評価

評価: ☆☆☆☆☆

さよならまでの三週間/C・J・ボックス/ハヤカワ文庫(2010.5.15発行)

養子縁組紹介所のジュリーからの電話は、「実の父親が、アンジェリーナを返して欲しいって」--- 三週間の猶予を与えられたジャックとメリッサの夫婦は、引き取った赤ん坊アンジェリーナを守るため文字道理死力を尽くす--- 『ブルー・ヘブン』で2009年アメリカ作家クラブ賞最優秀長編賞を受賞 猟区管理官ジョー・ピケット シリーズでも有名な作家C・J・ボックスが送る本作品 読み終わったときに涙が自然にでてきま...
2010国内外ミステリ

沼地の記憶/トマス・H・クック/文春文庫(2010.4.10発行)

このミステリーがすごい!宝島社ベストテンのランクイン数では、ジェフリー・ディーヴァーに次ぐ史上第2位の作家 作者はインタビューの中で 「スタンダードなミステリを書き続けるうちに物語の途中途中に手がかりを埋め込んでいかなくてはことにフラストレーションを感じはじめた」 「解決に向かって脇目もふらずに進んでいくような小説が好きではない」 また「暗い物語は光を届けるために書かれるのであって、闇をもたらすた...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

堕ちた預言者/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1999.8.27発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第5弾 リナも30歳デッカーも42歳になりました。 妊娠中のリナのため焼きたてのパンを買いに出た帰り、通報があった場所がわずか12ブロック先だったデッカーは現場に向かった。厄介な事件に巻き込まれることも知らずに---- ある種の危険な人には、とにかく近づかないことが一番なのですが、それが肉親の場合には付合いをしないことはとても困難を伴います...
冒険アクションもの

裏切りの峡谷/メグ・ガーディナー/集英社文庫(2010.5.25発行)

主人公は軍人一家に育った女性弁護士でSF作家のエヴァン・ディレニーとボーイフレンドで車椅子の弁護士ジェシー・ブラックバーンのシリーズ第2作 第1作から約6ヶ月で第2作と対面できましたが、出版社も翻訳者も変わりました。 内容はとびっきりの冒険アクションサスペンス そんなのありかなという事件が連続する。休む暇はありません。 訳者はあとがきで主人公のエヴァン・ディレニーを 「知識人にあるまじき悪態をつき...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

贖いの日/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1997.7.25発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第4弾 一年間猛烈に働いて、二週間の休暇をためリナとハネムーンに出たデッカー。想像していたのとは大違いのハネムーン。 なんとニューヨークのリナの亡父の家族と新年際を過ごしているのだった--- 親と子・妻と夫・兄弟姉妹 愛の形をいろいろと考えさせる本書はミステリや警察官物と呼ぶにはふさわしくないかもしれません。 リナに手錠をかけたデッカーには...
2010年

音もなく少女は/ボストン・テラン/文春文庫(2010.8.10発行)

主人公はアパートの管理人の暴君の父と小さな工場で働く母クラリッサのもとに1951年に生まれた耳の聴こえない娘イヴ 途中で涙が止まらなくなる場面があります。 ボストン・テランの作品は、気軽に読むミステリではありません. しかし読んだ後に元気が沸いてきます。 自分よりも弱い者・弱い立場にある者に対する暴力や愚行は、社会全体でなんとしてもとめなければなりません。 虐待事件が相次ぐ日本の児童相談所の職員に...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

豊饒の地(上)(下)/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1995.9.29発行)

正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第3弾 深夜、丘陵地帯をゆっくり車で走り帰宅しようとするデッカーに一瞬の光が目にとまった。 捜索をやめるなと告げる内なる声に導かれたデッカーを待っていたのは、二歳にも満たない幼児だった---- 愛と友情の物語は深く深く読む人をひきつける。 今回は両親からの捜索願が出ないのに大事にされていたことがわかる幼児の事件・デッカーの戦友エイベルが売...
ラブストーリー

聖と俗と/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1993.12.17発行)

17年前このシリーズは読んだ記憶がありますが、最新作を読んで今回また読み返すことにしました。 正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ 第2作 クリスマス・イヴにデッカーと山の中でキャンプを張っていたリナの子供サミーが黒焦げの人骨2体を発見したところから本編第2作は始まります。 このシリーズは、リナとデッカーと、その二人をめぐる人々の愛と成長の物語です。 社会の厳しい現実と宗教の...
歴史ミステリもの

P2(上)(下)/ルイス・ミゲル・ローシャ/新潮文庫(2010.6.1発行)

