお勧めいたします。 弁護士ヴィクター・カールシリーズ第5作 既に第7作まで発表されています。 人を助けようとする気持ち・人に対する優しさを持っている弁護士ヴィクター・カールを心から応援しながら一気に読んでしまいました。 妻を殺害したとして終身刑の宣告を受けたフランス人シェフのフランソワ・デュベから再審請求の依頼が。この事件は少し調べただけで奇妙な点...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

罪の段階(上)(下)/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(1998.11.1発行)

1995年週刊文春ミステリベスト10(海外)第9位 法廷ミステリの傑作 全ての法廷ミステリファンに絶対の自信を持ってお勧めいたします。 解説の中でも「傑作中の傑作である。ミステリーファンの読者は、いや小説好きのすべての読者は、この機会に是非手に取っていただきたい」と絶賛しています。 リチャード・ノース・パタースンの第5作 [ 原題Degree of Guilt (1992) ] 第1作の「ラスコ...
2005年

ジーヴズの事件簿/P.G.ウッドハウス/文藝春秋(2005.5.30発行)

2005年週刊文春ミステリベスト10(海外)第8位 思わずほほえんだり、大声でげらげら笑ってしまう面白さ これってでもミステリなのかな 楽しいものを読みたい方にお薦めします。 P.G.ウッドハウス(1881?1975) 全世界で百年以上も読まれ続けるイギリスの巨匠 60年以上にわたってジーヴズ(従僕)とウースター(若主人)を主人公とした作品を書き続けた。 本書はより抜きの12編に加え特別収録作品1...
短編集もの

サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ/エドワード D.ホック/創元推理文庫(2000.5.26発行)

2000年週刊文春ミステリベスト10(海外)第3位 時は1992年ノースモストの田舎の医師サム・ホーソーンが若き日を回想して語られる不思議な事件の数々 短編集はあまり好きではないのですが、すっかりはまってしまいました。 次の作品のプロローグが各作品の最後に語られる手法にまんまとやられてしまいました。次の話を読むのをとめることができなくなりました。 医師サム・ホーソーンもの12作と他に1作を収録 ...
ラブストーリー

ハズバンド/ディーン・クーンツ/ハヤカワ文庫(2007.4.25発行)

11時43分携帯電話にかかってきた一本の電話が造園業を営むミッチを地獄に突き落とした----- 先を一刻も早く読みたくてひどい寝不足になってしまいました。 次々と立ちはだかる障害・連続して起こるスリル満点の展開の速さに脱帽です。 対決の刻(上)(下)講談社文庫と違ってSF的な要素は全くありません。題名があらわすように夫婦の愛の物語です。 愛する人のためならばあなたは人を殺せますか。 2007年4月...
2007海外ミステリ

目くらましの道(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2007.2.16発行)

スウェーデンの港町イースタの警部クルト・ヴァランダー シリーズ第5作(長篇)  読み終わってしまったのが、残念でなりません。また、最初から読み直そうかな。 久しぶりに迫力のある警察捜査小説にまた出会うことができました。捜査もののミステリが好きな人には絶対にお薦めの作品です。 マイクル・コナリーの刑事ハリー・ボッシュ シリーズと肩を並べる心に残る警察小説 こちらには無能でいやな上司は出てこないし、み...
2007海外ミステリ

怪盗タナーは眠らない/ローレンス・ブロック/創元推理文庫(2007.6.22発行)

闘うベストテン2007(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 1966年に書かれた本書 今年のベストテンものには古い作品が多いのが特徴ですね。 脳に損傷を受けたため、眠ることができなくなったエヴァン・タナー  その時間を利用して語学や歴史の学習に入れ込み、世界中のさまざまな団体に所属して知的好奇心を満足させていました。大量のアルメニア金貨がトルコ領内に埋もれているとの情報を得て----- ジョ...