評価

ダンカン・キンケイド警視とジュマ・ジェイムズ警部補 シリーズ

警視の覚悟/デボラ・クロンビー/講談社文庫(2010.10.15発行)

ダンカン・キンケイド警視とジュマ・ジェイムズ警部補のシリーズ第11作 クリスマス・イブ ロンドンを出発してダンカンの実家に到着した4人を待ち受けていたのは、ダンカンの妹からの電話だった---- 事件のなぞを解くところに重点があるのではなく、家族の愛と憎しみに重きを置いたミステリ ダンカンとジェマの二人が互いに相手に気持ちを慮っていろいろと遠慮するのは相変わらずですが、4人の家族の絆は強まっていきま...
評価: ☆☆☆☆

殺意の試写状/サンドラ・ブラウン/集英社文庫(2010.11.25)

ホテルのエレベーターの中で強盗事件が起き、一人の男が殺害されたところから物語は始まる。 その男は地元アトランタの王といってよい会社のオーナーだった---- サンドラ・ブラウンを久しぶりに読みました。 サスペンスとラブロマンスを両方とも楽しみたい方・水戸黄門のようにいつものパターンがあると安心する方是非お読みください。 次作の作品の主人公は、今回調査員として活躍したドッジ・ハンフリー 「同じ人物で面...
2011年版(早川書房)

夜の試写会/S・J・ローザン/創元推理文庫(2010.4.16発行)

☆ミステリが読みたい2011年版(早川書房)第17位 私立探偵リディア・チン&ビル・スミスの短編7作を集めたもの 二人が一緒に活躍する作品は2作品しかありませんが、このシリーズのファンにとっては必読の短編集です。 作品の発表順にしなかったのは何か深いわけがあるのでしょうか。 できれば発表順に並べてほしかったと思います。 「夜の試写会」(1994) 「熱き想い」(1992) 「ペテン師ディランシー...
男性刑事(捜査官)もの

説教師 エリカ&パトリックの事件簿/カミラ・レックバリ/集英社文庫(2010.7.25発行)

伝記作家のエリカ・ファルクとターヌムスヘーデ警察署刑事のパトリック・ヘードストルムのシリーズ第2作 30カ国以上で刊行され、テレビドラマ化され、映画化も決定しているのには訳があります。 とにかく面白いのです。 本書には人物関係図や地図もついていて、わかりやすい工夫がされていて助かりました。 既に第7作まで刊行されているスウェーデンのミステリの傑作 エリカは妊娠していて今回はあまり捜査面での出番はあ...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

州検事(上)(下)/マーティン・クラーク/ハヤカワ文庫(2010.6.10発行)

久々の本格法廷ミステリもの 現職の巡回判事が綴る心を揺さぶる迫真のリーガルサスペンス 品位のあるミステリを心から楽しめます。 30週連続でAmazon(アマゾン)のリーガル・スリラー部門のベストセラーリストにランクイン 是非お読みください。 原題は「The Legal Limit」 ヴァージニア州で酒酔い運転と認定されるアルコール含有量の基準値を意味しているそうです。 2010年6月10日ハヤカワ...
評価: ☆☆

追跡する数学者/ディヴィット・ベイジョー/新潮文庫(2010.9.1発行)

原題は「The 351 Books of Irma Arcuri」 このまま直訳した方が本の内容にあっています。 訳者はあとがきで「読んでいるうちに誰が誰なのか、誰が虚構で誰が現実の登場人物なのかわからなくなってくる」とディヴィット・ベイジョーの世界を紹介しています。 2008年に発表されたデビュー作品です。 amazonのレビューの方が「失踪した元恋人を天才数学者が追う、なんて自分好みの小説かと...
2010年

ノン・ストップ!/サイモン・カーニック/文春文庫(2010.6.10発行)

☆2007年バリー賞(THE BARRY AWARDS)最優秀サスペンス賞(BEST THRILLER)ノミネート作品 IT企業の営業のトム・メロンが土曜日の午後3時に電話の受話器を取ったとき、聞こえたのは4年近くも口をきいていない親友の声だった---- ノン・ストップサスペンスの生みの親サイモン・カーニックの第5作 本当に息をつく暇もありません。 ドラマ『24』を思い出しました。 本書あとがきは...
2010年文庫

五番目の女(上)(下)/ヘニング・マンケル/創元推理文庫(2010.8.31発行)