2006年世界的ベストセラーになったポルトガルの作家のミステリ 1978年9月に在位わずか33日でローマ法王ヨハネ・パウロ一世が自室で遺体で発見された事件と30年後の現代とが錯綜して読者の前に現れる。 村上春樹の日本語を読んだ後ではこの翻訳の日本語はちょっとつらいものがありました。 それでもどんどん読んでいったのは、世紀の事件の究明に挑み、先を知りたいと思わせる構成力のせいでしょうか。 本書は「ヴ...
「もしもの世界」でのミステリ(SFミステリ)もの

[番外編]1Q84 BOOK1?3 /村上春樹/新潮社(2010.4.16発行)

作者の解説によれば“10歳で出会って離れ離れになった30歳の男女が、互いを探し求める話” べストセラーになる本は読みやすくて、先を読みたいと誰もが思うような構成と展開を持っている。 昨年世界中を巻き込んだベストセラー『ミレニアム1?3』にもまったく同じことが当てはまります。 大きな違いは、ミレニアムの作家は亡くなってしまったが、村上春樹は元気なこと。 第3巻は展開が遅く、ちょっといらいらさせられた...
正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ

水の戒律/フェイ・ケラーマン/創元推理文庫(1993.4.23発行)

☆1987年マカヴィティ賞(Macavity Award)最優秀処女長編賞受賞作品 舞台はロサンゼルスにある正統派ユダヤ教の神学校イェシヴァを中心としたユダヤ教徒のコミュニティ この閉ざされたコミュニティのなかで事件が相次いで起こる---- 二人はこの事件で知り合うことになりました。 正統派ユダヤ教徒リナ&ロサンゼルス市警のデッカー・シリーズ第1弾 作者は「ユダヤ教徒のコミュニティを描くことで、ユ...
ローマ市警の刑事ニック・コスタ シリーズ

聖なる比率(上)(下)デヴィッド・ヒューソン/武田ランダムハウスジャパン(2008.10.10発行)

ローマ市警の刑事ニック・コスタのシリーズ第3作 大雪に見舞われたローマのパンテオンで、背中に不可解な紋様が刻まれた女性の全裸死体が発見された---- 事件の究明にひた走る仲間たち 上司のレオ・ファルコーネは上層部からの捜査に関する圧力を無視する パートナーのジャンニ・ペローニは心を病んだ戦争孤児の少女に限りない優しさを与え、事件背景を隠すFBI捜査官の顔にハンバーカーを押しつける 病理学者のテレサ...
女性私立探偵もの

押しかけ探偵/リース・ボウエン/講談社文庫(2010.6.15発行)

☆2003年アガサ賞(AGATHA AWARDS)最優秀長篇賞(BEST NOVEL)ノミネート作品 物語の舞台は、1901年のニューヨーク 22歳のアイルランド人女性モリー・マーフイが主人公の待望のシリーズ第2作 前作からちょうど3年の年月を経て第2作が登場しました。ちょっとばかり待たされすぎです。 初めてお読みになる方は必ず第1作からお読みください。 女性に職業選択の自由がほとんどなかった時代...
ローマ市警の刑事ニック・コスタ シリーズ

蜥蜴の牙(上)(下)/デヴィッド・ヒューソン/武田ランダムハウスジャパン(2010.6.10発行)

ローマ市警の刑事ニック・コスタのシリーズ第4作 薪とガスという昔ながらの方法で父から伝えられた秘伝の技術でガラスを作るアルカンジェロ家のガラス職人ウリエル その日、炉の状態がいつもと違うことに気がついた---- ローマからヴェネツィアに飛ばされたニックとその仲間たちが、事件の背後にいる黒幕にすべてを投げ打って正義の戦いを挑みます。 彼らを応援して読むほうも力が入ってしまいました。勝利するのはいった...
コージー・ミステリもの

猫は14の謎をもつ/リリアン・ジャクソン・ブラウン/ハヤカワ・ミステリ文庫(1991.7.15発行)

新聞記者クィラランとシャム猫ココ・シリーズ(29作まで刊行)で人気の小説家が初めて贈る猫好きにはたまらない14の短篇集 20年も前の作品ですが、猫好き特にシャム猫を好きな人にとっては必読のミステリです。 いろいろな猫と暮らしたことがありますが、シャム猫は本当に気高く・賢く聡明でした。 障子を前足二本で開けてしまう。 初めて車に乗ってもまるで動じない。 気に入らない餌は頑として食べない。 そんなかわ...