ジャンル

短編集もの

悲しみは早馬に乗って/ドロシー・ギルマン/集英社文庫(2008.4.25発行)

ドロシー・ギルマンが駆け出しの作家だった1950年代から1960年代にかけて発表した読み切りの短編を日本でまとめたもの 読み終わったあとに心が温かくなるような(ほっと安心するようなものもあります)短編ばかり8篇 訳者は「生きていくうえで、何が大切かという問いかけ」がいつも作品に込められていると述べています。 収録作品『悲しみは早馬に乗って』『夢見る人』『客間のジャイアンツ』『エスケープ』『ダイヤル...
ラブ(ロマンス)サスペンス

夜の炎/キャサリン・コールター/二見文庫(2008.1.15発行)

舞台は19世紀初頭のナポレオンが退位した頃のイングランド 両親を失ったアリエルは17才で後見人異父兄エヴァンによって老レンデル子爵のもとに嫁がされた------ 大きなトラウマを抱えた女性を描くことが多いコールター 今回の主人公も極めつけ ここまで来るとちょっと抵抗感すら憶えてしまう 何もここまで試練を与えなくてもいいのに 応援するよりいらいらしてしまいました。 原題は「Night Fire」 ...
2005海外ミステリ

どんがらがん(奇想コレクション)/アヴラム・デイヴィッドスン/河出書房新社(2005.10.30発行)

闘うベストテン2005(ミステリチャンネル)海外ミステリ第10位 「物は証言できない」はEQMM短編小説コンテスト第一席受賞作 「さもなくば海は牡蛎でいっぱいに」はヒューゴー賞受賞  ☆ヒューゴー賞 (The Hugo Awards) 1953年に創設された最も歴史の古いSF賞であり、SF界ではもっとも権威のある賞 対象は前年度に英語で発表された作品 「ラホール駐屯地での出来事」はMWA(アメリカ...
お料理・お茶の名人もの

桃のデザートには隠し味 お料理名人の事件簿1/リヴィア・J・ウォッシュバーン/ランダムハウス講談社(2007.12.1発行)

主人公はもと歴史科教師で下宿屋を営むフィリス・ニューサム 桃の名産地のテキサス北部の平和な田舎町ウェザーフォードで3人のもと女性教師達と暮らしています この平和な町ウェザーフォードで果樹園のオーナーがジャッキでつぶされる事件が起こり、これを手始めに次から次に------- 事件に巻き込まれたフィリスは素人探偵に 気軽に読めるけれど、出された命題(児童虐待・セクシャルハラスメント・介護問題等)は深い...
ラブストーリー

ガラスのなかの少女/ジェフリー・フォード/ハヤカワ文庫(2007.2.28発行)

2006年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞受賞 舞台は1932年アメリカ東海岸 世界大恐慌のあとの混乱の時代 金持ち相手の降霊会を催して金を搾り取る詐欺師たちは、降霊会のなかで浮かび上がった少女の姿に、その謎を追うことに---------- 主人公は霊媒師トマス・シェルに命を助けられた不法移民の少年ディエゴ この少年の成長とそれを見守る大人たちの愛の物語 お薦めの一冊です。これを薦...
2006年版 (2005年)

無頼の掟/ジェイムズ・カルロス・ブレイク/文春文庫(2005.1.10発行)

このミステリーがすごい!2006年版(2005年)宝島社第3位 舞台は1920年代のルイジアナ 叔父たちと銀行を襲ったソニーは失敗して一人逮捕されてしまう-------- 解説者は「犯罪小説、西部小説、悪漢小説、教養小説、青春小説、そして恋愛小説」と本書を紹介しています。 本当にいろいろな要素が入り交じった小説で、楽しめること保証いたします。あっという間に読み切ってしまいました。 本書はジェイムズ...
2008年版 (2007年)

路上の事件/ジョー・ゴアズ/扶桑社ミステリー(2007.7.30発行)

このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社第6位 舞台はアメリカ1953年の夏 作家志望の主人公ビアス・ダンカンが貨物列車から飛び降りたところから物語が始まります。 次から次に起きる事件現れる多くの登場人物たち 目が廻ってしまいそうでした。 実際にサンフランシスコで12年にわたって私立探偵として活動したジョー・ゴアズの長篇作品リスト第13作目 <長篇作品> 翻訳されているも...
ノワールもの

七匹の蛾が鳴く/フランク・ティリエ/ランダムハウス講談社(2008.4.10発行)