スウェーデンの港町イースタのクルト・ヴァランダー警部シリーズ第6作  テロリストたちが、4人の女性を殺害する目的で進入した家屋には五番目の女が。 五番目の女も命を奪われ、その事実は闇から闇に葬られた。しかしベテランの捜査員による長い手紙によってその事実が娘に伝わったとき、驚愕の物語はスタートした---- スウェーデンのミステリはすごいとしかいえない。 前作に続いてまた、間違いなくベストテンものにラ...
男性刑事(捜査官)もの

催眠(上)(下)/ラーシュ・ケプレル/ハヤカワ文庫(2010.7.25発行)

「スウェーデン発『ミレニアム』に続く衝撃のサスペンス」と本書あとがきに 匿名作家の完成度の高い処女作に、その正体が誰かをめぐり、2009年スウェーデン出版界の話題を独占した作品 ミレニアム三部作の故スティーグ・ラーソンが実は生きているのではという説まで飛び出した。 そして、なんと本国での出版を待たずに20カ国以上に翻訳権が売れたそうです。 一家皆殺し事件の唯一の生存者で瀕死の重傷を負った少年から事...
ユーモア・ミステリ

ぼくを忘れたスパイ(上)(下)/キース・トムソン/新潮文庫(2010.10.1発行)

痛快で笑いを誘うユーモア・スパイ小説 避けて通れない認知症 この頃NHKでは毎日のように認知症対策の特集を組んでいます。 とびきり有能なスパイがアルツハイマー病にかかったら--- 原題は「ONCE A SPY」 ソーシャルワーカーからの電話で疎遠だった父を施設に迎えにいったチャーリーは、父の症状はアルツハイマー病だとの説明を受ける---- 既に第2作「Twice A Spy」の刊行が決まっているよ...
ユーモア・ミステリ

おっぱいとトラクター/マリーナ・レヴィツカ/集英社文庫(2010.8.25発行)

原題は直訳すると「ウクライナ語版トラクター小史」というまったく意表をつくタイトルだそうです。 そうでなくとも笑いがこみ上げてきて電車の中では読みにくいのに、この邦題ではカバーなしには本を開けられませんね。 物語は「母さんが死んで二年が過ぎた頃、父さんはウクライナ生まれのバツイチ金髪美女に入れあげた。84歳の父さんに対しテ、相手は36歳」という書き出しで始まります。 痛快なのになぜか物悲しいユーモア...
2011年版(早川書房)

回帰者/グレッグ ルッカ/講談社文庫(2010.8.12発行)

約2年の月日を経てやっと、ボディーガードのアティ カス・コディアックを主人公とするシリーズ第6作(番外編を入れると第7作)がでました。 グルジアの小さな町コブレチでアリーナとひっそりと暮らしていたアティ カスの平和な時間は、愛犬ミアタが何かに反応していると目覚めたときに終わった---- 『逸脱者』の後半部分・『哀国者』本書で3部作が完成 必ず『逸脱者』からお読みください。出来れば第1作『守護者』か...
冒険アクションもの

天使は振り返る(上)(下)/グレッグ・アイルズ/講談社文庫(2010.8.12発行)

待ちに待ったグレッグ・アイルズの作品が約2年の歳月を経て、やっと手の中にあります。 そのプロローグは衝撃的です。 町の誇りと讃えられていた17歳の美しい少女が流れに浮かび、ミシシッピ川へと流れていった---- 主人公は検事出身で43歳の作家ペン・ケージ  『沈黙のゲーム』から7年 シリーズ第2作 法廷ミステリではありません。ハードボイルドな冒険アクション小説です。 読み終わった後にあなたには何が残...
冒険アクションもの

暗闇の岬/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.8.25発行)

主人公は女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第3作 今回は向こう見ずなアクションよりも、愛する二人の心の葛藤を描くことに重点があります。 心に沁みる内容になっているのですが、痛快といえないのは、不快な人物を登場させすぎたから。もう少し不快な人物の数を絞ったらよかったのに。 不快な人物が多くてイライラして、エヴァン・ディレニーの...
2010年文庫

陸軍士官学校の死(上)(下)/ルイス・ベイヤード/創元推理文庫(2010.7.16発行)

☆2006年CWA(英国推理作家協会)最優秀歴史ミステリ賞ノミネート作品 ☆2007年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞ノミネート作品 舞台は1830年、隠遁生活を送っていた元ニューヨーク市警ガス・ランダーのもとをウエストポイント陸軍士官学校から一人の士官が訪ねてきた--- 解説は「あえて無名時代のエドガー・アラン・ポオにスポットライトを当てるという発想の転換が見事に決まった」と本書を紹...