ジャンル

2009年

ソウル・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋(2009.10.29発行)

リンカーンライムとアメリア・サックスのシリーズ第8作 知的なゲームの究極 犯人対リンカーンライムチーム 筆者対読者 情報化社会の恐怖 筆者はどうしてこんな犯罪者を考えつくのでしょうか。 ジェフリー・ディーヴァーさん、あなたにはいつも脱帽です!!! 読み終えるのがいやで、なかなか本を閉じることのできないミステリを本当にいつもありがとうございます。 ただ、最後の第5部の部分は初めて読む方のためにも、も...
コージー・ミステリもの

スリー・パインズ村の不思議な事件 ガマシュ警部シリーズ/ルイーズ・ペニー/ランダムハウス講談社(2008.7.10発行)

この作品が日本のミステリベストものにどうして入らなかったのでしょうか。まったく不可思議。まさにミステリ!! めちゃくちゃに面白いのに。 ミステリファンの方、絶対にお勧めの本です!!! コージー・ミステリものと警察小説との融合した作品(?) 舞台となるのは、カナダ・ケベック州の地図にも載っていないような小さな村スリー・パインズ 警察もなく、家に鍵をかける習慣さえない平和な村で事件が起きた。森の中で老...
男性私立探偵もの

ベツレヘムの密告者/マット・ベイノン・リース/ランダムハウス講談社(2009.6.10発行)

☆2008年英国推理作家協会(Crime Writers' Association )最優秀処女長篇賞(The CWA John Creasey Dagger )受賞作品 舞台はパレスチナ 主人公は56歳のデハイシャ難民キャンプの歴史教師オマー・ユセフ・シルハン 教え子で誇りに思っていたジョージ・サバと夕食を共にするところから物語は始まる。 筆者はインタビューで「パレスチナ側を犠牲者として描きなが...
男性刑事(捜査官)もの

国境の少女/ブライアン・マギロウェイ/ハヤカワ文庫(2008.4.25発行)

2007年CWA英国推理作家協会(Crime Writers' Association)最優秀処女長篇賞(THE CWA NEW BLOOD DAGGER)ノミネート作品 舞台は現代のアイルランド アイルランドを南部と北部に分ける国境をまたがって一人の少女の死体が横たわっていた--- 主人公はアイルランド共和国警察のベネディクト・デヴァリン警部 次から次に起きる事件・納得の行く動機 あっという間に...
2010(2009年)

ミスター・ディアボロ/アントニー・レジューン/扶桑社ミステリー(2009.8.27発行)

密室で殺人が起き、犯人はごく限られた人の中にいるというミステリは、最近あまり面白いとは思わなくなった。 トリックが語りつくされているからか、意外性があってもたかが知れているからかな。 本書は怪奇小説を好む方向きではありません。(タイトル名の「ディアボロ(ギリシャ語で悪魔の意」「悪魔の小道」等は最初から少ししか描かれていません。) 舞台は英米文学政治学会の大会が開催されるイギリス 探偵役は陸軍省所属...
ノワールもの

震え/ピーター・レナード/ランダムハウス講談社(2009.10.10発行)

アメリカが誇るミステリ界の大御所エルモア・レナードの息子のデビュー作品 夫を事故で亡くしたばかりのケイトと息子のマーク 悪人どもに狙われた二人の孤独な闘いをお楽しみください。 amazonなどのレビューを読むと「まるで映画を見ているよう」との感想が。 確かにスピーディーで速い展開のミステリで、登場人物も個性豊かで面白い。 原題は「QUIVER」震えるの意味ではなく、矢筒の矢と訳した方が本作に適して...
女性刑事(捜査官)もの

ダーク・サンライズ/デイヴィッド・ハンドラー/講談社文庫(2009.11.13発行)

映画評論家のミッチ・バーガーと州警察警部補から村の駐在になったデジリー・ミトリーのシリーズ第4作 ミッチはドーセット村で初めての冬を過ごす。 荒天により外界から隔絶されたホテルの中で起きる密室ミステリ。 2人の相手に対する気持ちの強さ・事件の解決を2人で目指す想定にこのシリーズのファンは大いに楽しめました。 またまた2人とも無傷ではありませんでしたが。 2009年11月13日講談社文庫より発行 第...
2009年

犬の力(上)(下)/ドン・ウィンズロウ/角川文庫(2009.8.25発行)

衝撃のミステリは、メキシコ・バハカルフォルニアで幕を開ける。アート・ケラーは銃弾の雨に倒れた19体の屍を前に十字を切る----- 強烈な内容にあっという間に引き込まれます。 麻薬撲滅がなぜできないのか。中南米がなぜ豊な国になれないのか。 泥沼の戦いに勝者はどこにもいません。 メキシコやコロンビアがいつか本当に意味での独立を果たす日がくることを祈って本書を閉じました。 麻薬カルテルとのエンドレスの戦...
2009年文庫