パリ警視庁のフランク・シャルコ警視シリーズ第2作 パリ郊外の教会の中で、体毛をすべて剃られた全裸の女性が発見された。目立った外傷はなく、頭部には何故か七匹の蛾が------ この人の作品には本当に驚かされます。一度是非お試し下さい。但し、第1作『タルタロスの審問官』からお読み下さい。 女性警部補リュシー・エヌベルが活躍するシリーズでも好評を博しているそうです。是非こちらのシリーズも翻訳をお願いいた...
ラブ(ロマンス)サスペンス

カルダー家の秘密 裏切りの夜を逃れて/ジャネット・デイリー/集英社文庫(2008.4.25発行)

「ロマンス小説の女王」待望の名作シリーズ アメリカで絶大な人気を誇るカルダー家のシリーズの4作目 全米でも有数の大牧場の当主チェイス・カルダーとその息子タイ・カルダーの物語 愛と野望と復讐の物語。 現在まで10作が発表され、今も全米のファンが11作目の出版を首を長くして待ちこがれているそうです。 どこかで読んだ覚えがあるんですが、初めての邦訳なのでしょうか。ご存じの方はお知らせ下さい。 2008...
ユーモア・ミステリ

カスに向かって撃て! /ジャネット・イヴァノヴィッチ/集英社文庫(2008.2.20発行)

逃亡者逮捕請負人(バウンティ・ハンター)ステファニー・プラム シリーズ第10作目 何作か読んだ記憶があります。 更に更にヒートアップした本作 楽しめます。笑ってばかりいて、今回は何の事件だったか余り覚えていないほどの面白さ。本作が気に入ったら是非第1作から読んで彼女の世界にどっぷりとはまってください。 1994年に発表したミステリ第1作である長編「私が愛したリボルバー」で1995年イギリス推理作家...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

敵意ある証人/ウィリアム・ラシュナー/扶桑社ミステリ(1999.4.30発行)

若き弁護士ヴィクター・カールは、大手法律事務所に就職を希望するも、ことごとく不採用となり、やむなく仲間たちと弁護士事務所を開業する。 そんなある日、彼にとって千載一遇とも言うべき仕事が舞い込んだのだが----- 出世欲ばかりあって、失敗ばかりのカールをパートナーの女性弁護士エリザベス・デリンジャーや私立探偵モーリス・カプスティーンたち脇役たちが支えていきます。 なぜか憎めないカールをずっと読んでい...
ラブ(ロマンス)サスペンス

外科医/テス・ジェリッツェン/文春文庫(2003.8.10発行)

本書のヒロインはなんといっても外科医のキャサリン・コーデル その脇役にボストン市警察殺人課刑事トマス・ムーアと同女性刑事のジェイン・リゾーリ 女性の子宮を抉り取り喉を掻き切る猟奇連続殺人事件が発生。数年前に同様の事件が起きていたが、そのときの犯人は被害者によって射殺されていたのだが---- 女医さんでなければ描けない描写 女性に対するとても残忍な事件なのですが、作者の根底に流れる人間に対する暖かい...
2004海外ミステリ

嘘つき男は地獄へ堕ちろ/ジェイソン・スター/ヴィレッジブックス(ソニーマガジンズ)(2004.6.20発行)

闘うベストテン2004(ミステリチャンネル) 海外ミステリ次点(第11位) どんな結末が待っているのか、いろいろと考えることができてとても楽しめました。 もちろんこんな結末は予想していませんでしたが。 この作家の作品は訳者によれば二つの系列があり、ひとつはエリートサラリーマンの転落物・もうひとつはギャンブルのめり込み物 本書は二つの系列を組み合わせて物語が出来上がっていますとのことです。 デビュー...
リーガル(法律・法廷)サスペンスもの

最後の審判/リチャード・ノース・パタースン/新潮文庫(2005.6.1発行)

「罪の段階」「子供の眼」に続く法廷サスペンス3部作完結編 今回は大統領から合衆国控訴裁判所判事に指名を受けるまでの地位についた女性弁護士キャロライン・マスターズが主人公 彼女の生き方・生い立ち(23年前なぜ故郷を捨て家族と絶縁してしまったのか)が明らかにされます。彼女自身の物語と法廷ミステリとが展開していきます。 姪のブレット・アレンは、恋人のジェームズ・ケースをナイフで喉を掻き切って殺したという...
2008年版 (2007年)

物しか書けなかった物書き/ロバート・トゥーイ/河出書房新社(2007.2.10発行)

このミステリーがすごい!2008年版(2007年)ベスト20宝島社<海外>第4位 生涯短編一筋を貫いた短篇作家トゥーイの傑作14篇 表題の作品のようなSF的なものから、借金取りや警官を騙して喜ぶ男の馬鹿話や『階段はこわい』のような生涯の内に4度結婚して4度とも妻を事故で亡くした男の話など多種多様の作品が集まっています。 ミステリが読みたい2008年版 ベスト・ミステリ2007(早川書房)でも第14...