幽霊の2/3 /ヘレン・マクロイ/創元推理文庫(2009.8・30発行)

アメリカのミステリ作家ヘレン・マクロイ(1904-93)が1956年に発表した作品の再刊 精神科医を職業とする探偵の草分け 限られた登場人物のなかで、ひとつずつ謎を解いていくミステリ 古さを全く感じさせません。 物語は、売れっ子作家のエージョントの妻メグ・ヴィージーが、エレヴェーター内においてあったタブロイド紙を見たとたん、血の気が引いた---というところから始まる。 邦訳の題名は気が利いている。...
ジャーナリスト(新聞記者・雑誌編集者)もの

氷姫 エリカ&パトリックの事件簿/カミラ・レックバリ/集英社文庫(2009.8.25発行)

読み終わった後で思わずにやりとしてしまうミステリ。 主人公は、伝記作家のエリカ・ファルクと幼なじみのターヌムスヘーデ警察署刑事のパトリック・ヘードストルム 舞台となるのはスウェーデンのかつては漁業によって生計を立てていた風光明媚な街フィエルパッカ 北欧ミステリの新星が描くシリーズ400万部の話題作 既に第4作まで刊行 物語は「その家は人の気配もなく、寂しかった。----浴槽の中には薄い氷の膜ができ...
2010(2009年)

水時計/ジム・ケリー/創元推理文庫(2009.9.11発行)

新聞記者だった作家が筆をとった週間新聞『クロウ』の記者フィリップ・ドライデン・シリーズの第1作 舞台はイングランド東部の小さな都市イーリー。洪水が脅威を増すなか、主人公はバートン・フェン農場で殺人者が来るのを待っていた---- ここから物語は一週間前にさかのぼって展開していく。 ドライデンを支えるタクシー運転手ハンフリーとのコンビ・昏睡状態の妻ローズの病状・刑事との関係等これからどうなっていくのか...
2009年文庫

サイモン・アークの事件簿〈1〉/エドワード・D. ホック/創元推理文庫(2008.12.26発行)

年齢二千歳ともいわれ、超自然現象を追い求める、他の世界・他の時代から来たかのような男サイモン・アークが活躍する短編集10編 サイモン・アーク・シリーズの61ある作品から発表された各年代(50年代から2000年代まで)ごとに選んだ計10編   本書裏表紙には「オカルト探偵が快刀乱麻の推理力で挑む」とあります。 なんとなく、いつのまにか、読んでいる不思議な短編集 ☆2009年文庫翻訳ミステリーベスト1...
2009年文庫

誇りと復讐(上)(下)/ジェフリー・アーチャー/新潮文庫(2009.6.1発行)

物語はダニー・カートライトが満員のレストランの床にひざまずいて、ベス・ウィルソンに求婚したところから始まる。 苦難を乗り越えるようとする主人公を支える仲間たちが、ほほえましく読んでいて心が温まる。 展開の速さと、登場人物たちのユニークさに映画化したらどんなに面白いか。 ☆2009年文庫翻訳ミステリーベスト10(講談社文庫)第8位 2009年5月28日新潮文庫より発行 筆者紹介:1940年英国生ま...
2010年版(早川書房)

白夜に惑う夏/アン・クリーヴス/創元推理文庫(2009.7.31発行)

シェトランド島の小さな閉鎖的な村に住む人々を細やかに描写し、すごく緻密で計算されつくしたといえる本格推理ミステリ 今年のミステリベストテンものにまた旋風をおこすのでしょうか。 イギリス最北の地 シェトランドを舞台に春・夏・秋・冬それぞれの季節に合わせ<シェトランド四重奏>を奏でる第2作目 主人公はシェトランド署のジミー・ペレス警部 物語は彼の立場だけでなく、一緒に捜査するインヴァネス署のロイ・テ...
2010年版 (2009年)

毒蛇の園/ジャック・カーリイ/文春文庫(2009.8.10発行)

モビール市警察本部刑事カーソン・ライダーのシリーズ第3作 会心の作品です。但し、必ず第1作からお読みください。 トラック運転手からの通報を受けて現場に向かうカーソン・ライダーと相棒のハリー・ノチラス 付近にいる別の刑事チームとどちらが担当になるか競争になったが----- 前作発行からなんと2年9ヶ月の歳月を経て出されました。 2作目が出たときも1年半待たされましたが、どんな事情があるにせよ読む側の...